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来季に向けての布石になるのか!? 動き出した「捕手・森プロジェクト」


 「打てる捕手」の触れ込みとともにプロの門を叩いた森友哉。

 とはいえ埼玉西武ライオンズには正捕手・炭谷銀仁朗の壁があるため本職でのプレーは少なく、持ち前の打撃を生かすために外野や指名打者で出場していた。

 しかし7月末から炭谷との併用が徐々に始まると、9月に入ってからは連戦で捕手を任されるようにもなってきた。

 そこで今回は、7月29日から9月4日の間に森がマスクをかぶった9試合を分析してみたい。

守備編


 まず9試合の内訳だが、3勝5敗1分。勝率.375はチーム勝率よりも落ちるが、自身8連敗中だった高橋光成を勝利に導き、多和田真三郎の3連勝を支えるなど要所で白星をゲットしている。

 またリード以外の面では、盗塁ランキングのトップを走る糸井嘉男(オリックス)を刺すなど自慢の強肩でも魅せた。どうしても炭谷と比較してしまうが、プロの捕手としての形にはなってきたのではないだろうか。


打撃編


 次に9試合の打撃成績。

捕手:打率.304(23打数7安打/0本塁打/2打点)
捕手&右翼手:打率.357(14打数5安打/0本塁打/1打点)

 ホームランはなく打点も少ないが、打率は自身のアベレージを超えているので及第点。

 むしろ捕手と右翼手での併用のときの方が成績は上がっているので、「先発捕手・森、抑え捕手・炭谷」のコンボをもっと発動させてはと思う(炭谷のプライドの問題もあるので難しいだろうが……)。

 また打順的には3番と6番を任されることが多いが、3番での打率.250に対して6番では打率.360と1割以上の差があった。打撃に光るものがある森とはいえ上位打線はまだプレッシャーになるようなので、西武の大阪桐蔭ブラザーズの末っ子としてクリーンアップの後ろでのびのびとプレーしてほしい。

残り試合の「捕手・森」も見逃せない


 サンプルが少ないとはいえ、結論としては「6番・捕手」で試合に出し続けるのがいいのではないか。

 球団は、入団後に強打が鳴りをひそめてしまった炭谷の轍を踏まないように森の育成を進めてきたが、打撃はもちろんのこと守備でも進歩が見られるので、今のところそのベクトルは間違っていないように思えるからだ。

 そして、今シーズン「捕手・森」の試運転ができたことは、来季へのエポックメイキングになる予感がする。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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