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《巨人、中日、ヤクルト編》12球団ルーキー答え合わせ! 期待に応えたのは誰だ!?

《巨人、中日、ヤクルト編》12球団ルーキー答え合わせ! 期待に応えたのは誰だ!?

 ペナントレースが最終盤を迎えた今、ルーキーたちの「実力」も明らかになってきた。昨年11月に発行された本誌『野球太郎No.021 2016ドラフト総決算号&2017大展望号』では、「12球団ドラフト採点&近未来展望」と題して、各球団の指名選手の活躍度を予測していたが、その見立ては果たして当たっていたのか?

 今回は本誌『野球太郎』の見立てを引き合いに巨人、中日、ヤクルトの「ルーキー答え合わせ」をしてみた。

巨人のルーキー答え合わせ


 本指名で7人(投手6人、野手1人)、育成枠で9人(投手4人、野手5人)、トータル16人の新人を指名した巨人。

 このなかでは、2位の畠世周(近畿大)が出世頭だ。初登板は7月6日と決して早くはなかったが、2試合目の登板となった7月19日の中日戦で初勝利を挙げると、そこから好投を続け、9月22日時点で11試合に先発し6勝3敗。菅野智之、田口麗斗、マイコラスに続く第4の先発として、ローテーションに定着した。

 150キロ前後のストレートを臆することなく投げ込む姿は清々しく力強い。本誌『野球太郎』でも「先発ローテーションに入る可能性は十分」と見立てていたが、その通りの結果となった。

 一方で、田中正義(創価大→ソフトバンク)、佐々木千隼(桜美林大→ロッテ)と、競合1位の抽選で2度敗れた末に指名した吉川尚輝(中京学院大)はプロの壁に当たっている。

 素質は同じ中京学院大出身の菊池涼介(広島)にも劣らないとの評判もあり、本誌でも「攻守に渡り派手なプレーが持ち味で、スターが並ぶ巨人に入っても目立つだろう」と絶賛していた。

 しかし、5月と7月に2度昇格した1軍では、3試合に出場し6打数0安打と悔しい結果。ファームで99試合に出場し打率は2割台半ばとさらなる地力強化が必要だが、守備では二塁と遊撃を守り、トータル10失策ならまずまず。先輩の菊池もブレイクしたのは2年目。今後の成長を待ちたい。

 本誌による巨人の総合ドラフト採点は「70点」。畠の台頭は大きいが、それ以外に目立ったのは先発で2試合、リリーフで26試合に登板している池田駿(ヤマハ)ぐらい。現時点では、この点数にはやや足りていないと見るのが妥当か。

中日のルーキー答え合わせ


 本指名が6人、育成で1人、全7名という絞り気味のドラフトとなった中日。投手が5人、野手が2人という内訳だったが、その2人の野手から出たのが2位指名の京田陽太(日本大)だ。

 京田は、開幕から遊撃のレギュラーに抜擢。打順も当初は7番だったが、4月中旬には上位で起用されることも増え、6月に入ってからは完全に「1番・遊撃」に定着する。打率も2割7分台をキープし、20盗塁を超えてきた。守備でもボールに触れる機会の多い遊撃で14失策なら、新人としては及第点と言える。本誌でも「一級品の守備・走力で、内野の世代交代を」と評価は高かった。走攻守に躍動感あふれるプレーで新人王の有力候補となっている。

 しかし、京田以上に期待度の高かった1位の柳裕也(明治大)は、先発した7試合では1勝4敗、防御率4.98といまひとつの成績。粘り強い投球を続けながら打線の援護がなく勝ち星がつかなかった試合もあったが、7月22日の広島戦では、右腕のけいれんのため降板。そこからは、2軍でリハビリしながらの調整が続いている。

 リリーフでは4試合に登板し、ヒットは打たれながらもトータル7イニングで1失点と踏ん張っていた。本誌では「速球が通用するかどうかがひとつの目安」と注文をつけつつも、「1年目だけでなく、最低でも10年はローテの中心に」と期待を寄せていた。現時点ではそこまでの結果は残せていないが、体調が万全となってからのパフォーマンスに、あらためて注目したい。

 本誌の総合ドラフト採点は「80点」と高かった。たしかに、京田が新人王レベルの活躍で、ほかにも4位の笠原祥太郎(新潟医療福祉大)が先発とリリーフで16試合に登板し防御率3.21、初勝利を挙げる健闘を見せている。

 ただ、この「80点」は、DeNAとの競合1位の末に抽選で勝ったことも含めて柳がかなりの部分を占める。その柳の数字が物足りないだけに、結果は80点に届いていないように思えるが……。


ヤクルトのルーキー答え合わせ


 本指名6人、育成枠1人。そのうち投手が5人で捕手が2人と、バッテリーのみの指名となったヤクルト。

 全体の指名人数が少なめのなか、1軍の試合にコンスタントに出場していた唯一の選手が2位の星知弥(明治大)。ここまで先発で18試合、リリーフで6試合に登板し4勝(7敗)を挙げた。しかしその星も、9月に入って右ヒジを疲労骨折。故障者が続出し、チームがなかなか波に乗れないなかで、ルーキーながら頑張っていた星だったが、ついにヒジが悲鳴を上げてしまったようだ。

 そして、「寺島を獲得できただけでも、今年のドラフトは成功と言っても過言ではない」と本誌でも高評価だった1位の寺島成輝(履正社高)は、春のキャンプで左内転筋筋膜炎。それが癒えたと思ったら今度はヒジの痛みを発症するなどケガ・故障が続いた。1年目の1軍昇格はないままシーズンを終えそうだ。

 3位の梅野雄吾(九産大九産高)、4位の中尾輝(名古屋経済大)は先発で、6位の菊沢竜佑(相双リテック)リリーフで、いずれも1軍で1試合ずつ投げているが、3人とも打ち込まれていた。

 総合ドラフト採点は「75点」と本誌は見立てていたが、ここまでは、その評価に実績が追いついていない印象。寺島を筆頭に、プロの水に慣れてきた時点で、どこまで自分の存在感を示せるか。本当のジャッジはそれからとなる。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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