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《2016ドラフト会心の指名》西武1位指名・今井達也こそ大エース・西口文也の系譜を継ぐ男!


 歓声やどよめきに包まれながら終了した今年のドラフト会議。

 順当な指名、サプライズ指名に沸くなか、ひいき球団の指名選手、ライバル球団の指名選手に、いろいろと思うことがあったのではないだろうか?

 週刊野球太郎では、今週から4週・全8回に渡って、週刊野球太郎編集部とライター陣が、「よくぞ指名した!」と考える「会心の指名選手」を紹介していく特集を連載。

 名づけて「野球太郎ライター大推薦! 俺たちのドラフト会心の指名」。

 第3回となる今回は、私、ライター森田が思う「会心の指名」を紹介したい。

西武で輝く甲子園のスター


 まず、筆者は埼玉西武ライオンズのファンである。それを前置きした上で会心指名選手を語るとすると、ドラフト1位の今井達也(作新学院高)をおいて他にはいない。

 単純に言って、西武のドラフト1位には甲子園のスターが似合う。松坂大輔(現・ソフトバンク)、涌井秀章(現・ロッテ)、菊池雄星、高橋光成と、過去に何人も甲子園を沸かせた選手を獲得してきた。

 松坂は最初から怪物だったにしても、涌井を育て上げ、菊池もようやく頭角を現してきた。高橋はまだまだ途上ではあるが、2年目にして約120イニング近く投げるなど経験を重ねている。

 このように甲子園のスターを育てる土壌がある西武。田中正義(創価大→ソフトバンク)ら即戦力と言われる投手の指名もあるかと思ったが、今井投手に向かったのは当然だったのかもしれない。


今年も単独指名作戦が炸裂


 筆者が即戦力投手を優先すると思った背景には、西武の投手事情がある。

 何年も投手力(中継ぎ)が課題と言われていた西武だが、先発投手も雲行きが怪しくなり、今年は岸の離脱があったにせよ規定投球回に到達したのが菊池雄星1人。しかもギリギリ到達という有様だった。

 そこで手っ取り早く改善するために、即戦力投手を獲得すると踏んでいたのだが……。しかしさすが西武のフロント陣というべきか、フタを開けてみたら単独での今井指名。

 昨年のドラ1・多和田新三郎のメドがついたことに加えて、投手豊作年ということもあって「甲子園優勝投手であってもマークが薄く単独指名できそう」という条件が重なったこともあると思うが、球団は「今」よりも「未来」を選んだ。

 しかしこの姿勢こそ、「西武らしさ」だと筆者は考える。アッパレ。

あのエースの夢を継ぐ者


 今井の武器と言えば、150キロ前後の快速球とスライダー、カットボール、そしてチェンジアップ。かつて西武には、同じような持ち球で一世を風靡した大投手がいた。西口文也である。

 同じ右腕であり体格も似ているので(西口は182センチ75キロ、今井は180センチ72キロ)、筆者としては2人の姿を重ねたくなる。

 またその西口は、来季から2軍投手コーチとして西武に復帰。大エースの系譜に連なる投手が入った年に、大エースが古巣に舞い戻る。これをドラマと言わずしてなんと言おうか。

 甲子園優勝投手とはいえ、プレッシャーを背負わせるのは酷だと思うが、西口が果たせなかった200勝の夢をぜひとも今井には継いでもらいたい。


西口・今井の師弟コンビは既定路線!?


 ちなみに先に触れた西口の復帰は、ドラフト前に発表されていた。今となってみると、これは今井獲得のサインだったのではないか。

 おあつらえ向きに背番号「13」も空いているし、今井が「13」をもらったら、筆者的には決定事項だ。「西口は今井を育てるためにコーチになった」ということが。

 なんだか今井から西口の話になってしまったが、大エースになるとイメージできる投手を獲得できたことは、球団にとってもファンにとっても喜ばしいこと。

 これから20年、今井の快投を堪能させていただくことにしよう。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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