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知ってそうで知らない? 清宮フィーバーに沸く早稲田実業のヒミツ

 0−5という絶望的な試合展開をはね返す逆転勝利で西東京大会を制し、甲子園へのチケットを手にした早稲田実業。今回の甲子園は、高校野球100周年ということで、メディアも騒いでいるように特別な大会であるが、早稲田実業にとっても、2015の夏は例年とは一味も二味も違う大会だった。


負ける訳にはいかなかった早実ナイン


 高校野球が始まってから100年のメモリアルイヤーということで、開会式では1915年の第1回大会(全国中等学校優勝野球大会)に出場した10校の現役選手が1人、当時のユニフォームを着て、入場行進することが決まっていた。早稲田実業もその10校の1つである。もし、地方大会で負けたら、1人で寂しく歩くことになり、選手はもちろん、観戦しているOBも寂しさを感じるはず。

 それだけではない。その開会式後の試合で、OBである王貞治ソフトバンク球団会長が始球式を行うことも発表されていた。

 そんな記念すべき大会に、現役チームが地区代表として出場できていないとなれば、なんとも締まらないこととなる。負けるわけにはいかない状況だったのだ。

 それに加えて、清宮幸太郎フィーバーがヒートアップ。注目度は試合を重ねるごとに高まり、全国規模になっていった。西東京大会優勝後のインタビューで和泉実監督が「今までの大会でいちばん苦しかった。生徒に助けられた」と涙を浮かべるシーンも見られたように、選手たちだけでなく、関わる大人たちのプレッシャーも相当なものになっていたことは想像に難くない。

多彩な顔ぶれが揃う早実OBたち


 そんな早稲田実業は、一般的に「早実(そうじつ)」と略して呼ばれることも多いが、正式には「早稲田大学系属早稲田実業学校高等部」と一風変わった名称を持つ。創立の経緯から「実業学校」であるものの、現在は普通科のみで、「大学付属」ではなく「大学系属」という関係性を持つ。以前は早稲田大学にそのまま推薦で進学できる生徒は少なかったが、現在はほとんどが早稲田大学へ進学でき、ほぼ「付属」に近い学校になっている。

 プロ野球関係のOBには、王会長以外にも、元祖“安打製造機”の榎本喜八氏(元毎日オリオンズほか)、“大ちゃんフィーバー”を巻き起こした荒木大輔氏(元ヤクルトなど)など多数。現役では早稲田大を経て日本ハムに入団した斎藤佑樹がいる。

 芸能界にも、TVプロデューサーのテリー伊藤、ミュージシャンの小室哲哉、麻雀番組には欠かせないフジテレビの野島卓アナウンサーなどがOBだ。意外なところでは、画家の竹久夢二も中退ではあるが、同校に通っていた。

 また、政界にも多くの人材を送り込んでおり、平将明衆議院議員、萩生田光一衆議院議員、菅原一秀衆議院議員ら卒業生が現役の代議士として活動している。

 なお、早稲田実業は、初等部、中等部、高等部とあり、清宮は初等部から入学。高等部まで受験なしで進んでいるが、その成績はかなり優秀とのこと。

 文武両道の早稲田実業が甲子園でも勝ち進んで、名だたるOBたちを喜ばせることができるか。1年生ながら堂々とクリーンアップに名を連ねる清宮のバットにも大きな期待が寄せられることとなる。早稲田実業は、第3日となる8月8日(土)の第1試合で今治西と対戦することが決まった。

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