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山田哲人(ヤクルト)の登場曲変更は何だったんだろう。神宮球場で「小さなこだわり」を見つける楽しみ

山田哲人(ヤクルト)の登場曲変更は何だったんだろう。神宮球場で「小さなこだわり」を見つける楽しみ

 全部、雨のせいだ。

 夏の甲子園の開幕が台風の影響により1日順延となったことで、このコラムで書こうと思ったことが書けなくなったのだ。本来であれば、8月8日の大会2日目に前橋育英対山梨学院、日大山形対明徳義塾の結果が出ているはずだった。

 週刊野球太郎で執筆した「夏の甲子園・優勝校予想」で筆者は前橋育英対日大山形を今大会で見たい対決に挙げ、その試合が実現するのかしないのかを書く予定だったのだ。

 締め切りの都合上それが叶わなくなってしまった。雨という「甲子園の魔物」にいっぱい食わされたのでおとなしくフェイバリットのヤクルトについて書かせていただこう。

山田の登場曲に異変が


 8月8日のDeNA戦でソレは起こった。4対2とリードして迎えた5回裏、1死一塁の場面で山田哲人に打席が回ってきた。いつもと違う。いや、前に戻ったというのが正しい表現だ。そう、山田哲人の登場曲がGreeeenの提供した「遠くの空 指さすんだ」ではなくSOUL’d OUTの「ALIVE」だったのだ。

 この「異変」に気がついたファンは多かった。Twitterでは「登場曲が変わった」「担当が間違った」「変更の意図は?」など様々な投稿が見られた。筆者も同じような投稿を瞬時に行っていた。この変更は結果から言うと大成功だった。その打席で山田は貴重な追加点となる2点本塁打を放ったのだから。

 その次の打席の登場曲はいつも通り「遠くの空 指さすんだ」に戻っていた。筆者をはじめとしたヤクルトファンはモヤモヤした。「アレはなんだったのだろうか」と。

 結局、そのモヤモヤは試合終了後に掻き消されることになる。山田自身が「登場曲を変えるのが少し遅かったかな」とコメントしたのだ。今後、どのような登場曲を使っていくのかは不明だが、しっかりと聞き分けていきたい。

元オリックス組の小さなこだわり


 昨シーズン、オリックスからヤクルトへ移籍し、中継ぎとして活躍する近藤一樹。今シーズンは開幕から「火消し」的な役割を任されている。守護神の秋吉亮が離脱してからは「7回・近藤、8回・石山泰稚、9回・ルーキ」という方程式が確立され、手薄なブルペンを支えている。勝利の方程式を生かす機会が少ないのは置いておこう。

 神宮球場はご存じの通り、ブルペンがファウルグラウンドに設置されている。そのため、どの回から誰が準備しているのかが一目瞭然。投手交代のアナウンス、そして登場曲が流れ、マウンドへ向かう際の一挙手一投足まで拝むことができる。

 交代時に多くの投手はブルペンからマウンドへそのまま一直線で向かう。しかし、近藤は違う。一塁ベース付近までファウルグラウンドを直進し、一塁ベースを超えた当たりであたかも反復横跳びのようなステップを踏み、グラウンドに入っていく。その、ちょっとしたこだわりがファン(筆者)の胸を打つ。

 そういえば、近藤と同じくオリックスからヤクルトへやってきた坂口智隆も1回表の守備につく際、必ず帽子を取り、髪をなびかせながらスタンドへ一礼する。オリックスには、なにか小さなこだわりを持っている選手が多いのだろうか。

 来シーズン、オリックスから選手が加入したならば、小さなこだわりを見つけたい。心からそう思った。

 このように、勝ち負けだけではなく野球にはいろいろな楽しみ方があるのだ。決して最下位だからと言って現実逃避をしているわけではないということを最後に付け加えておく。


文=勝田聡(かつた・さとし)

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