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プロ野球トライアウトを受験した「元NPB勢」。挑戦者たちの今季独立リーグでの成績は?

 11月10日、静岡・草薙球場で12球団合同トライアウトが開催され、約5000人のプロ野球ファンが、彼らの最後になるかも知れない雄姿を見守った。

 阪神を戦力外になった加藤康介、藤原正典やソフトバンクの育成契約を蹴り、支配下登録を目指す白根尚貴などがNPBでの生き残りを賭けて猛アピールした。

 また、今回のトライアウトにはプロ野球界をクビになり、独立リーグに活躍の場を移した12名の「元NPB」勢が参加した。

「生き残り」どころか「復活」を賭ける彼らの今季の独立リーグでの活躍と、トライアウトの結果はどうだったのだろうか?まずは投手から紹介しよう。


西村憲(元阪神/BCリーグ・石川ミリオンスターズ/28歳)


【BCリーグ】26試合/2勝0敗11S/防御率0.00

 2010年には阪神で65試合に登板した西村。中継ぎエースへと登り詰めていても不思議ではなかったが、右ヒジ故障の影響もあり活躍が続かなかった。昨オフに自由契約となり、BCリーグ・石川に加入した。

 今シーズンは抑えとして、26試合に登板し、26回1/3で被安打13、与四球8の失点2。23個の三振を奪い、自責点は0.00のパーフェクトピッチングを見せた。

《トライアウト結果》
三者凡退、2奪三振、最速は134キロ。戦力外の要因となった「ストレートが戻らない」状態ではあるが、投球術でカバーできる可能性を見せた。


正田樹(元ヤクルトほか/四国IL・愛媛マンダリンパイレーツ/34歳)


【四国IL】13試合/7勝3敗/防御率0.74

 2002年に日本ハムで9勝を挙げ、新人王を獲得した正田。2013年オフ、ヤクルトに戦力外通告を受け、台湾球界を経て愛媛入り。2011年にもBCリーグ・新潟アルビレックスBCに在籍しているので、独立リーグ通算3年目のシーズンとなる。

 2012〜2013年のヤクルト時代も防御率は2点台で、渋いピッチングをしていたが、四国ILではやはり別格の存在で2年連続最優秀防御率を獲得。新人王獲得以降は伸び悩んだと言われたが、安定感のあるピッチングを見せている。

《トライアウト結果》
三者凡退、2奪三振の好投。熟練の技を披露した。


菊地和正(元DeNAほか/BCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサス/33歳)


【BCリーグ】25試合/1勝2敗3S/防御率2.88

 日本ハム時代の2009年には58登板、DeNA時代の2012年には63登板のタフネスを発揮しながらも右肩痛に苦しんだ菊地は、今シーズンから選手兼コーチとして群馬に加入。「さすが元NPB」と言わせるほどの投球はできなかったが、順調な回復を見せてた。

《トライアウト結果》
先頭打者から三振を獲ったが、その後、ヒット、二塁打を許す。

伊藤拓郎(元DeNA/BCリーグ・群馬ダイヤモンドペガサス/22歳)


【BCリーグ】29試合/6勝6敗/防御率4.81

 昨オフ、21歳の若さで職を失った伊藤。正直、「やはり…」と言わざるを得ない状態だった。群馬加入の際には当時監督を務めていたアレックス・ラミレスのラブコールがあった。恩師・ラミレス監督がDeNAにいるうちに結果を出して、もう一度NPBに戻りたいところだ(写真はDeNA時代)。


《トライアウト結果》
最速138キロで三者凡退。スライダーのキレは健在。


塚田晃平(元広島/BCリーグ・新潟アルビレックスBC/26歳)


【BCリーグ】21試合/2勝3敗/防御率4.70

 早稲田大から2011年育成ドラフト3位で広島入団。プロ2年目の2013年に四国IL・高知ファイティングドッグスに派遣されたものの、18試合で防御率7.56というNPB所属選手としてトンデモない成績を残してしまい自由契約に。昨季は米独立でプレーし、帰国後、BCリーグのトライアウトを受験。新潟に1巡目指名された。

《トライアウト結果》
三者連続三振の快投。シーズン成績の物足りなさを一蹴する気合い。


甲斐拓哉(元オリックス/BCリーグ・信濃グランセローズ/24歳)


【BCリーグ】35試合/1勝3敗3S/防御率3.77

 東海大三から2008年にドラフト1位でオリックスに入団したものの、2012年オフに戦力外。独立リーグで3シーズンを過ごした。

《トライアウト結果》
2本の二塁打を浴び、厳しい結果となった。


雨宮敬(元巨人/BCリーグ・新潟アルビレックスBC/28歳)


