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同じネタでもこれだけ変わる? スポーツ各紙の切り口の違いに注目

 スポーツ新聞は基本的に同じニュースを扱っている。しかし、切り口次第で読者に与える印象はまったく違ってくる。



スポーツ各紙で異なる切り口


 例えば12月14日の新聞では、糸井嘉男(オリックス)が、神戸市内で野球少年相手に行ったトークショーの様子が記事になった。


 スポニチでは「Jリーグ開幕当初はサッカーをやりたかった」、(昨年から打席に入る前のルーティンに前阪神のマートンの動作を取り入れていることを明かし)「マートンは神様なんで」

 報知は「ヒジが痛いときはどうしてますか?」と子どもに聞かれ「いい病院紹介するから! そこの先生の言うことを聞いてれば大丈夫!」。

 サンスポは「投手時代にクイックができず混乱して(投球動作で)右足をあげてしまった」「オリックス移籍が決まって姫路に住もうとした」を、爆笑ネタとして紹介。

 それぞれ糸井らしい味はあるのだが、スポニチを読んだ人には糸井の天衣無縫ぶりが、サンスポでは天然ぶりが、報知では人の話をちゃんと聞かないマイペースぶりが印象に残るのではないか。

 そして、このコラムを読んだ人には糸井の七色のとんちんかんぶりが印象に残ることだろう。


巨人・杉内を巡るこんな記事あんな記事


 もちろん、球界ニュースはこの手のどう切り取っても笑いに着地するようなものばかりではない。

 同じく12月14日のスポーツ紙では大幅減俸を申し出た巨人・杉内が、実は10月1日に大手術を受けていたとの記事が報じられた。

 その見出しがサンスポは『杉内復帰めど立たず』に対して、報知は『超回復!!杉内』なのである。

 よくよく記事を読むと、両紙とも杉内の復帰は決して簡単な道ではないと書かれているのだが(サンスポの方がやや悲観的)、見出しから受ける印象はまったく違う。

 どっちいが良いか悪いではなく、それが各スポーツ新聞の個性である。報知は巨人ファンに希望を届けるのが最大の仕事だもんなぁ。


文=御手洗あつひこ
幸楽(@渡る世間は鬼ばかり)のような中華料理屋でスポーツ新聞を読むことをこよなく愛するダメライター。その経験を生かして野球太郎で年に一度だけ『ドラフト当日の新聞報道徹底検証』の記事を担当する。好きな紙面レイアウトはスポニチ。

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