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阿部慎之助の2000安打で思い出す「惜しくも2000安打を逃した」巨人・生え抜きの名選手たち

阿部慎之助の2000安打で思い出す「惜しくも2000安打を逃した」巨人・生え抜きの名選手たち

 8月13日、広島対巨人の一戦で阿部慎之助(巨人)が通算2000安打を達成した。入団から17年、負担が大きいキャッチャーで長年出場してきただけに、この記録は非常に価値のあるものだ。

 また、巨人の生え抜き選手では川上哲治、長嶋茂雄、王貞治、柴田勲に続く5人目の偉業達成。もはや巨人の球団史に名を残す強打者になったと言っても過言ではない。

 その一方、巨人一筋で現役を続けるも、2000安打には至らなかった名選手たちもいる。阿部が2000安打を達成した今、そういった惜しかった選手たちをあらためて振り返ってみたい。

現役引退が惜しまれた高橋由伸


 最近では、現在監督を務める高橋由伸の姿が記憶に新しい。

 入団1年目から右翼のレギュラーを獲得し、プロ2年目には4番打者に座るなど着々と大打者への階段を駆け上がっていった。7年目の2004年には当時歴代8位となる850試合で1000安打に到達。誰もが将来、高橋が2000安打を達成するだろうと信じていた。

 しかし、翌2005年以降はケガの影響で出場試合数が減り、それに比例するように安打数も2007年に155安打を放ったのを最後に、年間100安打を下回るシーズンが続く。それでも2011年には1500安打を達成。代打で新境地を見せたが、2015年シーズン終了後に原辰徳監督の後を受けて監督就任。突如現役を引退する。

 通算安打数は1753。もしケガがなかったら、もし現役をあと数年続けていたら……と思わせてしまう名選手だった。

篠塚和典、原辰徳も叶わなかった


 1980年代から1990年代半ばまで、長年巨人の野手陣を引っ張っていたのが篠塚利夫(現・和典)と原辰徳だった。

 篠塚は芸術的な流し打ちに代表されるように、高い打撃センスの持ち主だった。1984年、1987年と首位打者を2度獲得し、数多くのヒットを重ねてきた。しかし、1990年以降は出場機会が減り始め、1994年には19年間の現役生活にピリオドを打つ。通算安打数は1696だった。

 一方、原は長年チームの4番打者として活躍。4番打者として出場した1066試合は川上、長嶋、王に次ぐ巨人歴代4位の数字だ。入団1年目から12年連続で100安打以上を放っていたが、1993年以降はスランプやアキレス腱のケガの影響で成績が下降。現役最終年の1995年はベンチを温める日々が続き、同年限りで引退。通算1675安打でバットを置いた。


次の生え抜き2000本安打は坂本が最有力?


 阿部の2000安打達成で、次に期待されるのは「阿部の次に2000安打を達成する巨人の生え抜き選手は誰か?」ということだろう。現在、その最有力候補となっているのがチームの顔・坂本勇人だ。

 坂本は今季、7月9日の阪神戦で通算1500安打に到達。右打者では史上最年少となる28歳6カ月での達成というスピード記録だった。巨人でも王の持つ30歳4カ月を塗り替える記録になる。

 現在のペースでヒットを積み重ねていけば、3、4年後には2000安打を達成する計算になる。「天才打者」と呼ばれた榎本喜八(元毎日ほか)の31歳7カ月という2000安打到達最年少記録を塗り替えられるのか? いまからでも注目していきたい。

文=武山智史(たけやま・さとし)

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