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【2017年を総ざらい! ペナントレース編】ソフトバンク&広島が独走の今季をプレイバック

【2017年を総ざらい! ペナントレース編】ソフトバンク&広島が独走の今季をプレイバック

主力が抜けても強かった広島


 広島の2連覇で終わったセ・リーグ。昨季は9月10日だった優勝決定が今季は9月18日。1週間ほど遅れはしたが、緒方孝市監督が2年続けて宙に舞った。

 広島は開幕2戦目から1分を含む10連勝でスタートダッシュを決めた。やや停滞した5月に一度は阪神に抜かれたものの、5月末に再度首位に立ってからは5球団を突き放す独走。最終的には2位の阪神に10ゲーム差をつけた。

 今季の広島の最大の懸念は、精神的支柱でもあった黒田博樹不在の投手陣だった。加えて、昨季最多勝のジョンソンまで開幕直後に戦線離脱。しかし、2年目の岡田明丈、3年目の薮田一樹が、2人で27勝8敗。両投手の抜けた穴をきっちりと埋めてみせた。

 打線はチーム打率や本塁打数は昨季とほぼ同じ。夏場に、不動の4番に成長した鈴木誠也が骨折で離脱しても代役がしっかり機能したように、選手層の厚さ、総合力の高さが備わっている。

 2位は貯金17の阪神。昨年2位の巨人が貯金2だったこと考えれば立派な成績といっていい。チーム防御率は広島の3.39を上回るリーグトップの3.29。ただ、総得点は広島よりも150点近く少ない。攻撃力アップが最大の課題だ。

 2年連続3位のDeNAは最大連勝が5、最大連敗が4。出入りの少ない展開で1年間を乗り切った。首位の広島にはリーグ内で唯一13勝12敗と勝ち越し。しかし、巨人に9勝15敗と負け越したのが痛かった。ラミレス采配も浸透しつつあるだけに、来季はさらに上を目指したい。
 11年ぶりのBクラスとなった4位・巨人は、なんといっても5月の終わりから6月にかけての13連敗が痛恨。それでも、シーズン終盤はAクラス争いに加わる意地の追い上げを見せ、貯金4でフィニッシュ。投手陣は計算できるので、こちらも阪神同様に攻撃力の底上げが急務。内外野に、イキのいい若手の台頭が待たれる。

 中日、ヤクルトは、いいところがないままシーズンを終えた。両チームとも、チーム防御率が4点台で、中日では大野雄大や吉見一起、ヤクルトでは石川雅規や小川泰弘といった実力者が振るわなかった。とくにヤクルトは投打に故障者が続出。来季はフルメンバーが揃った状態でペナントレースに臨めることを期待したい。

パ・リーグはソフトバンクが2年前を上回る圧勝


 ソフトバンクが2年ぶりの優勝を9月16日に決めた。開幕当初はなかなかエンジンがかからなかったが、気温の上昇とともにチーム状態がアップ。首位を走る楽天に食らいつき、8月半ばまではマッチレースを展開する。そこから楽天が急降下したこともあって、一気に差をつけた。最終的には94勝を挙げ、2位の西武に13.5ゲーム差。2年前の優勝時は90勝で2位の日本ハムとは12ゲーム差だったことを見ても、前回以上の圧勝劇だったことがわかる。

 チーム164本塁打は12球団ナンバーワン。しかし、豪快な野球かと思いきや、犠打156も12球団最多。とにかくソツのない攻撃で先手を奪い、シーズン36失策(史上最少タイ記録)という鉄壁の守備力、リーグトップの救援防御率2.78を誇るリリーバーで逃げ切る。この戦い方が1年を通して一貫していた。

 2位の西武は、一時は3位確定のような状況だったが、7月下旬から8月にかけて13連勝を記録。その勢いで2位まで駆け上がった。チーム打率.264、チーム盗塁数129はリーグトップ。総得点もソフトバンクを上回る攻撃力は脅威だったが、上位球団のなかでは投手力がやや劣った。菊池雄星に続く絶対的な先発の柱がほしい。

 3位は楽天。前半は2番・ペゲーロ、3番・ウィーラー、4番・アマダーという重量打線を軸に首位争いを展開していたが、8月半ば以降、投打に精彩を欠き順位を落としてしまった。ただ、ここ3年が6位、6位、5位だったことを考えれば、十分に躍進といっていい成績を残した。

 4位・オリックス、5位・日本ハム、6位・ロッテの下位3球団は、5月半ばにはもうこの順位が定位置となり、そこから身動きができないまま終戦を迎えた。

 とくにロッテは、打率、本塁打数、防御率、失策数と、すべてがリーグワーストで、最下位もやむなしという状況。この課題山積の状況から、井口資仁新監督がどう立て直してくるか。注目したい。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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