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【前半戦・三振率ワースト10】独走する広島からは鈴木誠也ら主力の4人がこぞってランクイン!?

文=藤山剣

【前半戦・三振率ワースト10】独走する広島からは鈴木誠也ら主力の4人がこぞってランクイン!?
 打席の選手がしでかしてしまうと、球場がなんとも言えない空気に包まれてしまう三振。とくにランナーがいる場面では、攻撃チームのファンのため息に混じって「せめて前に飛ばせよ!」なんてヤジも飛んでしまう。

 打者にとっては、できれば避けたい三振だが、その割合である「三振率」を見てみると、意外にも球界を代表する強打者がズラリ。必ずしも「三振が多い=ダメな打者」とは言えないのだ。

 セ・パ両リーグ別の三振率ランキングをチェックしてみよう。

(三振率=三振数÷打席数、成績は8月7日現在、対象は規定打席到達選手)

赤ヘル打線の主力選手がズラリ


■セ・リーグ三振率ランキング
1位:福田永将(中日)/三振率.245
2位:鈴木誠也(広島)/三振率.219
3位:岡本和真(巨人)/三振率.206
4位:バレンティン(ヤクルト)/三振率.203
5位:丸佳浩(広島)/三振率.200
6位:山田哲人(ヤクルト)/三振率.192
7位:筒香嘉智(DeNA)/三振率.192
8位:菊池涼介(広島)/三振率.186
9位:マギー(巨人)/三振率.178
10位:田中広輔(広島)/三振率.177

 セ・リーグの首位を独走する広島からは鈴木誠也、丸佳浩、田中広輔、菊池涼介ら、チームでは1〜4番を打つ4人がランクイン。

 2位の鈴木と5位の丸はどちらも打率3割、長打率6割を超えていて、ハイレベルな長距離砲といった雰囲気だが、8位の菊池、10位の田中は、打率2割5分前後で、長打率も4割前後とややコンパクトな印象。ただ、4人も名を連ねたということは、三振を恐れずとにかく強いスイングを心がける広島打線のベースがあるからこそ。このチームカラーが、今の広島の強さを支えているとも言える。

 その広島勢を抑えて、1位には中日の福田永将が立った。福田も豪快なスイングが持ち味だけに、三振率の高さは大目に見たいところ。しかし、現時点で昨季の年間打席数にほぼ並びながら、本塁打数は昨季の18本に対して、今季は8本どまり(昨季の三振率は.214)。残り試合で挽回したい。

 4年目にしてクリーンアップの重責を担って打率3割をキープ、20本塁打とようやく期待に応えるパフォーマンスを見せ始めた岡本和真(巨人)は、89三振と数だけならリーグ最多。三振率は3位となった。

 6月下旬から7月にかけて7試合ノーヒットという落ち込みがあり、その間は8三振を喫していたが、そこから持ち直してくるあたり、もう本物だろう。三振を過度に気にすることなく、若さあふれるパワフルなスイングを披露してほしい。

 なお、セ・リーグの三振率の低いランキングは、1位が青木宣親(ヤクルト)で.079、2位が宮崎敏郎(DeNA)で.082、3位が中村悠平(ヤクルト)で.097となっている。

恐怖の2番打者が、今季は三振王に!?


■パ・リーグ三振率ランキング
1位:ペゲーロ(楽天)/三振率.335
2位:大田泰示(日本ハム)/三振率.255
3位:レアード(日本ハム)/三振率.252
4位:山川穂高(西武)/三振率.210
5位:ロメロ(オリックス)/三振率.205
6位:柳田悠岐(ソフトバンク)/三振率.204
7位:松田宣浩(ソフトバンク)/三振率.203
7位:上林誠知(ソフトバンク)/三振率.203
9位:茂木栄五郎(楽天)/三振率.201
10位:デスパイネ(ソフトバンク)/三振率.198

 12球団最多の109三振を喫しているペゲーロ(楽天)が、三振率でも.335とダントツの1位となった。昨季は年間139三振でリーグ2位だったが(1位はT-岡田の141三振)、打率.281、26本塁打、75打点とまずまずの数字を残していた。しかし、今季は調子の波が激しく、2軍落ちも度々経験。強打の2番打者として楽天打線の象徴的存在だった昨季の輝きは失われつつある。後半戦に入ってチーム状態が上向いてきているだけに、ペゲーロが復調すればさらに心強いのだが……。

 調子が上がらないソフトバンクからは、6位・柳田悠岐、7位・松田宣浩、8位・上林誠知、10位・デスパイネと、4選手が名を連ねた。しかし、柳田、松田、デスパイネが20本塁打以上、上林も16本塁打と、いずれもパワフルな打撃が目立つ。今季のソフトバンクは、投手陣に故障者が相次ぎチームは苦しい戦いを余儀なくされているが、三振を気にせず強くバットを振る選手が多い打線のおかげで、3位争いに踏みとどまっているとも言える。

 両リーグを通じてほかに目を向けると、レアード、ロメロ、セ・リーグにもバレンティン、マギーら6人の外国人選手がランクイン。かつて、三振が多い助っ人は、スポーツ紙などで決まって「大型扇風機」と揶揄されたもの。ロメロやペゲーロは、昨季より数字を落としているが、6人とも総じて優良助っ人と言っていい選手たちだ。三振の多さを忘れさせるような一発を今後も期待したい。

 なお、パ・リーグの三振率低いランキングは、1位が荻野貴司(ロッテ)で.071、2位が銀次(楽天)で.091、3位が鈴木大地(ロッテ).092となっている。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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