週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

村上宗隆は不調、高橋礼は登板メドが立たず。ブレイクは本物か? 2年目のジンクスに挑む男たち

文=勝田聡

村上宗隆は不調、高橋礼は登板メドが立たず。ブレイクは本物か? 2年目のジンクスに挑む男たち
 プロ野球の世界には「2年目のジンクス」という格言がある。簡単に言うと初めて活躍した翌年に成績が悪化するというジンクスである。近年ではあまり使われなくなった感はあるが、それでも新人王やブレイク翌年に結果を残せないパターンというのは少なくない。

 昨年ブレイクを果たした選手たちはどうだろうか。ここまでの春季キャンプやオープン戦の状況から占ってみたい。

昨シーズンの新人王の2人は春季キャンプで離脱


 昨シーズンの新人王はセ・リーグが村上宗隆(ヤクルト)、パ・リーグは高橋礼(ソフトバンク)がそれぞれ受賞している。この2人は今年も主力として期待されて2月1日の春季キャンプを迎えた。

 しかし、両選手ともキャンプ序盤で故障し1軍から離脱。村上は3月に入ってから1軍のオープン戦に出場し守備にもついているが、打率.083(12打数1安打)と1割を下回っている。本塁打と打点はともに「0」。まだまだ本調子とは言い難い。

 一方の高橋はオープン戦での登板はなく、3月17日の時点でランニングを5割程度の強度で行っている程度の回復具合。こちらも万全な状態には程遠い。

 3月20日の開幕戦が4月24日以降に延期される可能性が高まったことで、実際の開幕には間に合う可能性もある。しかし、ここまでを見る限り順調に調整ができているとは言えないだろう。

 グラウンドでの結果以前にグラウンドに立つことから始めなければならないのが現状である。

近本光司は順調も甲斐野央は右ヒジの故障ですでに離脱


 セ・リーグで村上と新人王を争った近本光司(阪神)も2年目のジンクスに挑む一人であることは間違いない。近本は故障なく2年目のキャンプを走り抜いた。オープン戦終了後に腸炎で一時チームを離れることが発表されたが、大事には至っていない。

 そのオープン戦では打率.257(35打数9安打)、1本塁打、3打点、3盗塁の成績を残している。昨年のオープン戦では17試合で打率.262(65打数17安打)、0本塁打、1打点、6盗塁だったことを考えると、大きな変化はない。打撃面での不安はなさそうだ。

 とはいえ、気になる点がないわけではない。昨シーズンは主に1番で起用(108試合)されたが、今シーズンはオープン戦を見る限り2番での起用となりそう。打席での制約があるケースが増え、それによって調子を崩す可能性もないとはいえない。打順がカギを握りそうだ。

 一方、パ・リーグでは甲斐野央(ソフトバンク)が新人王投票で2位となった。その甲斐野は春季キャンプ中に右ヒジを痛めて離脱中。手術ではなくPRP療法(自己多血小板血漿注入療法)を選択したことで、今シーズン中の復帰も視野に入るが、現時点でメドが立っているわけではない。

 2年目のジンクスとは少し違うかもしれないが、昨シーズン以上の成績を残すのは難しいかもしれない。

遠藤淳志は先発転向がどう出るか


 その他の2019年ブレイク組はどうだろうか。

 投手では遠藤淳志(広島)の名前が挙がる。昨シーズンは、高卒2年目で1軍デビューを果たすと中継ぎで34試合に登板。一時は勝ちパターンでも起用されるなど安定した成績を残した。

 今シーズンは先発に挑戦するも、オープン戦では打ち込まれており、ローテーションの確定には至っていない。幸いにも開幕が延期したことでチャンスはある。ジンクスを吹き飛ばし、さらなる飛躍のシーズンとしたいところだろう。

 野手では日本ハムの渡邉諒も昨シーズンにブレイクした一人と言っていいだろう。二塁のレギュラーに定着し、初の規定打席そして2ケタ本塁打を記録した。

 今シーズンもオープン戦で打率.333(42打数14安打)と好調をキープいている。昨シーズンは6番(58試合)と5番(54試合)での起用が主だったが、オープン戦終盤では2番で起用されており、役割が変わる可能性もある。近本同様に起用法の変化が成績に影響を与えるかもしれない。


■“2年目のジンクス”で注目される選手の昨シーズンならびにオープン戦成績

村上宗隆(ヤクルト)
2019年
143試合/打率.231(511打数118安打)/36本塁打/96打点/5盗塁
オープン戦
4試合/打率.083(12打数1安打)/0本塁打/0打点

高橋礼(ソフトバンク)
2019年
23試合/12勝6敗/143回/奪三振73/与四球49/防御率3.34
オープン戦
登板なし

近本光司(阪神)
2019年
142試合/打率.271(586打数159安打)/9本塁打/42打点/36盗塁
オープン戦
12試合/打率.257(35打数9安打)/1本塁打/3打点/3盗塁

甲斐野央(ソフトバンク)
2019年
65試合/2勝5敗8Sセーブ6ホールド/58.2回/奪三振73/与四球34/防御率4.14
オープン戦
登板なし

遠藤淳志(広島)
2019年
34試合/1勝1敗1セーブ6ホールド/42.2回/奪三振38/与四球25/防御率3.16
オープン戦
1試合/0勝1敗/3回/奪三振0/与四球4/防御率15.00

渡邉諒(日本ハム)
2019年
132試合/打率.262(481打数126安打)/11本塁打/58打点/0盗塁
オープン戦
12試合/打率.333(42打数14安打)/0本塁打/2打点/1盗塁

文=勝田聡(かつた・さとし)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方