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DeNA球団初のCS進出決定! この5年で成し遂げた変貌の足取りを振り返る


 9月19日、DeNAは地元・横浜スタジアムで広島に勝利し、2005年以来、11年ぶりのAクラス入りが決定。同時に球団初となるCS進出を決めた。

 DeNAとなって5年、昨年は前半戦を首位で折り返す快進撃を見せるも、後半戦に失速し最下位となる悔しさを味わっていた。ラミレス監督の手腕はもちろんだが、DeNA発足初年度から4年間チームを指揮し、土台を作った中畑清前監督の功績も忘れてはならないだろう。

 選手個々はもちろん、球団全体もこの5年間で大きく変貌したDeNA。その辿ってきた道を振り返る。

筒香、梶谷がチームの顔に成長


 この5年間で最も成長したのは現在のチームの顔・筒香嘉智だろう。横浜高時代から長距離打者として鳴らた筒香は、DeNA発足初年度の2012年に108試合に出場。10本塁打を放ち台頭した。2014年には打率.300、22本塁打、77打点と大きく飛躍する。

 そして昨季、中畑前監督からキャプテンに任命されると、開幕戦から4番に座り主軸として活躍。成績も打率.317、24本塁打、93打点と前年を上回り、リーグを代表する強打者と認知された。シーズン後のプレミア12でも侍ジャパンの中心打者として名を連ね、オフシーズンはドミニカのウインターリーグに参加。さらなる高みを目指した。

 今季も好調を保ち、9月13日のヤクルト戦では自身初の40本塁打に到達。本塁打、打点でリーグトップと初のタイトル獲得に向けて邁進し、DeNA打線をけん引している。

 またDeNAの発足初年度に、中畑前監督が「レギュラーを張る選手に育てたい」と熱い視線を送っていたのが、当時プロ6年目の内野手・梶谷隆幸だった。

 試合に出場するもミスが相次いだ梶谷だったが、2013年にはケガから復帰した後半戦にバッティングが覚醒。規定打席は届かなかったが打率.346、16本塁打と結果を残した。

 2014年には外野手にコンバートされ、自慢の俊足で盗塁を重ねていく。終わってみればプロ入り初めて1シーズンでレギュラーを張り、39盗塁で盗塁王を獲得。目を掛けてきた中畑前監督の期待に応えた。

石田、今永の両左腕が活躍


 打者では筒香、梶谷が成長した一方、DeNAがずっと課題として抱えていたのは「先発左腕」だった。そんな状況のなか、今季台頭したのがプロ2年目の石田健大とルーキー・今永昇太だった。

 法政大からプロ入りした石田は1年目の昨年、 2勝6敗の結果に終わる。しかし今季は開幕から先発ローテーションに入り、5月には4勝0敗、防御率0.33、自責点はわずか1という圧巻の投球で月間MVPを獲得した。9月19日時点で9勝4敗とし、2ケタ勝利を目前としている。

 一方、昨秋のドラフト1位で入団した今永はシーズン序盤、好投は見せるもなかなか打線が援護できず、勝ちがつかないもどかしい登板が続いた。それでも黙々と投げ続けた今永は5月6日の広島戦で7回無失点の好投を見せ、待望のプロ初勝利を挙げる。

 この勝利で勢いづいた今永はその後5連勝と勝利を重ね、チームの躍進に貢献した。CS進出を決めた9月19日の広島戦にも先発し、7回途中1失点と先発投手の役割を果たしている。


球団改革を果たし観客動員数が大幅アップ


 そして忘れてはならないのは、横浜スタジアムに多くのファンが訪れるようになったことだろう。DeNAが経営に参入して以降、初年度に行ったチケット代返金企画「全額返金!? アツいぜ! チケット」に始まり、球界初の試みとなったドキュメンタリー映画『ダグアウトの向こう』の上映。地元・横浜に密着した「I☆YOKOHAMA」の活動など、以前にはなかった斬新な企画・アイデアで多くのファンを取り込んできた。

 さらに今季は球団が本拠地・横浜スタジアムの運営会社を買収し、「ボールパーク構想」を打ち出した。球団オリジナルのビール販売も始まり、さらなる進化を遂げている。

 観客動員数も年を追うごとに増えていき、今季は日本一となった1998年を上回る球団史上最多を記録した。今後もDeNAの躍進とともにファンを楽しませる仕掛けも楽しみだ。


文=武山智史(たけやま・さとし)

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