週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

日米の野球殿堂入り候補者の発表でニュース!FA宣言選手の移籍先も続々決定…今週の野球みどころランキング[12月3日(火)〜12月9日(月)]

『今週の野球みどころランキング』は、12月第1週はじめの時点で注目度の高まっている野球関連の話題について紹介していきます。


松井裕樹入団発表、芦屋学園の“新高校野球”構想に暗雲!?
―――高校野球

 今年のドラフトで1番の注目を浴びた松井裕樹(桐光学園高)。5球団競合の末、楽天が交渉権を獲得した。そして11月28日、契約金1億円プラス出来高払い5000万円、年俸1500万円(金額はいずれも推定)で契約を結んだ。また背番号は「1」に決定。ドラフト制度後の高卒新人投手の「1」は史上5人目。また契約面での“満額契約”(新人契約規定いっぱいの金額)は2006年の田中将大(楽天)以来、球団史上2人目となった。

 10月に学校法人芦屋学園(兵庫県)が発表し話題を呼んだ、「甲子園を目指さない高校野球」という新たな構想。これは、同学園の大学と高校がそれぞれ全日本大学野球連盟と日本高校野球連盟に登録せず、元プロ選手の指導を受けながら、関西独立リーグの兵庫の“育成チーム”として、国内社会人やクラブチームそして海外遠征も積極的に行う育成システムだった。しかし、このほど既存の連盟やチームから反発の声が挙がり暗礁に乗り上げている。

 社会人野球を統括する日本野球連盟(JABA)は「兵庫はJABAの登録外なので交流戦は見合わせてほしい」という内容の通達を加盟チームに出しおり、それに関西独立リーグ側が孤立を懸念。リーグ側は兵庫に芦屋学園との提携見直しを迫ったが、物別れに終わっている。果たしてこの顛末は?

プロ・アマ新監督まとめ
―――ストーブリーグ

 プロ野球で監督交代があり新監督が誕生したのは2球団。
 中日は?木守道監督に代わり、谷繁元信が選手兼任監督として新監督、落合博満GM、森繁和ヘッドコーチという名参謀とともにチーム再建に乗り出した。

 西武は渡辺久信監督に代わり、伊原春樹監督が復帰。染髪禁止や服装の乱れ改善など生活面も含め、チームを改革するもようだ。

 大学野球では、立教大は来年の1月1日付で新監督に溝口智成氏が就任することを発表した。溝口氏は1990年度の主将で同年秋の優勝に貢献した。慶應義塾大は12月1日付で竹内秀夫助監督が昇格し、監督に就任した。今秋まで監督を務めていた江藤省三氏は付属高校、大学を統括する「慶應義塾体育会野球部」総監督となった。ただし、実際に高校生を指導するには学生野球資格回復研修会を受講しなくてはならない。

 また法政大は、助監督に富士大の監督を務める法政大OBの青木久典氏の起用を決定。来年1月1日付での招聘が決定。富士大を選手権準優勝に導くなど全国常連校に育て上げた手腕で母校再建に挑む。その富士大は後任にコーチで29歳の豊田圭史氏の監督昇格が決定した。

 社会人野球では、「ミスターロッテ」初芝清氏のセガサミー新監督就任が決定。引退後はかずさマジック(当時)で4年間コーチを務め、この3年間は野球評論家に専念していたが、全国大会の壁(都市対抗・日本選手権ともに初戦敗退)を破り切れていない同チームから白羽の矢が立ち、快諾したようだ。

 独立リーグでは、近鉄やパドレスで活躍し、第1回WBCでは胴上げ投手にもなった大塚晶文がBCリーグ・信濃グランセローズの選手兼任監督に就任。自身の復活そしてBCリーグで唯一優勝経験のないチームとなってしまった同球団、初の栄冠獲得を目指す。

両リーグMVP&新人王決定
―――プロ野球

 プロ野球コンベンションが11月26日に行われ、セ・リーグMVPにはシーズン記録となる60本塁打を記録したバレンティン(ヤクルト)が文句なしの受賞。最下位チームから選出されるのは、両リーグ通じて史上初めてのこと。

 MVPの300万円をはじめ、各タイトルを合わせて総額550万円の賞金を獲得。その半分を故郷・キュラソーで子どもたちが利用する施設の建設資金に充てるという。

 パ・リーグMVPにはレギュラーシーズンを24連勝で締めくくった田中将大(楽天)が満票で選ばれた。また、田中は大晦日に行われるNHK紅白歌合戦の審査員となることも内定しているとされる。

 新人王はセ・リーグが16勝4敗で最多勝も獲得した小川泰弘(ヤクルト)、パ・リーグは、29年振りの新人開幕投手を務め、シーズンだけではなく、CSや日本シリーズでもフル回転の活躍をした則本昂大(楽天)が選ばれた。また、新人特別賞が菅野智之(巨人)と藤浪晋太郎(阪神)の2投手に与えられた。

片岡が巨人入り決定、オリックスが大物メジャーリーガー獲得!?
―――ストーブリーグ

 FA宣言をしていた選手の動向が先週、続々と決まった。

 まず西武からFAをしていた片岡治大は、11月29日に巨人入りを表明。巨人は中日を自由契約となっていた井端弘和に続き、やや層が薄い内野陣にまたも頼もしい選手が加入。投手の大竹寛(広島からFA)とともに、FAで2人を獲得に成功し、満点と言ってもよいストーブリーグとなった。

