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【2016夏の高校野球】《福岡観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月9日〜30日(北九州市民球場ほか)

抜け目ない打線を組む西日本短大付が◎
ノーヒットノーランエースはどう挑む?

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●甲乙つけがたい両雄


 県下ナンバーワン投手は濱地真澄(福大大濠)か、梅野雄吾(九産大九産)か。タイプが違うゆえに意見は二分している。

 濱地はチームの「勝ち」にこだわる。ノーヒットノーランを達成した春季大会準々決勝・門司学園戦は象徴的だった。手元でのびる体感140キロ台のストレート(数字は130キロ台前半)で詰まらせる辛抱の投球から、チームが勝ち越すとギアをあげ、相手打線を沈黙させた。

 梅野は舞台装置が整うほど、「気持ち」で投げる。昨秋、濱地との直接対決にて、ノーヒットノーランを演じた。またスカウトが見守る気温10度の初練習試合の初球に146キロ、最速151キロとアドレナリン全開。154キロを計測した今、頑強な体躯をスパークさせ、155キロを目指す。

 県立進学校エース・益田武尚(嘉穂)が、「第3の男」に名乗りをあげた。柔らかいヒジ使いからノビのある145キロを投げる。福岡には、県立進学校からプロ入りを輩出する土壌があり、木谷良平(小倉/現ヤクルト)、竹下真吾(八幡/現ヤクルト)、今永昇太(北筑/現DeNA)らに続いてほしい。

 春の公式戦未登板で出遅れた「元・第3の男」は岩田諒大(自由ケ丘)。タテのカーブとストレートのコンビネーションがいい。夏の復活なるか? 藤本海斗(九州国際大付)、青山凌太朗(福岡工大城東)も140キロ超をマークし、速球派右腕が豊作である。春先に開花した若松悠平(祐誠)は、兄・駿太(中日)ゆずりのバランスよいフォームで伸びしろを感じる。

 変則左腕・岩田将貴(九産大九州)は春季九州大会で復活した。球速は追わず、緩急や球の出し入れで勝負するタイプ。左腕では、ズドンとくる浜名公貴(東福岡)とスピンのきいた坂元翔太(福工大城東)も面白い。


▲濱地真澄(福大大濠)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●打者としての両雄にも期待


 濱地&梅野の両雄は、「投げてよし、打ってもよし」。投と同じく、違うスタイルを貫いている。

 梅野は、好機に「オレが決めてやる」といわんばかりのフルスイングで鋭い打球を飛ばす。元二塁手で守備は反射神経抜群だ。濱地は、野手の間を抜くチームバッティングやチャンスメークの長打と献身的だ。強いていえば、ともに足も見せてほしい。特に梅野は「パワフルな新庄剛志(元阪神ほか)」も目指せる逸材だ。

 山口県周防大島から九州国際大付の先輩・清水優心(日本ハム)の背中を追う中山竜秀は、三拍子そろったアスリート系。西日本短大付勢も三宅州と吉無田圭が同スタイル。機敏な走塁で相手チームをかきまわす。三宅と遊撃手の双璧をなす藤本穂高(福岡第一)は、やんちゃなプレースタイルでたくましさがみなぎる。

「捕手らしい捕手」の松本敦輝(福大大濠)は、総合力で盗塁阻止する。「打てる捕手」は、日高凌(育徳館)、古川裕大(久留米商)、橋本龍二(真颯館)、藤原悠太郎(筑陽学園)と人材豊富だ。特に橋本は2年らしからぬスケールのデカさがある。土田天洋(小倉)は県下一のスラッガー。低弾道打ち上げ花火の華やかなホームランは、「夏の風物詩」になる。


▲梅野雄吾(九産大九産)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●西日本短大付に破竹の勢いアリ


 西日本短大付が抜けてきた。相手のスキを突く俊足アスリート系と2年生大砲トリオが噛み合えば磐石だ。福大大濠と九産大九産は、長丁場を乗り切る「大エース起用法」がカギを握る。第2〜第4グループは、実力伯仲。ダークホースは、春未登板のエースのいる自由ケ丘、秋のどん底より盛り返している東海大福岡あたり。一戦毎に強くなる勢いを期待できるのは、個々の身体能力抜群の福岡第一と2年生中心の真颯館。小倉、嘉穂、久留米商、東筑の公立勢にも期待したい。

地区勢力ピラミッド

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