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大谷翔平も今永昇太も……。 明暗くっきり、今季のプロ野球投手の援護率を探る


 開幕から1カ月、熱き戦いの続くプロ野球。そろそろ先発投手たちの登板数が4、5試合に達し、序盤の調子見えてくる頃合だ。

 しかし、今季の投手10傑を見てみると違和感が……。

 なんと大谷翔平(日本ハム)が防御率2.27でパ・リーグ4位の好成績を収めながら、5試合でいまだに勝ち星がないのだ。

 大きな原因は打線の援護のなさ。自身の登板中の味方得点数を防御率と同じように計算した“援護率”を見てみると、わずかに2.61……。

 ここまで全試合でクオリティ・スタート(以下QS/先発投手が6回以上を投げ、3自責点以内に抑えること)を成功させているにも関わらず、援護なく苦しい結果が続いている。

 昨季の大谷は防御率2.24(パ規定到達12人中1位)で援護率3.87(同9位)。最終成績は15勝5敗だった。

 意外にも昨季も負け運を力でねじ伏せた大谷だが、今年の援護率はやや厳しい……。こんな悔しい思いをしている選手がいないか全球団を調べてみた。(成績はすべて4月25日時点)

圧倒的に負け運!? ルーキーを援護できない貧弱打線


 大谷の援護率順位はパ・リーグ規定到達18人中16位。つまり、あと2人、大谷よりも恵まれない投手がいる。

 ロッテの二木康太(援護率2.52)とスタンリッジ(援護率2.50)だ。

 二木は4試合で1勝2敗、防御率3.60。スタンリッジは5試合1勝3敗、防御率2.91。二木は試合序盤に崩れる試合もあったが、2QS、スタンリッジは4QSを記録している。ズバリ、好調打線の援護を受けてないのだ。

 しかし、セ・リーグに目を移すともっと悲惨な投手が……!

 それが昨年のドラフト1位でDeNAに入団した今永昇太である。ここまで4試合に先発した結果がこちらだ。

3月29日 巨人戦 7回 4失点(自責3)
4月5日 中日戦 7回 1失点(自責1)
4月14日 阪神戦 5回1/3 3失点(自責2)
4月22日 巨人戦 7回 1失点(自責1)
≪防御率2.39≫

 ドラフト1位の期待に応える素晴らしい好投! この数字だけを見て、今永が何勝したか想像してみよう。2勝、3勝? う〜ん、全勝もあり得るのでは?

 否、いまだに0勝である。

 今永の登板時にDeNA打線が奪った援護点は、阪神戦での1点のみ。援護率0.31という絶望的な数字で3敗を喫している。

 ロースコアでの敗戦のとき、投手は「自分が点を取られなければよかった。自分の責任」というコメントを出しがちだが、ここまでくるとハラワタが煮えくり返りそうだ。

 本来であれば、「新人王候補」ともっと騒がれるべきなのだが……。高山俊(阪神)は内心ほくそ笑んでいるかも知れない。

 ワースト2位もDeNAで井納翔一(援護率1.66)。こちらは5試合で防御率1.75(セ3位)の成績で2勝2敗だ。

 また覚醒した岩貞祐太(阪神)も防御率0.95で援護率2.10。投球内容を見ると4試合すべてでQSに成功しており、1勝1敗のデキではない。

大量援護常連のラッキー投手も


 大谷や今永とは逆に勝ち運に恵まれている男たちもいる。

 パ・リーグトップは塩見貴洋(楽天)で援護率7.88。ここまでは4試合で防御率3.96と平凡だが、4月9日の日本ハム戦では、5回5失点ながら味方打線も5点を取るなど、いまだに負けナシだ(1勝0敗)。

 2位の涌井秀章(ロッテ)は援護率7.05で4勝0敗、防御率2.60。4月7日のソフトバンク戦では6.2回6失点の乱調も味方打線が12得点の猛烈アシスト。エース登板時にバチバチと打ち込み、チームが波に乗っているのも頷ける。

 セ・リーグではメッセンジャー(阪神)がぶっちぎりで援護率8.25。先の広島戦では5回7失点ながら、11点の援護を得てフラフラの状態でも5回を投げきることができた。

 開幕戦こそ、2点しか援護を得られずに敗戦投手となったが、そこからは5点、10点、5点、11点と超大量援護を得て、現在3連勝中で3勝1敗。

 強烈な勝ち運はどこまで続くのか。援護に恵まれない投手は「2点くらい分けてくれよ……」と思うかも!?


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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