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日本の野球殿堂を『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』で学ぶ

 前回このコーナーでは、11月27日に発表されたアメリカ野球殿堂候補選手のエピソードを紹介した。同様に11月29日、日本の野球殿堂博物館が、今年度の表彰候補者を発表。「プレーヤー部門」(引退後5年を経過し、引退後20年以内の者)の新たな表彰候補者には、野茂英雄(元近鉄ほか)、清原和博(元西武ほか)、桑田真澄(元巨人ほか)、鈴木尚典(元横浜)の4人の名が記されていた。

 今回、清原・桑田のKKコンビが揃って候補選手になったことが大きな話題を集めているが、この2人の一学年下で、巨人時代にチームメイトだった男こそ、我らが木田優夫なのだ。『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』の中では、数多くのKKコンビとの思い出が綴られている。今回は、そんなKKコンビのエピソードと、他の殿堂入り選手について掘り下げてみたい。

KKコンビと木田優夫


 本書の中で、清原・桑田のKKコンビが登場するのがP16・17ページ。同じ見開きで2人が並んで紹介されているのがなんともニクい。「野球も遊び方もとにかく豪快」な清原



「野球に対してとにかく真面目」な桑田


と実にKKコンビらしいエピソードを紹介。さらに後半の「日米球界クロニクル」のコーナーでは、同じユニフォームを着ていた者だからこそ知ることができた貴重な逸話も掲載されている。

 たとえば、90年代前半のジャイアンツで、非喫煙者は桑田・川相昌弘・そして木田の3人だけ。分煙化を訴えていた桑田が「木田、お前も吸わないんだからもっと積極的に分煙を訴えろよ!」と指摘したことがあるという。

 一方の清原のエピソードは実に豪快。97年、清原がFAで巨人入りした際に一番衝撃的だったのが、「宮崎キャンプで、ワンボトルを握りしめて宮崎の街を練り歩く清原さんを見た時」だという。

 清原・桑田のKKコンビと木田優夫=KKKトリオの物語には、古き良き球界の香りが残っている。

「野球殿堂」を身近にする本


 今年度、新たに追加された4名以外にも、「殿堂入り候補者」として川相昌弘、斎藤雅樹、佐藤義則、篠塚和典、原辰徳、古田敦也、梨田昌孝の7名が、そして既に「殿堂入り」を果たした偉人からも落合博満、堀内恒夫、仰木彬、藤田元司、王貞治、野村克也、長嶋茂雄の7名が本書で掲載されている。その“横顔”を一気に見て行こう。


<殿堂候補者>
川相昌弘「ダジャレ好き」
斎藤雅樹「失投知らずの不思議な投手」
佐藤義則「酒豪エース」
篠塚和典「腰痛の師匠」



原辰徳「憧れのゴルファー」
古田敦也「巧すぎて落球する同世代No.1捕手」
梨田昌孝「ダンディなのにダジャレ好き」

<殿堂入り>
落合博満「レンタルビデオ店も一緒のご近所さん」
堀内恒夫「口は悪いけど約束は守る」
仰木彬「バファローズとオリックスを愛した名将」


藤田元司「一番監督らしい監督」
王貞治「実は車好き」
野村克也「相手にすると厄介」
長嶋茂雄「名前をまるで憶えない」


 このように、他ではまず紹介されないだろう個々の側面にスポットを当てているのが本書の特徴といえる。「殿堂選手」と聞くとちょっと敷居が高かったり、雲の上の存在に感じたりしてしまうが、グッと親しみやすく、身近に感じられる様になること請け合いだ。

※『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』は新紀元社から好評発売中です。



文=オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。また「幻冬舎WEBマガジン」で実況アナウンサーへのインタビュー企画を連載するなど、各種媒体にもインタビュー記事を寄稿している。ツイッター/@oguman1977

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