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◎今週の野球みどころランキング[11月5日(月)〜11月11日(日)]

『野球見どころランキング』は、週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。

10位 球団人事や契約更改、トレードが活発化
―――ストーブリーグの話題


 日本シリーズと並行して、ぼちぼちと発表されてきた球団人事と契約更改。シリーズが終わりこれから本格化していきます。
 近々発表された中ではオリックスに関するニュースが多いです。「 瀬戸山隆三氏(元ロッテ球団社長)がオリックスの執行役員球団本部長補佐に」「日本ハムを退団した福良淳一ヘッドコーチ、石嶺和彦打撃コーチ入閣」というニュースからは、今回初めて年間を通じて指揮を執ることになる 森脇浩司新監督を支える人材をそろえようという意思が明確に感じられます。また、「中日戦力外の平井正史、MLBでFAとなった高橋尚成、建山義紀を調査」「香月良太とのトレードで巨人より東野峻を獲得か?」など投手力増強に積極的です。
※5日(月)にオリックス・香月良太投手、阿南徹投手⇔巨人・東野峻投手、山本和作内野手の2対2のトレードが発表されました。
 セ・リーグではDeNAがスタートダッシュ。「二宮至外野守備走塁コーチをヘッド格に、高木豊ヘッドをチーフ兼打撃コーチとして三頭体制へ移行」。さらに「中日と再契約を結ばなかった大砲・ブランコと契約」。加えて「不振の続くパワーヒッター吉村裕基と左腕・山本省吾を供出して、ソフトバンクより大場翔太、神内靖の2投手を獲得を目指す」など。昨オフは球団買収の遅れから手腕をふるうことができなかった高田繁GMがバリバリ仕事をしているようです。
※5日(月)にDeNA・山本省吾投手、江尻慎太郎投手、吉村裕基外野手⇔ソフトバンク・多村仁志外野手、吉川輝昭投手、神内靖投手の3対3のトレードが発表されました。
 ただ、例年より1カ月はやい11月1日から契約更改交渉を開始し、最下位という結果もあって厳しい更改を展開していたDeNAでしたが勇み足も。支配下登録選手から育成登録選手への切り替える契約を結ぼうとした若手2選手に対し、一度自由契約にしなければいけないところを、直接育成契約を結んでしまい、これが規約上違反に当たるという手順上のミス。球団は契約を破棄し、2選手に戦力外通告しましたが、育成枠での再契約は合同トライアウト後まで不可能。現在2選手は“宙ぶらりん”で、他チームと契約を結ぶ可能性も残す状態にあります。球団としては未熟と指摘されてもしょうがない恥ずかしいミスでした。

9位 全6チームが出場。最大規模の「アジアシリーズ2012」11月8日開幕
―――アジアプロ野球


 日本シリーズで日本ハムを破った巨人は韓国・釜山で行われる、アジアのクラブ選手権「アジアシリーズ2012」に出場します。大会は11月8日から4日間にわたり行われる予定で、日本、韓国、オーストラリア、台湾のリーグ優勝チームと、中国は「チャイナスターズ」としてリーグ代表チームが参加し、開催地枠として釜山が本拠地のロッテジャイアンツを加えた6チームが出場。6チームは2つのプールに分かれ、総当たり戦を実施。勝率トップのチームが優勝決定戦を行います。

8位 統一ライオンズで16勝挙げた鎌田祐哉(元ヤクルトほか)が最多勝とベストナインに
―――台湾プロ野球


 「アジアシリーズ2012」にLamigoモンキーズが出場する台湾プロ野球の中華職棒大連盟(CPBL)は10月31日、ベストナインを発表。投手のポジションには早稲田大からヤクルトに進みNPBで通算14勝を挙げ、今年から統一ライオンズに所属していた鎌田祐哉が選ばれました。昨オフ、所属していた楽天から戦力外通告を受け、プレーする場を探していた鎌田は統一のテストに挑戦。統一でコーチを務めている紀藤真琴氏に認められ入団が決まると、鎌田は開幕からの11連勝を含む16勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得しました。
 また、アジアシリーズに出場するLamigoからはWBC出場経験のある林智勝(内野手)や、北京五輪に出場したベテラン石志偉(内野手)、鐘承佑(外野手)ら3選手がベストナインに選ばれています。

7位 李スンヨプ復帰、元中日落合英二が投手コーチ務めるサムスンが連覇
―――韓国プロ野球


 今季より1チーム増え、9チームで戦われた韓国プロ野球は、レギュラーシーズン2位〜4位までのチームが出場するプレーオフを勝ち抜いたチームと1位のチームが戦う韓国シリーズが1日に終了。1位のサムスンライオンズが2位でプレーオフも勝ち抜いたSKワイバーンズを4勝2敗で退け、2年連続6回目の韓国No.1に。日本球界からサムスンに8年ぶりに復帰した李スンヨプは、シリーズ通算で23打数8安打1本塁打7打点、打率.348、長打率.609とよく打ち、MVPに選ばれました。なおサムスンには投手コーチとして元中日の落合英二氏が在籍しています。
 なお、ファン獲得に力を入れている韓国プロ野球は、李、朴賛浩(ドジャースほか)、金泰均(ロッテほか)らスター選手の国内復帰に加え、エクスパンションの効果もあり観客動員は初めて700万人を突破。過去最多を記録したとのことです。

