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ロングリリーフに便利屋……。西村健太朗(巨人)らブルペンを支えた陰の功労者たち(セ・リーグ編)

ロングリリーフに便利屋……。西村健太朗(巨人)らブルペンを支えた陰の功労者たち(セ・リーグ編)

 今季のプロ野球も日本シリーズ直前と最終盤。華々しい活躍を見せた選手もいれば、不振に終わった選手もいる。そして、シーズンを通して見れば、大奮闘した選手もいる。

 特に注目したいのはリリーフ陣。シーズン中は「投げて当たり前」といった風に登場する彼らだが、あらためて通年で見ると価値が上がってくる選手も多い。なかでもロングリリーフや便利屋を務め、陰の働きをした投手には敬意を表したい。

 今季の各球団の働き者投手を紹介しよう。まずはセ・リーグ編!

九里亜蓮(広島)


■2017年成績
35試合/13先発/9勝5敗/2ホールド/投球回116.1/防御率3.64

 広島では先発も務めた九里亜蓮がロングリリーフに回った。リリーフでは安定感を増し、WHIP(1イニングあたりに出した走者の数値)は0.99。打線の奮起を呼ぶ試合も多く、リリーフで4勝を挙げた。こだわりのある先発で勝負をかける態勢は整った。


岩崎優(阪神)


■2017年成績
66試合/0先発/4勝1敗/15ホールド/投球回71.2/防御率2.39

 リリーフ陣にタレントが揃う阪神。リード時もビハインド時も小刻みな継投が可能だが、強いて挙げれば岩崎優が便利屋的に奮闘した。左腕ということもあり、相手の打順によってはイニング跨ぎもこなした。存在感を増したシーズンとなった。


国吉佑樹(DeNA)


■2017年成績
4試合/0先発/0勝0敗/0ホールド/投球回8.0/防御率2.25

 ラミレス監督が刻む継投を好むこともあって、リリーフ陣の多くがフル稼働したDeNA。山崎康晃、パットン、砂田毅樹、三上朋也、田中健二朗はもちろん功労賞だ。全員が連投をいとわずに投げ抜いた。誰か一人を決めるわけにはいかないほどの大奮闘だった。

 そこで、あえて期待を込めて国吉佑樹を推したい。2014年、2015年はロングリリーフで活躍し、波に乗りつつあった。今季は交流戦期間の4登板中3試合でロングリリーフをこなし、セットアッパーの疲労軽減に大なり小なり貢献した。終盤からCSにかけてはリリーフ陣の疲れが深刻化したが、国吉が便利屋の枠に返り咲けば、投手陣のやりくりは楽になるはずだ。

西村健太朗(巨人)


■2017年成績
45試合/0先発/0勝2敗/10ホールド/投球回48.0/防御率3.56

 大型連敗を喫した巨人が4位に留まったのは間違いなく西村健太朗の奮闘があったからだ。森福允彦、山口鉄也らが機能しないなか、西村も前半戦は上半身のコンディション不良で出遅れたが、6月に1軍に昇格すると連投も辞さずにリリーフ陣を支えた。

 近年はやや不遇の印象も抱くが、西村のこれまでの貢献度はかなり高い。マシソンの去就が注目されているが、海外FA権を有する西村の去就も密かに気になるところだ。


又吉克樹(中日)


■2017年成績
50試合/9先発/8勝3敗/21ホールド/投球回110.0/防御率2.13

 不調にあえぐ中日で便利屋のなかの便利屋だったのは又吉克樹だ。開幕はリリーフ待機だったが、チームがなかなか勝てずに登板機会に恵まれなかった。ようやく2試合目の登板となった4月5日の広島戦では、延長12回の死闘で4回1/3を投げた。そして、中1日の4月7日にはロングリリーフで3イニング……。

 シーズン序盤から「どんな起用法なんだ?」と思った矢先に今度は先発転向。先発でも9試合で3勝0敗、防御率2.63と上々の成績だったが、交流戦明けに「若手の育成」でセットアッパーに再転向した。心配になる配置転換続きだったが、結果を出した又吉のタフさには恐れ入る。


石山泰稚(ヤクルト)


■2017年成績
66試合/0先発/3勝6敗/24ホールド/投球回68.1/防御率3.03

 先発もリリーフもかなりの炎上ぶりだった今季のヤクルト。悩ましいところだが、復活を果たした石山泰稚を陰の功労者としたい。昨季は13登板に留まったが、今季はチームトップの66登板とフル稼働した。ルーキの退団が濃厚になるなか、石山の出来が来季のカギを握ることは確実。秋吉亮とともにリリーフ陣の最後の砦になりたい。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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