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君はこんなもんじゃない! 捲土重来、2018年の輝きを取り戻せ! 上林誠知(ソフトバンク)

文=藤山剣

君はこんなもんじゃない! 捲土重来、2018年の輝きを取り戻せ! 上林誠知(ソフトバンク)
 俊足かつ強肩の好打者で、常勝軍団のレギュラー外野手。少し前の上林誠知は、そういう存在だった。仙台育英からドラフト4位で入団し、4年目となる2017年にブレイク。2018年には全試合出場を果たし、打率.270で22本塁打。侍ジャパンに選出され活躍した。

 守備につけば外野からレーザービームを繰り出し、打席に立てばリストをきかせた独特のフォームで鋭い打球を放つ。2019年は、当然のようにさらなる飛躍が期待されていた。2018年までの上林の成績は以下の通りである。

■上林誠知の1軍成績(2018年まで)
(2013年のドラフト4位で入団)

2015年:15試合 / 打率.318 / 2本塁打 / 6打点
2016年:14試合 / 打率.211 / 0本塁打 / 1打点
2017年:134試合 / 打率.260 / 13本塁打 / 51打点
2018年:143試合 / 打率.270 / 22本塁打 / 62打点

 ところが、2019年は4月17日のロッテ戦で、右手の甲に死球を受けてから、リズムが狂い始める。翌日以降も出場していたが、痛みが引かず、再検査の結果、右手薬指の剥離骨折が判明。5月14日に登録抹消となった。

 その後、2軍戦などを経て1カ月後の6月14日に1軍登録となったが、状態が戻ったとはいえない状況が続く。それでも外野手不足のチーム事情もあって夏場まではスタメンで起用されていたものの、離脱していた選手が戻って来た8月中旬以降は、代走や守備固めとして使われることが増えた。その結果、昨年の成績は物足りないものに終わった。

■上林誠知の1軍成績(2019年)
99試合/ 打率.194 / 11本塁打 / 31打点

 打率は、5月の抹消時点が.196で、2019年トータルが.194。結局、バットは湿ったままシーズンを終えたことになる。

取り巻く環境は厳しい


 今季の上林は、より厳しい環境に置かれることになる。バレンティンの入団だ。言わずと知れた年間60本塁打のNPB記録を持つホームランバッター。35歳となり、さすがにやや衰えは見られるものの、昨年も120試合出場で、打率.280、33本塁打、93打点。パンチ力は健在だ。

 もちろん、オープン戦などの内容もあるだろうが、外野は左翼・バレンティン、中堅・柳田悠岐、右翼・グラシアルという布陣で開幕を迎えることが十分考えられる。そこに割って入るのが上林……と言いたいところだが、他に、中村晃や周東佑京、長谷川勇也らもいる。釜元豪や真砂勇介らの突き上げもあるだろう。DHがメインのデスパイネだってレギュラーシーズン10試合、日本シリーズ2試合で左翼の守備についている。

 福田秀平がロッテに移籍しても、まだこれだけの顔ぶれなのである。昨年の不調を引きずっているようだと、ベンチ入りすら危ぶまれる状況なのだ。

オフの自主トレもリニューアル


 もちろん、上林だって手をこまねいているわけではない。捲土重来を期して、このオフは新たな調整スタイルでキャンプインまでを過ごした。5年連続で参加していた内川聖一との合同自主トレには参加せず、チームの2軍施設、アメリカ・ロサンゼルス、鹿児島と、拠点を移しながら、右手の治療、肉体改造も含めてみっちりやってきた。

 もとより、守備や走力は定評がある選手。体調さえ万全で、打撃の調子が戻ってくれば、2018年以上の成績も残せるはず。危機意識は「このままじゃクビになる日も近い」と口にするほど、誰よりも本人が感じている。今年はやってくれるに違いない。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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