週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

キミたちの時代はもうすぐ!12球団若手捕手事情に迫る!!

 今季も熱いプレーを見せてくれた選手たち。まずはレギュラーシーズンを終えて、全選手に「お疲れ様でした!」とねぎらいの言葉をかけたい。

 残念ながらクライマックスシリーズ出場が叶わなかったチームのファンにとって、ややテンションが下がり気味なこの時期でもプロ野球を楽しんでもらおうと企画された「プロ野球2014今年の話題総まとめ!」のコーナー。第2回は今季の12球団の捕手事情に迫ってみた。

◎グイグイきている!? 今、若手捕手がアツい!!

 公式戦を振り返ると、今季も様々な話題があった。先週、このコーナーで取り上げた広島の盛り上がりや、オリックスの躍進、キューバ選手の活躍など……。ところがそのなかで、未だどのメディアでも取り上げられていない話題がある。それは12球団の若手捕手事情だ。実は今季のプロ野球では、各球団ともレギュラー捕手の新陳代謝が高まり、将来有望な若手捕手たちの出場機会が増えている。早速、セ・リーグ各球団から振り返ろう。

◎巨人・阿部慎之助の衰え……

 予想された独走状態ではなかったものの、文句のつけようがない優勝でリーグ3連覇を果たした今季の巨人。予想外の理由の1つは、阿部慎之助の不振にある。これほどまでに、結果がついてこなくなるとは想像できなかった。キャンプでの練習不足がその要因で、シーズン途中から巻き返していったものの、打率.248、19本塁打、57打点はプロ14年間で規定打席到達シーズンでは最低の数字。盗塁阻止率もリーグNo.1の黒羽根利規(DeNA)の.395に対して.273と、3割を割った。往年の強肩を知る者としては寂しい限りで、阿部の衰えは誰の目にも明らかだった。

 こうした状況でチャンスを掴んだのが、1年目の小林誠司だ。今季は63試合に出場して打率.255、2本塁打、14打点と打力はまだまだだが、十分、経験を積んだ1年目といってよいだろう。一昨年は重用された河野元貴や、鬼屋敷正人が思うほど伸びず、巨人の捕手事情は混沌としている。ポストシーズンにも出場するであろう小林は、大きな経験を積んで、来季以降、巨人の正捕手に就くかもしれない。


▲小林誠司

◎他球団の若手捕手にもチャンスが!

 巨人以外のセ・リーグ球団でも、若き正捕手候補たちが続々と活躍している。2位の阪神からは、こちらもルーキーながら92試合に出場して7本塁打を記録した梅野隆太郎を挙げたい。7月8日の広島戦で5号ソロを放った梅野。阪神のルーキーが甲子園球場で本塁打を放ったのは、2004年の鳥谷敬以来、10年ぶりの快挙だ。日高剛が引退を表明し、鶴岡一成、藤井彰人は高齢で、小宮山慎二、清水誉らも伸び悩むなか、梅野にかかる期待は大きい。

 広島の若手捕手では會澤翼がアツい。8年目の今季は65試合に出場。一昨年の28試合、昨年の31試合から出場数を増やした今季は、8月末のケガさえなければ、さらに増えていたはず。クライマックスシリーズ前に復帰し、再びスタメンに戻った。「打てる捕手」として、ほぼレギュラーを獲得した、といっていいだろう。次世代の正捕手として期待がかかる。

 Bクラスに沈んだチームも、着々と若手捕手が経験を積んでいる。前述したとおり、リーグNo.1の盗塁阻止率を記録したDeNAの黒羽根利規。9年目の今季は109試合に出場し、ベイスターズ投手陣を牽引。同世代の?岡賢二郎、西森将司らを突き放した。ただし油断は禁物で、48試合に出場した21歳の?城俊人も、レギュラー捕手の座を虎視眈々と狙っており、1年目ながら10試合に出場した嶺井博希も、来季は出場数を増やすだろう。

▲黒羽根利規

 2年連続最下位に沈んだヤクルトは、38歳のベテラン捕手・相川亮二も頑張った。しかし、99試合に出場した中村悠平にとっては、よい経験を積むことができたシーズンだったはずだ。安打数97本で打率.298、5本塁打、41打点を及第点の成績を残した中村。この3年で順調にキャリアを重ね、来季の開幕戦でマスクを被っているだけではなく、そろそろフルシーズンで中村が任せられる可能性は高い。真中満新監督を迎える新生ヤクルトの扇の要として、中村には大きな期待がかかる。

◎谷繁の背中を超えていけ!

 セ・リーグで最後に触れたいのが、中日の捕手事情だ。谷繁元信選手からプレーイングマネージャーに変わり、シーズン前から「誰が谷繁から正捕手の座を奪うのか」に注目が集まっていた。

 しかし結果は、「谷繁頼み」から脱皮できなかったといってよいだろう。91試合出場の谷繁に次ぐのが67試合出場の松井雅人で、その次に続く捕手は現れなかった。あまりの捕手不足に、シーズン途中には西武から武山真吾を獲得。33試合に出場したことを考えると、中日の捕手編成の改善は早急に手を打つべきだ。

 44歳の谷繁に次ぐ37歳の小田幸平は戦力外通告を受け、チームを去ることが決定的。来季こそ、谷繁の背中を超える正捕手の出現が待たれる。


■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)/会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。自他共に認める「太鼓持ちライター」であり、千葉ロッテファンでもある。Twitterは@suzukiwrite

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方