 投手では中日からFA宣言していた北九州市大出身の中田賢一が地元のソフトバンクに、阪神からFA宣言していた久保康友はDeNAに入団することが発表された。特に先発陣が手薄で、当初から久保の獲得を狙っていたDeNAにとっては大きな補強になった。

 捕手では日本ハムからFA宣言していた鶴岡慎也がソフトバンク入りを表明。そのソフトバンクからFAしていた兵庫・報徳学園高出身の山崎勝己は地元のオリックス入りを決めた。

▲鹿児島出身の鶴岡はソフトバンクへ

 好条件で続々と各選手が移籍を決める中、巨人から「出場機会」を求めてFA宣言した小笠原道大は年棒3000万円(推定)で中日に移籍。新天地で復活を賭ける。

 FA宣言した選手の中で、12月2日時点で来季の所属先が決まっていないのは、西武からFA宣言し、ロッテが獲得を目指している涌井秀章のみ。その動向ははっきりしないが、移籍が有力視されている。

 新外国人選手の獲得情報では、レッドソックス在籍時にワールドシリーズ制覇、そしてハンク・アーロン賞の受賞歴もあるバリバリのメジャーリーガー、ケビン・ユーキリスをオリックスがなんとリストアップしている、という報道が一部でなされた。本社の創業50周年を迎える2014年に悲願の優勝を勝ち取りたい同球団は、李大浩の退団で浮いた資金でメジャーの大物を狙うとされる。

野茂英雄が殿堂入り候補に、日本ではKKコンビも
―――野球殿堂

 日本の野球殿堂博物館は11月29日、来年の野球殿堂入り候補者を発表し、桑田真澄氏(元巨人ほか)と清原和博氏(元西武ほか)の「KKコンビ」2人、横浜(現DeNA)で2年連続首位打者を獲得した鈴木尚典氏、そして野茂英雄氏(元近鉄ほか)の4人が新たに加わった。

 発表は来年の1月17日。通常、候補入りしたのち、年々得票数を伸ばしいき、数年後に晴れて殿堂入りを果たすケースが多いため、昨年にも殿堂入りに迫る投票数だった秋山幸二氏(現ソフトバンク監督)、佐々木主浩氏(元横浜ほか)、原辰徳氏(現巨人監督)らが有力候補に挙がる。

 一方、海の向こうアメリカでも野球殿堂入りの候補者が発表され、野茂英雄氏が、日本人史上初の候補者(36人)に選出された。1995年にメジャーの舞台に上がるやいなや「トルネード旋風」を巻き起こすなど通算123勝(MLBで100勝を挙げている日本人投手は野茂氏のみ)、2度のノーヒットノーランを記録した同氏がパイオニアとしてまた一つ歴史を変えた。

 殿堂入りを果たすには、全米野球記者協会に10年以上在籍した記者による投票で75%以上の得票が必要となる。また5%以上の票を獲得すれば、最長で15年間、候補者として残ることとなる。殿堂入りの発表は来年1月8日(現地時間)に行われる予定だ。



■プロフィール
文=高木遊(たかぎ・ゆう)/1988年、東京都出身。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。昨年は東都大学野球春・秋1部全試合を取材。大学野球を中心に、アイスホッケー、ラグビー、ボクシングなども取材領域とする。高木遊の『熱闘通信』随時更新中(http://www.plus-blog.sportsnavi.com/buaka/)twitter(@you_the_ballad)


来春のセンバツ高校野球情報


以下()内は選出される高校数

北海道(1)…優勝:駒大苫小牧
東北(2)…優勝:八戸学院光星、準優勝:東陵

関東(4or5)…優勝:白鴎大足利、準優勝:桐生第一、4強:山梨学院大付、佐野日大、8強:霞ヶ浦、習志野、横浜、健大高崎
東京(1or2)…優勝:関東一、準優勝:二松学舎大付
※関東と東京で6校

北信越(2)…優勝:日本文理、準優勝:東海大三
東海(2)…優勝:三重、準優勝:豊川
近畿(6)…優勝:龍谷大平安、準優勝:智辯和歌山、4強:履正社、報徳学園、8強:三田松聖、奈良大付、福知山成美、智辯学園

中国(2or3)…優勝:岩国、準優勝:広島新庄、4強:高川学園、倉敷商
四国(2or3)…優勝:今治西、準優勝:池田、4強:生光学園、明徳義塾
※中国と四国で5校

九州(5)…優勝:沖縄尚学、準優勝:美里工、4強:鎮西、神村学園、8強:早稲田佐賀、創成館、日章学園、波佐見

21世紀枠(3)…各都府県の推薦校が発表されている。12月中旬に北海道、東北、関東(関東・東京)、北信越、東海、近畿、中国、四国、九州から1校ずつ推薦校を選出。来年1月のセンバツ出場校を決定する際に3校を選出。

【その他野球情報】

開催中〜12月21日まで 台湾ウインターリーグ
※Youtubeで試合生中継あり。詳細はCPBL(台湾プロ野球リーグ)のHP、特設サイト(http://www.asiaseries.org/winter/default.aspx)にてご確認下さい。

12月27日〜29日 12球団ジュニアトーナメント ENEOS CUP 2013@札幌ドーム
〜小学5、6年生による12球団ジュニアチームNo.1決定戦〜

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方