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メイクミラクルを起こすのは日本ハムだ! 〜左殺しのスライダー“宮西尚生”〜


 カットボールやワンシーム、ツーシームなど、近年の変化球の進化は目を見張るものがある。そんな現代のプロ野球界で異彩を放つ変化球を武器にする投手たちにクローズアップ!

 前回は千賀滉大(ソフトバンク)の「お化けフォーク」を取り上げた。最終回となる今回は、「左殺しのスライダー」を武器に200ホールドを達成した宮西尚生(日本ハム)を取り上げたい。

9年連続50試合登板は目前


 昨シーズン、8年連続で「50試合以上登板」という偉業を達成した鉄腕・宮西は満身創痍だった。キャンプ直後から、左ヒジの遊離軟骨(通称ネズミ)の痛みに悩まされていたのだ。

 シーズン終盤までは投げ抜いたものの9月末に登録抹消。クライマックスシリーズにも出場していない。チームもファーストステージでロッテに敗れた。

 シーズンオフにはクリーニング手術を受け、今シーズンの開幕には出遅れた。それでも7月31日の時点で37試合に登板。9年連続50試合登板は目前だ。手術明けでもきっちりシーズンに合わせてくるのが、鉄腕たる所以なのだ。


9年目の進化


 9年目の今年は「昨年よりもヒジの位置を下げるフォームに変更したので、左打者は今まで以上に打ちにくくなったはず」と、本人は語る。

 このフォームの変更には以下のような背景がある。これまでは左ヒジにネズミがあることを前提としたリリースポイントだったのだが、ネズミを取り除いたことでポイントがバラバラになってしまった。そのためフォームに修正を加えたことが、影響しているというわけだ。

 しかしそれ以上に、左打者を重点的に抑えることを意識した意図的な変化のようだ。

 そして、スライダーを投げる割合を増やすスタイルに、昨年からモデルチェンジ。実績のある宮西でさえも進化を目指す。この意識が長く第一線で働く活躍する秘訣なのだ。

伝家の宝刀スライダー


 宮西はルーキーイヤーの2008年に、ブルペンの先輩である建山義紀(元日本ハムほか)から「スライダーが通用しなくなったら尼崎へ帰れ!」といわれていた。

 しかし、9年目になっても尼崎に帰ることはなく、最大の武器・スライダーを投げ続けている。通用しなくなるどころか進化させているのだ。

 宮西のスライダーはストレートと同じ軌道から曲がる。そのため、ストレートの残像がある左打者は腰が引けてしまい、打ち損じが多くなる。ストレートと同じ軌道というのがポイントだ。

 昨シーズンは「お前で負けて、俺が監督をクビになるなら納得する」という栗山監督の言葉に心を打たれ、調子が悪くても1軍で投げ続けた。その信頼が宮西の心を支えたのだ。栗山監督を男にするため、奇跡の優勝へむけて日本ハムブルペンを宮西が支える。そしてメイクミラクルは日本ハムが起こすのだ。


 この連載では6回に渡り、様々な変化球の使い手を取り上げた。どの投手も意識しているのはストレートと同じ軌道で投げる。もしくはストレートとの緩急で抑える、ということだ。

 投手を見る際は、変化球投手でもストレートに注目したい。やはり、ストレートあってこその変化球なのだから。


文=勝田 聡(かつた さとし)
松坂世代のひとつ上にあたりサッカーの黄金世代となる1979年生まれ東京育ち。プロ野球、MLB、女子プロ野球、独立リーグと幅広く野球を観戦。 様々な野球を年間約50試合現地観戦し写真を撮影する。プロ野球12球団のファンクラブ全てに入会してみたり、発売されている選手名鑑を全て購入してみたりと幅広く活動中。

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