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ヤクルトと上位球団の3本柱を比較。3本柱もその他の投手もすべてにおいて足りなかった今季……

ヤクルトと上位球団の3本柱を比較。3本柱もその他の投手もすべてにおいて足りなかった今季……

 今季、ヤクルトは球団史上ワーストとなる96敗(45勝)を喫し、じつに借金は51を数えた。当コラムで何度この不名誉な成績を書いたかわからないが、これは事実なのでどうしようもない。

 大敗の理由は采配・戦力・故障とさまざまな要素が絡みあってのものだ。今回はその要因のなかから投手陣の崩壊ぶり見ていきたい。

貯金を作るはずの3本柱で借金16


 計算できる先発投手でどれだけ貯金を作ることができるか。それがヤクルトに限らずどのチームにとっても、優勝戦線に絡むための大きなカギとなる。

 参考までに日本一となったソフトバンクを見てみよう。東浜巨が16勝5敗、千賀滉大が13勝4敗、バンデンハークが13勝7敗と、3人で26の貯金を作った。チームの通算成績は94勝49敗で貯金45をマークしているが、3人で作った貯金は全体の58パーセントにものぼる。実に頼れる3本柱だった。

 一方、ヤクルトの先発3本柱……と言っていいのかはわからないが、小川泰弘が8勝7敗、ブキャナンが6勝13敗、石川雅規が4勝14敗と、3人で18勝34敗。貯金はおろか借金を16も作ってしまった。

 ブキャナンはローテーションをほぼ守ったが借金7。小川はチーム事情もあり、シーズン途中に中継ぎへと転向。後半戦で先発へ復帰したものの、疲労骨折により終盤に離脱してしまった。石川は5月半ば以降白星がなく、11連敗を喫するなど、いいところがなかった。

 3本柱とまではいかなくても、頼れるエースの存在なくしては優勝戦線に顔を出すことができない。来季のヤクルトはエースの確立ができるだろうか。候補となる小川、ブキャナンの右腕にかかる期待は大きい。

3本柱以外も軒並み数字を残せず……


 一方、小川、ブキャナン、石川という3本柱以外の投手成績を見ると、さらに悲惨な状況が浮かび上がる。トータルで27勝62敗と借金の数は35。勝負にならなかった。セ・パ両リーグにおいて、各チームの勝ち星上位3人を除いた投手の貯金(借金)数ではダントツの最下位である。

 なお、3本柱以外の投手たちで貯金を作れたのはソフトバンク(貯金19=52勝33敗)、広島(貯金10=51勝41敗)、楽天(貯金5=43勝38敗)、阪神(貯金5=49勝44敗)、西武(貯金2=43勝41敗)の5球団。全球団がCS進出を果たした。

 CS進出組のなかではDeNAのみ42勝50敗で借金8となったが、それでも12球団中6位と、上記5球団に続く数字だ。3本柱で貯金を作るだけではなく、その上でほかの投手たちも最低限の成績を残すことがやはり重要なのだ。

 ヤクルトは3本柱に続く原樹理(3勝11敗)、星知弥(4勝7敗)、山中浩史(2勝6敗)と期待された投手たちが軒並み借金持ち。来季は最低限、五分までは数字を戻したいところだ(※中継ぎでの勝敗も含む)。

 もちろん勝敗だけで投手のよし悪しをすべて判断することはできない。しかし、3本柱で貯金を作り、そのほかの投手が最低限五分で乗り切ることができなければ、来季もヤクルトの不振は続くだろう。

 ただし、エースを含めた3本柱だけ傑出していてもダメなのだ。それは巨人の例を見ることでわかる。菅野智之(17勝5敗)、マイコラス(14勝8敗)、田口麗斗(13勝4敗)の3本柱で、広島の薮田和樹(15勝3敗)、岡田明丈(12勝5敗)、大瀬良大地(10勝2敗)と同じ貯金27を作ったが、それ以外の投手で差がついた。その結果がリーグ優勝と4位という形で現れたとも言える。

 来季のヤクルト先発投手陣は空席が多い。既存戦力と新戦力が噛み合い、貯金を作れる陣容となることを期待したい。


文=勝田聡(かつた・さとし)

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