6位 東京にも女子プロ野球チームができる?
―――女子プロ野球


 大阪ブレイビーハニーズが後期優勝を果たしたすぐ後、10月26日から29日にわたって開催された、プロアマがそろって出場するカップ戦「第2回女子野球ジャパンカップ」。昨年は2チームがともに決勝進出を逃していた女子プロ勢が、今年は3チームがそろって準決勝に進出。決勝も京都アストドリームスと兵庫スイングスマイリーズとの戦いとなり兵庫が優勝。プロの面目躍如といった形になりました。11月5日(月)に行われる前期優勝の京都アストドリームスと後期優勝の大阪による最後の大一番「総合優勝決定戦」でシーズンが終わります。
 なお、日本女子プロ野球機構は29日、東京を本拠地とする新球団の設置を発表。来季からは京都、兵庫、大阪に東京が加わる4チーム制で戦う構想を明らかにしました。スーパーバイザーの太田幸司氏(元近鉄)によれば「全国展開していくための第一段階」。詳細は12月に東京都内で発表される予定です。

5位 三重中京大野球部が明治神宮大会へ。ラストシーズン継続中
―――大学野球(明治神宮大会)


 10日(土)から開催される第43回明治神宮野球大会(大学の部)の出場校と組み合わせが決まりました。全国11地区の代表校のうち初出場は北東北大学野球連盟の富士大(東北3連盟代表)と京滋大学野球連盟の京都学園大(関西5連盟第2代表)の2校。昨年初出場を果たした神奈川大学野球連盟の桐蔭横浜大(関東5連盟第2代表)は今年も出場権を獲得。また来春閉校が決まっている三重中京大も、ドラフト会議で楽天から2位指名された則本昂大、ソフトバンクから育成4位指名を受けた宮崎駿(みやざきはやお)などの活躍で、東海地区大学野球秋季選手権、東海・北陸・愛知三連盟王座決定戦を見事勝ち抜き出場します。
 ドラフト指名選手としては、亜細亜大の東浜巨(ソフトバンク1位)、法政大の三嶋一輝(DeNA2位)、道都大の佐藤峻一(オリックス2位)、大累進(巨人2位)らにも注目です。

4位 春江工、京都翔英が躍進
―――高校野球(明治神宮大会)


 高校野球の部も、明治神宮大会出場校がすべて決まりました。北海道地区代表・北照、東北地区代表・仙台育英(宮城)、関東地区代表・浦和学院(埼玉)、東京地区代表・安田学園、北信越地区代表・春江工(福井)、東海地区代表・県岐阜商、近畿地区代表・京都翔英、中国地区代表・関西(岡山)、四国地区代表・高知、九州地区代表・沖縄尚学の以上10校が出場します。
 先週の時点で結果が出ていなかった大会のうち、注目を集めたのは関東大会。浦和学院と花咲徳栄の同県対決となった決勝戦。浦和学院が延長10回サヨナラ勝ちで、昨秋、今春、今秋と関東大会3連覇、16連勝という偉業を達成しました。また近畿大会は大阪桐蔭を8対0で破った報徳学園と好投手・榎本和輝を擁し、履正社や龍谷大平安に僅差で勝ち進んだ京都翔英との決勝となり、京都翔英が延長13回に勝ち越して勝利。明治神宮大会への初出場を決めています。

3位 日本シリーズ効果? 大谷本人との接触に成功した山田GM
―――ドラフト会議後の入団交渉


 日本ハムは2日、「強行」指名を行った160キロ右腕・大谷翔平(花巻東)に対し、ドラフト翌日の10月26日以来のアプローチ。山田正雄GMは26日に同校を訪ね、野球部の佐々木洋監督と会談。交渉の厳しさを実感し、報道陣に「責任は自分にありますから。(略)自分もいい年齢だからダメなら責任を取るしかない。2年続けて1位が獲れないんじゃ、許されないでしょう」と話しました。
 しかしこの日、大渕隆スカウトディレクターとともに岩手県奥州市の大谷の自宅をたずねると、両親と大谷本人が対応し約50分の会談が実現。大谷はメジャーへの憧れを素直に語るも、完全に拒絶はせず「なんとか次回、お会いできるとも言ってもらった」と山田GM。「大谷君へ 夢は正夢 だれも歩いたことのない大谷の道を一緒に作ろう」と栗山英樹監督が記したサインボールを渡したとのこと。次回の会談は未定ですが、まだ日本ハム入団へ一縷の望みは残っているようです。

2位 沢村賞をソフトバンク攝津正が獲得
―――NPB


 10月29日、沢村賞の選考委員会が開かれ攝津正(ソフトバンク)の受賞が決まりました。最優秀中継ぎ投手の受賞経験のある投手としては初の受賞となりました。次点は、一昨年に受賞している広島の前田健太でした。

