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【2015夏の高校野球】《鹿児島観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月4日〜20日(県立鴨池野球場ほか)

本命は不動の4番・山本擁する神村学園
原石発掘へ、エース候補たちが真価競う

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●「本物のエース」は出てくるか?


 今年の鹿児島はプロ注目の好素材が見当たらず、勝利を計算できる絶対的な投手も少ない印象だ。夏の大会で「本物のエース」といわれる投手は出てくるか、そこが見どころの一つだ。ここから紹介する選手はその「原石」といえる。

 優勝候補の本命・神村学園はエース・北庄司恭兵がこの1年間で大きく成長し、チームの信頼を勝ち取った。昨秋、右サイドにフォームを変えてから制球が安定し、投球術に幅ができた。

 橋本拓実(鹿児島実)は左腕が多かった鹿実から久々に現れた本格派右腕だ。ストレートは最速140キロ以上で、常時130キロ台後半と力強い。粗削りで制球に難はあるが、スケールの大きさを感じる、楽しみな投手だ。

 右腕では前山優樹(大島)も面白い存在だ。昨春のセンバツで甲子園のマウンドも経験しており、経験値は高い。ストレートで押す力投派だが、変化球の制球を磨き、「省エネ投球術」を会得して、夏に勝てる投手を目指す。右横手の好投手として溝口凌平(出水中央)、上原幸真(鹿児島城西)の名前を挙げたい。気迫を前面に押し出す溝口も、夏に向けて「腕を楽に振る」(荒木淳監督)投法をマスターしつつある。春の鹿児島を制したれいめいのエース・杉安浩は、チェンジアップを覚えたことで投球の幅が広がった。

 左腕では樟南の畠中優大、浜屋将太の2年生コンビが元気だ。?島隆良(出水)はチームメートからの信頼が厚いエース。薩南工は左腕・神薗康太だけでなく右腕・上塩入健斗も経験豊富な好投手だ。


▲北庄司恭兵(神村学園)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●リードオフマンに好素材


 山本卓弥(神村学園)は、今年の鹿児島で頭一つ抜けたスラッガーだ。どんな球種、コースにも対応できるバットコントロールのうまさとスイングスピードの速さで長打を量産し、「不動の4番」の雰囲気をかもし出す。

 外野手にはリードオフマンの好打者が多い。この春、一気にブレークしたのは火ノ浦明正(れいめい)だ。ヒジの手術で3カ月間野球ができなかった「飢え」を春の県大会で爆発させ、4本塁打を放った。室屋太郎(鹿実)は選球眼、走力が高く、勝負強い。2人とも中軸を打たせても遜色ない、贅沢な切り込み隊長だ。他にも、金城太輔(鹿城西)、川口信(鹿児島)、山田拓人(鶴丸)、冷水辰綺(薩南工)など1番に好打者を配するチームは例年以上に多い。

 左打者に面白い素材が多いのも今年の特徴だ。2年生ながら鹿実の4番に座る綿屋樹、秋の九州大会に出場した石神聖貴(鹿児島城西)、武隈光希、福山匠の鶴丸3、4番コンビ、大砲の雰囲気がある遠藤伊知郎(鹿児島玉龍)、児玉大地(出水)など、上位をうかがうチームの主軸は左打者が目立つ。  捕手では豊田翔吾(神村学園)を挙げたい。ケガでの出遅れは気がかりだが、経験、実績は申し分ない。名門校のマスクをかぶる前川大成(樟南)と築地瑠偉(鹿実)も元気がいい。福永幹也(れいめい)は、打力とリードの巧みさで春の躍進を支えた立役者の1人だ。

 守備のうまさでは大山竜生(大島)が光る。守備範囲の広さ、強肩ぶりでピンチを救う。


▲火ノ浦明正(れいめい)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●神村学園を軸に優勝争いを展開


 神村学園が優勝争いの軸になりそう。主砲・山本、エース・北庄司をはじめ経験と実績のある選手が揃い、県内では一歩抜き出た存在。これを脅かすのは、2年生が元気な樟南、春20年ぶりに鹿児島を制したれいめい、学校創立100周年を迎える伝統校・鹿児島実、昨秋準優勝の鹿児島城西、粘り強さが身上の出水中央、大島あたりか。鹿児島、加治木工、国分中央、鶴丸、尚志館、薩南工とベスト16、8クラスの実力を秘めたチームがひしめいており、混戦になりそうだ。

地区勢力ピラミッド

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