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日米の変化、過度なプレッシャー…疲れがピークに?ケガにはくれぐれもご注意を!

 今季、黒田博樹(広島)、松坂大輔(ソフトバンク)、田中賢介(日本ハム)、中島裕之(オリックス)の4選手がアメリカから帰ってきた。大きな注目を集める中、久しぶりの日本球界で開幕から約1カ月が経ち、どんなプレーを見せているか……という企画だったが、松坂は、右肩の筋肉疲労から完全に戦線を離脱してしまった。現在、無期限のノースロー調整で、リハビリ専門機関に通いながら復帰を目指しているという。最悪の場合、後半戦での復帰となってしまうかも……とのことだ。

 これでは『野球太郎プロ野球選手名鑑+ドラフト候補名鑑2015』や『週刊野球太郎』での記事「今シーズン最大の注目!メジャーからのNPB復帰組の活躍はいかに?」で予測した「合格ライン」の成績【25試合10勝150イニング】に達するのはほぼ不可能だろう。残念ではあるが、まずは1軍で投げられるようになってほしい。

 気を取り直して、今週は中島と黒田を中心に先週の成績を振り返ってみよう。
(成績はすべて4月19日終了時点)

☆チームとともに中島の状態も上がった! と思いきや……

 中島の特長は広角に打てることだが、引っ張った打球がゴロになり、逆方向への打球はフライになっている傾向が強く、中島本来の強い打球を飛ばせていなかった。

 しかし、先週は内野ゴロよりも外野へのフライやライナーが増え、逆方向にも強い打球を飛ばせるようになってきた。なかでも、18日・西武戦の第4打席で放った右中間へのタイムリー二塁打は、いかにも中島らしい打球だった。

 チームも3連勝と開幕からのどん底から脱したかに見え、逆襲が始まったかに見えた。ところが、19日の試合で内野安打を打った際、中島は右太もも裏を痛め、途中交代。精密検査の結果はまだわからないが、しばらく戦列を離れる可能性がある。

 調子が上がってきたかに見えただけに残念だ。1日も早い戦列復帰を待ちたい。ちなみに、19日現在、20試合で打率.216、2本塁打、6打点の成績だ。

☆黒田の感覚のストライクゾーンじゃない!?

 広島の黒田は19日現在、4試合2勝1敗、防御率2.33。18日の中日戦で先発し、7回2失点。勝敗はつかなかった。数字の上では先発の役割を果たしたと言えるが、先制点と勝ち越し点を許すなど勝負所で悔やむピッチングとなった。

 また、ゴロアウトが6、フライアウトが8と日本復帰後では初めてフライアウトのほうが多かった。通算ではゴロアウトが36、フライアウトが19とゴロアウトがまだ多いが、目に見えない疲れが出てきているのかもしれない。次の登板に注目だ。

 もうひとつ、黒田のピッチングで気になるのが日米でのストライクゾーンの違いだ。打者の内角ボールゾーンからストライクに変化してくる、いわゆるフロントドアの中でも左打者に対して投げた時、球審の判定に「あれ?」という表情を黒田が見せることが何度かある。

 8年ぶりの日本復帰で、日本のストライクゾーンに対する感覚がまだ戻ってきていないのかもしれない。左打者へのフロントドアは黒田にとって大きな武器となるだけに球審の傾向も含めて、修正していきたい。


 日本ハムの田中は、14日のロッテ戦以外でヒットを記録した。19日の楽天戦ではチームの全得点となる3打点をマークし、チームの連敗ストップに貢献した。これまで猛打賞は2度と、固め打ちをすることは少ないが、コンスタントにヒットを重ねている。

 19日現在、打率.299、1本塁打、12打点。得点圏打率.471はチームトップ(パ・リーグ全体でも2位)で、打点は中田翔に次いでチーム2位。セカンドの守備でも失策はまだなく、攻守において堅実なプレーを見せている。

 文句なしの活躍をしている田中だが、あえて注文をつけるとすれば本拠地・札幌ドームでの成績だ。まだ5試合とはいえ、18打数4安打、打率.222は少々寂しい。週末のオリックス戦で、地元のファンに田中健在をバットでもアピールしてほしい。


■ライター・プロフィール
京都純典(みやこ・すみのり)/1977年生まれ。データ関係の仕事を得意とする野球ライター。『プロ野球本当の実力がわかる本2015〜セイバーメトリクスで見るプロ野球〜』 (日刊スポーツ出版社)の監修を務めた。『野球太郎[Special Edition] プロ野球選手名鑑+ドラフト候補名鑑2015』の巻頭ページにて、2015年注目トピックの全データを解析した。中日ファン。

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