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《2017先取り高校生ドラフト候補:東京・関東編》清宮幸太郎(早稲田実)だけじゃない逸材の宝庫!


 ドラフトマニアも高校野球ファンも必見! 週刊野球太郎では2017年のドラフト戦線をにぎわす高校球児を、連載企画「2017先取り高校生ドラフト候補」で全6回にわたって地区別に紹介。

 第1回は東京・関東編。逸材揃いの強豪地区で特に注目したいのは彼らだ!

【投手】2人の本格派右腕と日本一を引き継いだ左腕


■金久保優斗(東海大市原望洋)
 まず紹介したいのが、東海大市原望洋の金久保優斗。関東地区ナンバーワン投手と評価され、来年のドラフト上位候補との呼び声が高い本格派右腕だ。150キロに迫るストレートが最大の武器で、失投がほとんどない制球力の高さも魅力。

 今秋の関東大会1回戦では6四死球と苦しみながらも、粘りの投球で150球完投と底知れぬスタミナも見せつけた。大会前に急遽監督が交代するという精神的に動揺しかねない状況で淡々と自分の投球に徹した点もプラス評価。

■森田晃介(慶應義塾)
 関東大会で金久保と同様、本格派右腕として高いポテンシャルを見せたのは森田晃介だ。140キロを超えるストレートは、埼玉ナンバーワンの強打者・西川愛也(花咲徳栄)が差し込まれるほどの威力があった。また早いカウントの際に、打者の手元で少し動く変化球を投じ、少ない球数で内野ゴロに打ち取る投球術も併せ持つ。

 時おり、スライダーが高めに浮いたり、球速に執着して制球を乱すなど、課題は少なくないが、ストレートが低めに決まったときは手がつけられない。好調時は相手打者に自分のスイングすら許さないほどだ。

■大関秀太郎(作新学院)
 今夏の甲子園で優勝したもののレギュラークラスに下級生がおらず、日本一メンバー引退後の世代交代に注目が集まった作新学院。だが、周囲の心配をよそに今秋の関東大会を制し、新チームでもビッグタイトルを手にした。その原動力となったのが大関秀太郎だ。

 球速は標準クラスだが、左打者に対するインコースへのスライダー、右打者に対する低めのチェンジアップと、左右どちらの打者に対しても主導権を握ることができる変化球を持っている。神宮大会では経験の浅さからか、脆さを見せたが、実戦を重ねてて安定感ある投球を身につけたい。

【野手】世代の先頭を走る清宮幸太郎(早稲田実)のほかにも強打者揃い


■清宮幸太郎(早稲田実=写真)
 来年のドラフト候補を挙げるとなると、この男抜きでは語れない。1年夏から世代を代表する選手として活躍する清宮幸太郎。新チームに移行後、主将に就任。秋季東京大会では一時、不調に陥るも、気丈に振る舞い、リーダーシップを発揮。見事に早稲田実を優勝に導き、自身2度目となる甲子園出場をほぼ確実にした。

 持ち前の長打力や芯に当てる技術は健在。先日の明治神宮大会では、通算で7割を超える驚異の打率を記録した。静岡戦でのフェンス直撃打や履正社戦でのホームランなど、一球の失投も逃さない集中力の高さを披露。日を追うごとに打者としての凄みが増している。

■増田珠(横浜=写真)
 清宮と同様、1年夏から強豪校のレギュラーとして活躍している増田珠。スイングスピードの速さを生かした内角高めの捌き方はプロでも通用するだろう。下半身がしっかり強化されたのか、外角低めの対応も向上しており、あっさり崩される場面が激減した。

 選球眼にも優れ、出塁率も高い数字を残している。増田以外にも強打者が揃う横浜打線。つなぐのか、還すのか。状況に応じて、自分の役割を変化させられる器用さも増田の魅力だ。

■飯島大夢(前橋育英)
 選手層の厚さは関東でも指折りの前橋育英。それでも「代えのきかない4番打者」として存在感を発揮しているのが飯島大夢だ。春の関東大会を制した前チームでも主軸を担った。引っ張った時の打球の速さは、この世代で屈指の威力がある。

 守備面では、速い打球の処理にまだまだ苦手意識があるようだが、守備範囲は日を追うごとには広くなっている。打率を上げていければ、強打の右打ち内野手としてドラフト候補としての価値が増していくだろう。

■安里樹羅(健大高崎)
 はつらつとしたプレーで周囲の目を惹きつける安里樹羅。二塁手として、一塁側のファウルフライや外野の前に落ちそうな打球を後ろ向きに走りながら処理。右方向で判断の難しい打球に関しては、処理をほぼ全て安里が担う。守備面でのチームの信頼度は抜群に高い。

 事実上の「センバツ行き」をかけた関東大会の横浜戦では打撃でも貢献。技術派左腕・板川佳矢が投じた背中越しからのボールに一切怯まず放った三塁打で2打点を記録。貴重な追加点を奪い、センバツ出場に大きく近づく一打を披露した。

■正木智也(慶應義塾)
 最後に紹介したいのが、飛距離と打球の角度で違いを見せる右のスラッガー・正木智也だ。関東大会の花咲徳栄戦、宇都宮清原球場を震撼させたレフト方向への場外弾は記憶に新しい。

 腕をうまくたたみ、インサイドのボールをスタンドに運んだと思いきや、アウトサイドのボールもしっかり芯で捉え、低い弾道で長打を放つ。時おり淡白さが目につくが、集中力の高い打席は見物。外角低めの変化球の見極めが持続的にできれば、今後もホームランを量産できるだろう。


文=長嶋英昭(ながしま・ひであき)
東京生まれ、千葉在住。小学校からの友人が、サッカーのU-18日本代表に選出されたことがキッカケで高校時代から学生スポーツにのめり込む。スポーツの現場に足を運びながら、日本各地の観光地を訪れることが最大の生きがい。現在はアマチュアカテゴリーを中心にスポーツ報道の仕事に携わっている。

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