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ブランコの尻に火がついた? クラーク加入でどうなる? オリックス外国人野手事情を探る


 5月19日現、チーム得点135、打率.247とリーグ最下位のオリックス。その原因の一端となっているのが、外国人選手の不振だ。

 助っ人の思うような活躍が見られないなか、ついに新たな外国人選手、マット・クラークの獲得を発表。はたして、これがチーム浮上の起爆剤になるのだろうか?

ブライアン・ボグセビック


 入団時の評判は、同時期に入団したブレント・モレルよりも長打力があるという触れ込みだった。事実、オープン戦では15試合、打率.300、2本塁打と好調。期待するファンも多かっただろう。

 ところがシーズンに入ると、バットに球が当たらない。27試合で打率.214、打点11、1本塁打と調子が上がらず、三振は25を記録している。

 試合直前に、グラウンドでイベントが行われているなかでも、ひとり黙々とウォーミングアップを続けているボグセビック。根はまじめなのだろうが、結果が残せなければ仕方が無い。5月9日に登録抹消。ファームで3試合に出場したが、いまだにノーヒットである。


ブレント・モレル


 広角に打ち分けるという触れ込みであったモレルは、開幕より4番を任される。しかし調子がなかなか上がらない。1試合に1本のヒットがあるかどうかという、物足りない成績であった。

 4月21日のKoboスタ宮城での楽天戦。自身の誕生日を、来日初本塁打、そして2打席連続アーチで飾ったと思われた。しかし、その試合は雨天のため中止になってしまうという運のなさ。

 5月に入って、福良淳一監督に最後通告を言い渡されたが、そこからはなんとか踏ん張っている。19日現在、37試合に出場、打率.260、打点17、本塁打4、三振36の成績は、助っ人としては少し物足りない。

トニ・ブランコ


 キャンプインから明らかに太め残りの体型であったブランコ。複数年契約の2年目、そして新外国人の獲得でやる気を出すものと思われていただけに、ファンはガッカリした。

 開幕はファームスタート。ウエスタン・リーグの試合に出場しながら調整を行う。5月10にはボグセビックと入れ替わりで、1軍に登録される。すぐにスタメンで出場をするが、右膝痛を再発してしまう。その後2試合に出場するもノーヒット、犠飛での1打点のみであった。

 5月17日は秋田での楽天戦。ブランコは中日、DeNA時代に、秋田では21打数10安打10打点と好成績を残していた。相性の良い球場で、調子を取り戻したいところで待望の初安打、そして初本塁打を放つ。膝を痛めていて全く走れないが、そのスイングは鋭い。まともに当たると、いとも簡単にオーバーフェンスしてしまう。

次の日の盛岡の試合でも、2安打2打点の成績。調子を取り戻してきたのか、少しずつバットの振りが鋭くなってきているようだ。


マット・クラーク


 オリックスは17日に、マット・クラークを獲得したことを発表。マット・クラークは2013年に中日に所属。132試合、打率.238、本塁打25、打点70、三振130という「ホームランか三振か」という典型的な成績の選手。

 クラークは、昨オフのフリーエージェント中に、SNSで日本の球団に自らを売り込むなど、日本でのプレーを希望していたという。


 クラークが入団したことによって、外国人選手の起用はどうなるのか。

 ボグセビックやモレルは相手投手に対して威圧感がない。ブランコは一発があり、相手投手を警戒させるだけの威圧感がある。しかし足の故障のために走れない。歩いてホームに帰れる本塁打を期待するのみだ。

 もしもクラークが本塁打を量産できれば、クラークとモレルを1軍に残すだろう。反対に、クラークが期待ハズレなら、モレルとブランコの起用になるはず。

 今のオリックスに必要なのは、得点力。一発で形勢を逆転できる、本塁打を打てる助っ人が必要である。ブランコ、クラークにその役割ができるのかどうか、注目したい。


文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
大阪在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。

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