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スカウト的観戦者カルト座談会〜伝説のネットスカウトが見つけた隠し玉とは〜

 10月23日のドラフト会議当日まで、あと数日! 贔屓のチームがどんな指名をするか、注目のあの選手はどの球団が交渉権を獲得するか、1位指名で競合し、クジ引きの結果で笑う球団はどこになり、泣く球団はどこになるのか、と興味は尽きない。その中の1つとして、「今年はサプライズ指名があるのか」ということも気になる。「まさかこの選手を1位で!」、「この球団がこの選手を指名!?」といったことも「サプライズ」だが、今回注目したいのは「こんな選手がいたの?」という隠し玉系の「サプライズ指名はあるのか」ということに注目したい。そこで、『野球太郎No.012』で登場していただいた、ネット上で活躍するネットスカウト5名が推薦する隠し玉選手を紹介したい。

 いきなり、隠し玉の選手を紹介するのではなく、このネットスカウトたちの紹介とともに、今年のドラフト注目選手をどのように評価しているか、まず紹介していきたい。

☆安樂智大の場合

「KKコンビ」が高校卒業してからの喪失感を埋めるためにドラフトに熱中してきた、20年以上見てきた蔵建て男さんは「歴史的なドラフト候補で、メジャーも狙える、松井秀喜レベルの存在だと思います。今年、宮崎での招待試合を見てきたのですが、所作というか雰囲気がもう普通の高校生とは全然違うんです。こんな子がいるんだ!」と大いに驚いたという。

 KKコンビで高校野球に目覚め、松坂世代でドラフトに火がついた柳川貴裕さんも「素材は別格、ダルビッシュ有(レンジャーズ)や大谷翔平(日本ハム)とくらべても安樂の方が上」とみている。

☆有原航平の場合

 1996年から続く老舗サイト「ドラフト会議ホームページ」の管理人を務めているyukiさんは「どこか信用できないんですよね」と有原を評している。その理由を柳川さんが「彼は8回はすごい球を投げて抑えたのに9回メチャクチャ打たれたりとか、ポカが多い」と説明してくれた。もちろん、「搭載しているエンジンなら大瀬良大地(広島)や菅野智之(巨人)よりも有原のほうが上」と蔵建て男さんは評価をしているが「いい時と悪い時の差が大きい」とマイナス点も。これだけの投手が大学日本代表の選考に漏れたことがすべてを表している、ということらしい。

 「行ったことがないところに行く」がモットーで、高1秋の安樂を観に行ったり、中央大のセレクションを観戦して都小山台の伊藤優輔が気になっている、アマチュアトラッカーさん。雰囲気が変わって大物感が出てきた?橋光成を一番に評価している、小学3年から『報知高校野球』を愛読している?梨雅男さん。以上5名のネットスカウトのみなさんだ。


☆カリフォルニア大ノースリッジ校のドラフト候補!?

 事前アンケートで推薦選手リスト10人を準備してもらった。この座談会の中で、「10番目は確かにチャレンジしたくなる(笑)」というyukiさんの一言から、「チャレンジ枠」いわゆる隠し玉系の話に発展した。堰を切って紹介してくれたのは柳川さん。

「都市対抗でセガサミーの補強選手として出場していた明治安田生命の大久保匠。明治大時代にも見たことがあるんですが、その時はスリークオーターから130キロぐらいの球を投げていました。でも、正統派のオーバースローで144キロぐらい出すようになり、その後、関東選抜リーグでHondaを完封し、日本選手権予選でJX-ENEOSに勝つ波乱を演じました。明治安田生命から初めてのプロ野球選手が出てもいいのでは、という期待も込めて」

 マイナーな選手を見ることが多いアマチュアトラッカーさんは成美大の阿部翔太、花園大の田中良輔、金沢星稜大の江口大樹という投手とともに、カリフォルニア大ノースリッジ校の秋利雄佑を紹介してくれた。

「愛知学院大にいたんですけども、途中で辞めて、アメリカに渡った選手です。この9月から4年制に編入したので、ドラフトしようと思えばできるはず。本人は来年6月のMLBドラフトを目指しているので、(日本での指名は)ないと思います。日本人がMLBでショートを守るって実現すれば快挙なので、そこを主張したくて」

 2013年の加藤豪将の指名に続き、また日本人選手がMLBドラフトで指名されそう、というのは非常に楽しみだ。いつか日米野球で加藤・秋利の二遊間でMLB選抜と戦うことになったら……。

☆メインストリームから外れた個性派選手

 話を日本のドラフトに戻そう。yukiさんが推薦するのは日本橋学館大の小竹一樹。体重が110キロの一塁手だ。

「最近の高校生はテクニカルな選手が多くなっている。その中でデカくて飛ばすけど……という選手はメインの進路には進めなくて、日本橋学館大とかにやってくるんです。でも、そういう選手も面白いですよね」

 日本橋学館大は千葉県大学野球連盟に2002年に加盟し、ずっと3部だったものの、2011年に小竹が入学すると、2012年春秋ともに優勝し、秋の入替え戦で勝利して、2部昇格。2014年春は勝ち点で優勝校と並んで2位と小竹が引っ張るとともにチームも強くなってきた。

 最後に、もともとは隠し玉的な選手だったものの、今年の目玉の1人と成り上がった京都大の田中英祐について。

「話題性ばかり言われてるけど、指名を検討するに価する投手。バネがあって、投げっぷりもいい。特に大学日本代表候補合宿での挑戦状を叩きつけるようなピッチングがよかった」(柳川)

「高学歴とかいってクールな男かなとイメージしていたら、ものすごく熱かった」(蔵建て男)

 とネットスカウトのみなさんも相当な評価をしている。「サプライズの1位指名」はあるのか、こちらも気になる存在だ。

(この記事は『野球太郎No.012』の記事を再構成したものです)


ネットスカウトのみなさんのTwitterやホームページはこちらでチェック!

・蔵建て男さん…https://twitter.com/kuratateo / 迷スカウトhttp://members2.jcom.home.ne.jp/kuratateo/

・柳川貴裕さん…https://twitter.com/sandp89

・yukiさん…https://twitter.com/draft_kaigi / ドラフト会議ホームページhttp://draft-kaigi.jp/

・アマチュアトラッカーさん…https://twitter.com/amateur_tracker

・?梨さん…現在、Twitterやホームページはありません。

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