登板試合 25試合以上(27試合)【28試合】
完投試合 10試合以上(3試合)【6試合】
勝利数  15勝以上(17勝)【15勝】
勝率    6割以上(.773)【.652】
投球回  200イニング以上(193 1/3)【215 2/3】
奪三振  150個以上(153個)【174】
防御率  2.50以下(1.91)【2.21】
※( )内が攝津正の今季の成績、【】内が前田健太の一昨年の成績

 沢村賞はこの7項目に着目して選考されますが、( )内の攝津の値を見ると、このうちで5項目に当てはまっています。ただ、当てはまらなかった完投が3つだけ、というのが、沢村賞のイメージとかけ離れた印象を与えました。5人の選考委員にも迷いが見られ、そのうちの1人、村田兆治氏は最後まで「該当者なし」の意見を変えなかったと伝えられています。
 それでも他の4人の選考委員が攝津を推したのは、一昨年に沢村賞を受賞した時の前田健太(広島)の成績(=【 】内の値)と比較した際の遜色のなさが理由だったとのこと。前例主義に従っていけば、徐々にレベルが下がっていくのは間違いないこと。
 球界として、分業制が確立され、完投が減っている状況を考えると、沢村賞の意味を再確認したり、もう一度基準を設定し直したり、さらに場合によっては村田氏のような厳格さを持った選考が必要な時期にきているのかもしれません。

1位 日本シリーズは4勝2敗で巨人が制す
―――NPB


 3日、ホームの東京ドームに戻ってきた巨人が4勝目を挙げ、3年ぶり22回目の日本一を決め、日本シリーズが幕を閉じました。CSファイナルステージこそもたついたものの、レギュラーシーズンで貯金43をつくって制した巨人の強さは別格でした。シリーズ第3戦から第5戦までチームに大きな攻撃力をもたらしていた阿部慎之助をケガで欠き、さらに先発の柱の1人だった杉内俊哉を登板させずともここまで戦えてしまうのだから、やはりチームの完成度、選手層の厚さは日本ハムを上回っていたと言えるでしょう。
 シリーズで注目を浴びた選手・出来事としては、巨人の左腕として金田正一氏以来、44年ぶり2人目となるシリーズ2勝を挙げた内海哲也と、その試合で投げ合った吉川光夫から2本塁打を放ち、シーズンの勢いを打ち消したボウカー(第1、5戦)。守備の人・飯山裕志の延長戦でサヨナラ打(第4戦)。
 加藤健(巨人)に対する投球により日本シリーズでは初となる危険球退場となった多田野数人(日本ハム)。この投球は、改めてビデオ映像で見ると頭部に当たっておらず、今後語りぐさになりそうな出来事となりました(第5戦)。最終第6戦では、今季4番に座り続けた中田翔の意地の一発、ケガを押して出場した阿部慎之助の決勝打なども印象的でした。
 巨人に日本一の座を譲った日本ハムは、シリーズが終わるとすぐ二塁手の田中賢介がFAでMLB挑戦を表明しました。その一方で、山田GMはドラフトで強行指名した大谷翔平の獲得に向けて全力を費やしています。その時々の選手の成長に合わせ、チームの強みをつくり出してきた日本ハムは、ダルビッシュ有(レンジャーズ)が去った昨シーズンにも増して、チームの形を動かしてきそうな雰囲気が。主力選手の放出で大きく下がるペイロールをどう活用するのか? シリーズをケガで欠いた田中の穴を埋めた西川遥輝今浪隆博杉谷拳士中島卓也らをいかに育成するかが、目下の課題になりそうです。

(まとめ)
 シリーズが終わった途端、トレードやFA権行使、戦力外通告に関する話題が飛び交いはじめ、球界は一気にストーブリーグの様相になっていますね。ですが同時に、アジアシリーズに加え、WBCに向けた準備も進めなければいけないのが、このオフシーズン。さすがに球界はバタバタしたまま春になってしまいそう。とはいえ、大きな戦いを終えた選手の皆さん、お疲れさまでした!

<今週のスケジュール>
高校野球・大学野球
10日〜14日まで 明治天皇御生誕160年記念第43回明治神宮野球大会 @神宮球場、神宮第二球場
社会人野球
開会中〜13日まで 第38回社会人野球日本選手権大会 @京セラドーム大阪
女子プロ野球
5日18時30分開始 日本女子プロ野球リーグ2012総合優勝決定戦 @わかさスタジアム京都
≪1塁側≫【前期優勝】京都アストドリームスvs≪3塁側≫【後期優勝】大阪ブレイビーハニーズ
※試合は1試合を行い、勝利したチームが総合優勝となります。
プロ野球
8日〜11日まで アジアシリーズ2012 @釜山・社稷運動場
参加チーム:パース・ヒート(オーストラリア)、サムスンライオンズ(韓国)、ロッテジャイアンツ(韓国開催枠)、Lamigoモンキーズ(台湾)、チャイナスターズ(中国/リーグ代表チーム)、読売ジャイアンツ(日本)

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