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【2018センバツプレイバック!】明徳義塾が逆転サヨナラ。馬淵史郎監督率いる強豪の底力を見た

【2018センバツプレイバック!】明徳義塾が逆転サヨナラ。馬淵史郎監督率いる強豪の底力を見た

 いよいよ幕を開けた第90回選抜高等学校野球大会(以下、センバツ)。毎試合熱戦が繰り広げられている。連載「2018センバツプレイバック!」では気になった試合をピックアップ。まずは大会第3日までのドキュメントをお届け!

思い切りが生んだ逆転劇


 大会第1日で取り上げたいのは、初出場で初勝利をつかんだ明秀学園日立(茨城)。瀬戸内(広島)を相手に初回から失点し、常にリードを許すという展開だったが、9回表に逆転して4対3で記念の白星を挙げた。

 明秀学園日立のエース・細川拓哉が細川成也(DeNA)の弟ということでも注目を集めたが、筆者が注目したいのは金沢成奉監督の采配。光星学院(青森、現八戸学院光星)時代に坂本勇人(巨人)を育て、「打ちまくる」攻撃的な野球が持ち味の金沢監督の強気の采配が、最後の逆転を生んだと感じる。

 テレビでのセンバツ中継の実況によると、金沢監督は細川に「4点以内で抑えよう」、打線には「5点取ろう」と指示を出していたという。これは、プレーする選手としては単純明快。迷わせることのない監督の指示に打線が応え、9回は犠打なしの3安打で逆転。ここに逆転劇のキモが詰まっているようだった。

呪縛を解き放つ星となれ!


 第2日は、3月20日に公開された週刊野球太郎の特集「センバツ優勝校&勝ち上がり徹底予想!」で筆者が優勝候補に挙げた日大三(東京)が登場。普段以上に観戦に力が入った。

 日大三は2011年に夏の甲子園を制して以降、2012年夏、2013年夏、2017年春と初戦敗退が続いていた。しかし、今センバツでは前評判は悪くなかったこともあって、トーナメントの組み合わせを鑑みながら筆者は優勝候補に挙げた。

 結果は21世紀枠で出場した由利工(秋田)に5対0で完勝。久しぶりの初戦突破となった。さらにこの1勝は日大三にとって節目の甲子園50勝ということで、普段以上に価値のある白星に。きっと勢いをもたらすだろう。2回戦も大いに楽しみにしたい。


馬淵イズムがもたらした節目の勝利


 日大三が50勝を挙げた翌日(第3日)、さらなる快挙が生まれた。明徳義塾(高知)と中央学院(千葉)と一戦は、明徳義塾が逆転サヨナラ勝利。明徳義塾を率いる名将・馬淵史郎監督にとって通算50勝目の白星となった。

 中央学院はプロ注目の右腕・大谷拓海を擁する関東大会王者。昨秋の明治神宮大会でも両校は激突し、接戦だった(明徳義塾が勝利)。そのため一筋縄ではいかない展開になるだろうと思っていたのだが、その通り、終盤は逆転に次ぐ逆転の死闘となった。

 試合に終止符を打ったのは明徳義塾の4番・谷合悠斗。2死から出塁した2人の走者を置いて逆転サヨナラ3ランで試合をひっくり返した。土壇場でこの一連の流れに「耐えて勝つ」という馬淵野球の真髄と底力を見た。


崖っぷちから届くもの


 常に「負けたら終わり」という状況で戦っている甲子園球児。それだけに毎試合ドラマが生まれるのは必然なのだが、今回取り上げた3試合を通じてさらに深いものがあることをあらためて感じた。

 4月4日(予定)の決勝まで激戦は続く。次回もまた球児や監督が放つ熱を伝えていきたい。


文=森田真悟(もりた・しんご)

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