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「阪神野手×歴代新人王=レジェンド」の方程式。歴代・新人王を獲った阪神野手の将来は前途洋々!


 1935年創立の大阪タイガース時代を含め、80年以上の歴史を誇る阪神。そのなかで、昨年の高山俊を始め8名が新人王を獲得した。内訳は野手が5名、投手が3名となっており、とりわけすごいのは野手の面々。

 新人王を足がかりにレジェンドへと羽ばたいた選手が揃っており、「阪神野手×新人王=レジェンド」の方程式があるのではないかと思えるほどだ。

 今回はそんな「阪神生まれの歴代新人王野手」にスポットを当てる。

新たなミスタータイガース候補


■高山俊(2015年ドラフト1位)
新人王受賞年:2016年
新人王受賞年の成績:打率.275/8本塁打/65打点/5盗塁

 高山俊は明治大時代に131安打を放ち、高田繁(現DeNA GM)が持っていた東京六大学リーグの通算最多安打記録(127本)を更新。東京六大学リーグの「安打製造機」として名を馳せ、ドラフトでは阪神とヤクルトが1位競合指名。結果、阪神に入団した。

 ルーキーイヤーの昨季は、1972年の中村勝広以来、44年ぶりとなる「阪神新人選手開幕戦1番打者出場」を皮切りに、球団史上初の「新人選手による開幕戦でのプロ初打席初安打」の達成、坪井智哉(現DeNAコーチ)の「阪神の新人シーズン安打記録」の更新など、チームの様々な新人記録を樹立した。

 記者投票における、有効得票数269票の約8割を占めて新人王を勝ち取ったのも納得だ。「ミスタータイガース筆頭候補」として、さらなる成長を遂げてほしい。


「塁」も「賞」も奪ったスピードスター


■赤星憲広(2000年ドラフト4位)
新人王受賞年:2001年
新人王受賞年の成績:打率.292/1本塁打/23打点/39盗塁

 亜細亜大からJR東日本を経てプロにたどり着いた赤星憲広は、野村克也監督(当時)から「F1セブン」の1号車に任命され、1番打者として快足を飛ばした。

 結果、新人盗塁記録としては歴代4位にランクインする39盗塁を挙げ、阪神の選手としては吉田義男以来45年ぶりの盗塁王を獲得。

 この活躍ぶりは記者投票にもしっかり反映され、2位の阿部慎之助(巨人)に118票という大差をつけての新人王受賞となった。


堅実な守備で新人王もキャッチ


■久慈照嘉(1991年ドラフト2位)
新人王受賞年:1992年
新人王受賞年の成績:打率.245/0本塁打/21打点/4盗塁

 日本石油(現JX-ENEOS)の中心選手として日本選手権と全日本アマチュア王座決定戦で優勝。久慈照嘉はアマ球界での華々しい経歴を引っさげてプロの門をくぐった。

 打撃成績は高山や赤星と比べるとやや地味に映るが、アマ時代から評価されていた高い守備力をプロでも遺憾なく発揮。開幕スタメンを勝ち取り、オールスターゲームにもファン投票により遊撃手部門で選出された。

 新人王レースのライバルだったのは、同じチームに所属していた新庄剛志。新庄の80票に対し、久慈は85票という僅差の争いを制した。

「看板に偽りなし」の新人王


■岡田彰布(1979年ドラフト1位)
新人王受賞年:1980年
新人王受賞年の成績:打率.290/18本塁打/54打点/4盗塁

 東京六大学リーグの花形スターとして名を馳せ、早稲田大から鳴り物入りで阪神に入団した岡田彰布。

 大学時代は三塁手として活躍していたが、当時の阪神の三塁には掛布雅之(現阪神2軍監督)がいた。また、「ルーキーをすぐに1軍では使わない」というブレイザー監督の起用法にも阻まれ、ゴールデンルーキーといえどなかなか出番に恵まれなかった。

 しかし、シーズン序盤の5月にブレイザー監督が解任されると出場機会が増加。オールスターゲームでは当時の最年少代打本塁打記録(22歳7カ月。2015年に西武の森友哉が更新)を樹立。終わってみれば3割に迫る打率を残し、前評判通りの実力を発揮して新人王に輝いた。


ミスタータイガースの初偉業


■田淵幸一(1968年ドラフト1位)
新人王受賞年:1969年
新人王受賞年の成績:打率.226/22本塁打/56打点/1盗塁

 法政大では山本浩二(元広島)、富田勝(元南海ほか)とともに「法政三羽烏」と呼ばれ、アマ時代からスター街道を歩んでいた田淵幸一。

 阪神入団後も強肩強打の捕手として、1年目から117試合に出場。レギュラーをつかむと、新人捕手として初の2ケタ本塁打(22本塁打)を達成すると同時に、捕手として初の新人王にも輝く。

 田淵以降、捕手で新人王を受賞したの1984年の藤田浩雅(阪急)のみ。このことからも、ミスタータイガース・田淵の偉大さが伝わってくる。


次に新人王を獲る若虎は大山悠輔か!?


 赤星から高山までは少し間が開いたが、約10年に1人のペースで野手の新人王が誕生している阪神。受賞した選手たちは皆、チームを代表する名選手に成長している。彼らはまさに「10年に1人の逸材」といったところだろう。

 10年に1人というペースに当てはめると、次の新人王野手の誕生は2026年頃。しかし、ドラフト1位・大山悠輔には金本知憲監督からの大きな期待もある。球団初の2年連続新人王誕生を目指してもらいたい。

 ちなみに3名の新人王投手は、1955年の大阪タイガース時代に速球とドロップを武器に活躍した西村一孔。1994年のルーキーイヤーからエースナンバー「18」を託された藪恵一(現解説者)。2007年に田中将大(ヤンキース)との投げ合いを制してプロ入り初勝利を挙げた上園啓史(現BCリーグ滋賀監督)だ。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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