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“ミスター・オクトーバー”を襲名するのは誰だ!? ポストシーズンで期待したい助っ人たち!

 両リーグとも、クライマックスシリーズ(以下CS)出場チームはほぼ決定的で、あと残すところは順位争いのみとなった。今季の外国人選手を総ざらいしてきたこのコーナーの最終回では、CSに出場し、活躍がチームの勝敗を左右するだろう助っ人たちを紹介しよう。
(成績は9月28日現在)


■セ・リーグ編

スコット・マシソン(巨人)

投手/右投右打/30歳(3年目)



 昨季よりやや安定感を欠いたものの、2年連続で60試合以上に登板。リーグ優勝胴上げ投手となった。巨人のブルペンを支え続けたタフネスさは、まさに“助っ人”の名にふさわしい。外国人選手らしいパワーピッチングで、CSとその先の日本シリーズでも活躍が期待できる。

 反対に、昨季はSKワイバーンズで14勝を挙げ、韓国プロ野球最多勝を獲得したクリス・セドンは期待された活躍ができず、登板機会が与えられるか微妙な状況だ。野手のロペスは、昨季の日本シリーズ第2戦で田中将大から放った本塁打が印象的だ。今季は、阿部慎之助が一塁手で出場したり、セペダやアンダーソンといった外国人枠の争いがあり、常時出場が叶わない立場になったものの、フォア・ザ・チームを崩さず、献身的にプレーを続けた。外国人選手では貴重なナイスガイと周囲の評判は高いが、昨季は9月に打率.231、10月は.250とシーズン終盤に調子を落としている。今季は復調なるか、注目したい。

ブラッド・エルドレッド(広島)

内野手/右投右打/34歳(3年目)



 3、4月は27試合で打率.373、8本塁打、23打点と大活躍も、8月は14試合で打率.053、4打点、0本塁打と絶不調に陥るなど、好不調の波が激しかったシーズンだった。不調時は三振が多くなり、7月14日のDeNA戦では、1試合6三振のプロ野球ワースト記録を樹立。8月28日には28試合連続三振を、9月16日には球団ワーストとなるシーズン151三振をそれぞれ記録した。36本塁打で本塁打王が濃厚だが、ポストシーズンの短期決戦では調子の良い選手を使うのが鉄則。キラやロサリオと、どのように起用されていくか、注目したい。

デュアンテ・ヒース(広島)

投手/右投右打/28歳(1年目)

 8月24日の阪神戦で来日初登板を飾り、9月23日までに6試合に登板。ナックルカーブとスプリットを武器に3勝0敗、防御率1.45と好成績を収め、シーズン終盤の救世主となっている。当然、ポストシーズンでも活躍が期待される。

 他にも広島の投手陣にはバリントン、フィリップス、そして守護神・ミコライオがおり、野手を含めた外国人枠の問題で誰を起用するか、野村謙二郎監督も頭を痛めるところだろう。

マウロ・ゴメス(阪神)

内野手/右投右打/30歳(1年目)

 阪神史上最強の助っ人・バースをも超えた記録を樹立したのが、阪神の4番・ゴメスだ。9月20日の中日戦で今季100打点を記録。入団1年目での100打点超えはセ・リーグ外国人では、2009年のブランコ(当時中日、現DeNA)以来の快挙で、バースも成し遂げられなかった偉業だ。

 阪神といえばCSでの弱さは有名で、過去4度の出場では全てファーストステージで敗退。通算1勝8敗で、全9試合中、4番打者の打率は.182と全く機能しなかった。果たして、ゴメスの加入で変化が起こるか。5年間で2度のCS出場を経験しているマートンと協力して、苦手のCSを勝ち抜いてほしい。


■パ・リーグ編

李大浩(ソフトバンク)

内野手/右投右打/32歳(3年目)



 いまだ優勝争いが続いているパ・リーグ。CS出場を決めたソフトバンクでは、李大浩の得点圏打率に注目しよう。打率は3割前後をマークしている李大浩だが、実は得点圏打率は.244と低く、68打点という強打のチームの4番としては物足りない数字になっている。これは、常時4番で出場している中田翔(日本ハム)が、得点圏打率.300前後をキープし、100打点を記録していることを踏まえると、勝負弱いのは明らか。12球団一、CSに弱いイメージがあるソフトバンクは、李大浩が打点を獲得した分だけ、勝ち抜けに近づいていくだろう。

ウィリー・モー・ペーニャ(オリックス)

外野手/右投右打/32歳(3年目)

 前述した李大浩と入れ替わるように、ソフトバンクからオリックスにやって来たペーニャ。今季は本塁打も30本以上を記録するなど活躍した。ペーニャは李大浩よりも打率は低いが、得点圏打率は高く、ポストシーズンでも頼りになる存在になることは間違いないだろう。

ブランドン・ディクソン(オリックス)

投手/右投右打/30歳(2年目)

 金子千尋、西勇輝の陰に隠れて目立たない存在のディクソン。しかし、今季は7月に1回だけ登録抹消された以外は、しっかりと先発ローテーションを守り、25試合に先発した。5回までにノックアウトされた試合はわずか4度と、安定感がある。

 また、オリックスではマエストリにも注目。先発が早めに崩れた時には、ロングリリーフもできる使い勝手の良さは、ポストシーズンでも重宝されるはずだ。


 短期決戦では、1つのプレーがシリーズの行方を大きく左右する。日本人選手と比べて、ここぞという時の集中力やチャンスに強い精神力など、助っ人たちから見習う点は大いにある。ポストシーズンでは、そんな外国人選手たちの“瞬発的な活躍”に期待したい。
(なるべく多くの選手を紹介するため、過去に登場した助っ人たちは省いている。以前の記事は下記から。)

■ライター・プロフィール
鈴木雷人(すずき・らいと)/会社勤めの傍ら、大好きな野球を中心とした雑食系物書きとして活動中。自他共に認める「太鼓持ちライター」であり、千葉ロッテファンでもある。Twitterは@suzukiwrite

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