【BCリーグ】27試合/0勝1敗7S/防御率4.22

 BCリーグ・新潟から2011年に育成ドラフト5位で巨人入りし、昨オフ自由契約で新潟に出戻る。2011年のプロ入りしたシーズンは、先発とリリーフで120回2/3を投げ、防御率1.79だったが、今季は21回1/3しか投げず。衰えも見え隠れする。

《トライアウト結果》
四球、安打、二塁打。これではさすがにNPB復帰は遠い…。


 続いて野手たちの挑戦をレポートしよう。

佐藤貴規(元ヤクルト/BCリーグ・福島/22歳)


【BC】73試合/率.326/4本/39打点/23盗塁

 2010年、兄の由規のあとを追って、育成ドラフト3位でヤクルトに入団した佐藤貴規。プロ2年目の2012年には2軍で3割超えを達成したが、ときを同じくして送球イップスが重症化。右投から左投への転向に挑戦するほど芳しくない状態に陥り、昨オフ、戦力外通告を受けた。

 BCリーグ加入後は持ち前の打撃能力と機動力を生かして、全試合に出場。リーグ最多の98安打、リーグ新記録の30二塁打を放ち、打撃能力が健在であることを示した。

《トライアウト結果》
7打数4安打の猛アピール。右に左に鋭い当たりを飛ばし、さらには快足も飛ばしてセンター前のポテンヒットも二塁打に。BCリーグの二塁打王はトライアウトでも3本の二塁打を放ってみせた。あとは送球の状態次第か。


角晃多(元ロッテ/BCリーグ・武蔵/24歳)

【BC】73試合/率.332/2本/40打点/10盗塁

 2008年にロッテの入団テストに合格し、東海大相模高から育成ドラフト3位で入団。2012年には支配下登録をつかみ、上昇の気配はあったが、その後は停滞。2014年は2軍でも打率.237と精細を欠いて戦力外となった。

 武蔵加入後は、打撃面では元NPBの「格」を見せているが、一方で23失策、12併殺打はリーグワースト。プレーの粗さはまだ残っている印象だ。

《トライアウト結果》
6打数2安打1四球。まずまずの成績だが、2三振ではやはり粗い。


大平成一(元日本ハム/BCリーグ・信濃/26歳)

【BC】68試合/率.251/9本/40打点/1盗塁

 長崎・波佐見高で通算31本塁打を放ち、2007年の高校生ドラフト4巡目で日本ハムに入団。全国的には無名で「隠し玉スラッガー」とも言われていたが、実力が隠されたまま2011年に戦力外。

 2012年から信濃に加入し、今年で4シーズンになる。今年も長打力は健在でリーグ4位の9本塁打をマークしたが、日本ハム時代からの低打率は改善されず。変わり身がなければ、NPB復帰は厳しい。

《トライアウト結果》
6打数1安打1死球。こちらも粗さが目立つ、2三振。


三家和真(元広島/BCリーグ石川/22歳)

【BCリーグ】63試合/率.219/0本/26打点/20盗塁

 市立和歌山高から2011年、育成4位で広島に入団したが、ケガで出場がままならず、2013年に弱冠20歳で戦力外に。翌年は信濃に加入したが、ここでも結果を残せず自由契約に。今年5月、新潟に加入した。

 両打席で鋭いスイングができるスイッチヒッターで身体能力も高い。今年は打率こそ残せなかったが、リーグ最多の55四球を選び、出塁率は.373。まだまだ上昇の余地はあるが、これといったセールスポイントが欠けている。

《トライアウト結果》
5打数0安打2四球。シーズンと同じように見どころに欠ける打撃成績だった。


渡辺貴洋(元巨人/BCリーグ・新潟/23歳)


【BCリーグ】40試合/率.300/0本/9打点/4盗塁/12試合/0勝0敗/防1.08

 2011年に新潟から育成6位で巨人に入団。このときは145キロ左腕の触れ込みで投手としての入団だった。2013年に戦力外通告を受けると古巣復帰。昨年はリリーフで防御率0.93を記録するなど、好投を見せる一方で、今年から外野手との二刀流にも挑戦している。

 実力的にはまだ不足だが、投手でクビになった男が野手として大舞台に戻るのは夢のある話。今後も注目したい選手だ。

《トライアウト結果》
7打数1安打3三振。今のところ、外野手として好材料となるのは肩と足だけか。

 トライアウトを経て獲得の意志がある球団からは、1週間を目処に連絡があるという。果たして、彼らは来季も独立リーグでプレーをするのか、それともNPB復帰となるか。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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