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オリックスを見るならこのルーキー 〜贔屓球団が下位に沈むシーズン終盤の楽しみ方〜


 最下位に沈むオリックス。シーズン終盤のファンの楽しみと言えば、若い選手の活躍だろう。今季入団したルーキーで、1軍で活躍している選手を紹介しよう。

パワフルスイングの吉田正尚


 吉田正はドラフト1位で青山学院大から入団。春季キャンプからそのパワフルな打撃で注目された。そして開幕1軍を果たし、1番・指名打者としてスタメン起用された。デビュー戦でプロ初安打を記録。5打数2安打でスタートし、今後の活躍をファンは期待した。

 しかし4月24日、腰椎椎間板症を発症し登録抹消。当初は交流戦中に復帰といわれていたが、慎重にリハビリを続けることになり、復帰までの時期が長引いた。再登録されたのは8月12日。その復帰後、吉田正は大活躍を果たす。

 8月18日の日本ハム戦で1番レフトに起用されると、2打席目に待望のプロ初本塁打を放つ。26日の楽天戦からは3番に起用され、その日は3安打。次の日はソロ、2ランホームランを含む3安打と大暴れ。30日のロッテ戦では、3番・吉田正、4番・T-岡田でアベックホームランを放ち、勝利に貢献した。

 9月6日現在の成績は以下だ。

《42試合/打率.299(154打数46安打)/5本塁打/17打点》

 吉田正の魅力は、なんといってもそのパワフルなスイングだ。身長173センチとプロ野球選手としては小柄だが、そのスイングスピードは見るものを魅了する。

 左打席から繰り出すそのスイングを見て、かつてオリックスにもいた門田博光を思い出すと言うファンも多い。今は結果を気にせず、ガンガン振って欲しい。

安定感抜群の赤間謙


 赤間謙はドラフト9位で鷺宮製作所から入団した右腕投手。吉田正とともに開幕1軍を果たしたが、そのデビューは散々だった。3月26日の西武戦に2番手として登板したが、2/3イニングを投げて被安打2、4四死球、4失点で降板。29日の日本ハム戦でも四球がからみ4失点、1アウトしかとれずに降板している。この2試合で通算防御率は54.00。翌日に登録抹消となった。

 しかし、6月19日に1軍再登録された赤間は、生まれ変わったように好投を続ける。ビハインドでの短いイニング、または、先発投手が崩れた時のロングリリーフとして起用され、どの試合もそれ以上失点を重ねず、試合を決して壊さない。

 ランナーを出しても少しも慌てず、そのイニングを無失点に抑える。その安定感はオリックスのどの投手よりもあるのではないか。

 防御率54.00はみるみる下がり、9月6日現在で以下の好成績を残している。

《17試合/投球回25.1/自責点7/防御率2.49/被本塁打1/与四球15/奪三振11》

 赤間の持ち球はストレート、カットボール、スライダー、チェンジアップだ。打者の手元で沈み込むチェンジアップは、打者のタイミングを狂わせ、非常に効果的だ。

 ドラフト9位で注目度は低かったが、確実にオリックスの戦力となっている。今後は、いい場面でのリリーフでの登板を見てみたい。


来季への希望


 今回紹介した吉田正、赤間の他に、1軍で出場しているルーキーでは、ドラフト3位の大城滉二(立教大)がスタメンで起用されることが多くなり、ドラフト7位の鈴木昂平(三菱重工名古屋)は守備固めで出場している。

 これらの選手が将来、オリックスの中心選手となっていくのだ。シーズンも残り少ないが、新しい戦力の活躍に期待したい。


文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
大阪在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。

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