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《高校野球ニュース7選》清宮幸太郎が100号! 公立進学校が大阪桐蔭に勝利まで「あとアウト3つ」

高校通算100号を放った早稲田実業・清宮幸太郎

 夏の甲子園まであと2カ月! 週刊野球太郎では連載『夏の甲子園はすぐそこに! 初夏の高校野球ニュース!!』で各地の最新トピックスをお届け中。

 前回は通算本塁打が96号に到達した清宮幸太郎の100号までの「カウントダウン」をお伝えしたが、6月3日、4日の招待試合でもトントン拍子で打ち続け、ついに大台に乗せた。

 今回は、佳境を迎えた近畿、東北、北信越の春季大会情報とあわせて、注目校、注目選手のニュースを紹介しよう。

愛知で放った100号メモリアルアーチ


 清宮幸太郎(早稲田実、3年)がついに高校通算100本塁打を達成した。

 6月3、4日に行われた愛知県高校野球連盟が主催する招待試合に清宮が登場。まずは3日の中京大中京戦で2本塁打、桜丘戦で1本塁打を放ち、さっそく100号に王手をかけた

 続く4日の享栄戦。3打数2安打と安打を重ねるなかで迎えた最終回の第5打席、初球を振り抜くと打球は右中間の場外へ消えていった。100号は次戦に持ち越しかと思われたなか、この日、最後の打席できっちりと決めた。

 高校通算本塁打ランキング1位(107本塁打=山本大貴・神港学園)まであと7本となったが、今の勢いならたやすく塗り替えるだろう。一体、どこまで記録を伸ばすのか。怪物のバットがとまらない。

大阪桐蔭がライバル粉砕で貫禄のV


 大阪桐蔭と東海大仰星の大阪勢が激突した春季近畿大会の決勝戦は18対0の大差で大阪桐蔭が圧勝。3年ぶり4度目の優勝を勝ち取った。

 大阪桐蔭は22安打、毎回得点の猛攻で近畿大会の最多得点記録(それまでは17点)、最多得失点差記録(それまでは13点)を更新。二刀流で注目の根尾昂(2年)も高校初の満塁本塁打を含む3安打6打点と大活躍を見せた。

 これで公式戦は16連勝。センバツ王者は「向かうところ敵なし」の勢いで夏の甲子園を目指す。甲子園春夏連覇も視界に入ったか?


大阪桐蔭を土俵際に追い詰めた進学校


 春季近畿大会の決勝で大爆発した大阪桐蔭。この絶対王者をギリギリまで苦しめたのが準決勝で対戦した彦根東(滋賀)だ。

 この試合で、彦根東の先発を任されたのは左サイドスローの変則投手・原功征(2年)。村中隆之監督の「変則の方が通用するのでは」という狙いのもと、2日前に先発を告げられた。

 原は起用に応え、大阪桐蔭打線を5回5安打1失点に抑える。継投策で接戦に持ち込んだ彦根東は8回までで2失点。3対2とリードし、9回表の守りについた。

 大番狂わせの期待が高まったが、そこは王者のプレッシャーに押されたか、エラーも絡み2失点。「あとアウト3つ」というところで逆転を許し、そのまま3対4で惜敗となった。

 しかし、大金星を逃したとはいえ、公立の進学校・彦根東頑張りは見事。春季近畿大会のベストバウトと言っていいだろう。


県の強豪を撃破し、いざ地区大会へ


 春季岩手県大会で、大番狂わせを起こしたのが大船渡東。3位決定戦で甲子園常連校の花巻東を6対4で破り、初の東北大会出場を勝ち取った。

 大船渡東は2対4のビハインドで迎えた6回表に4点を取って花巻東を逆転。守っては5回裏から2番手としてマウンドに上がっていたアンダースローの佐藤飛勇(2年)が、スコアボードにゼロを並べ続け、そのまま6対4で逃げ切る。

 大船渡東にとって今年は創部10年目の節目の年。アニバーサリーイヤーにつかんだ記念の勝利をきっかけに、さらなる躍進を期待したい。


兄弟でラストチャンスをつかみたい!


 6月3日に開幕した春季北信越大会。2年連続の夏の甲子園を狙う中越(新潟)は初戦で砺波工(富山)に6対4の逆転勝ち。しかし、2回戦で小諸商(長野)に1対2で惜敗した。

 中越で注目なのは3、4番コンビを組む坂井兄弟。砺波工戦では3番の弟・翔太(2年)が2安打、4番の兄・琢真(3年)が1安打と、それぞれ安打を放ってチームを鼓舞した。

 同時に野球を始めた2人。甲子園にも一緒に出場したい気持ちが強いはず。その夢に挑戦できるのは今年がラストチャンスだ。夏の甲子園まで勝ち上がって、兄弟の夢を叶えたい。


赤丸急上昇のドラフト候補


 春季北信越大会に出場した投手では、啓新(福井)の牧丈一郎(3年)がドラフト注目選手として脚光を浴びる。

 1回戦の関根学園(新潟)戦では最速148キロをマーク。自己最速の152キロに比べると安全投球だったが、それでも威力のあるストレートで押し、7回を5安打8奪三振の無失点。9対0の8回コールド勝ちと順調なスタートを切った。

 この日は、10球団以上のスカウトが視察に訪れ、牧の評価が上昇中。ケガがなければ、秋のドラフト会議で大輪の花を咲かせそうだ。


佐賀発の甲子園ロードにアドバンテージを


 高野連などが主催する招待試合もたけなわのなか、佐賀では、夏の佐賀大会に向けて重要な意味を持つ「NHK杯佐賀県県高等学校野球大会」が行われている。

 というのも夏の佐賀大会は、「前年の秋、当年の春の県大会、NHK杯でベスト4以上のチームにポイントを与え、その合計上位4チームが夏の佐賀大会のシード権を得られる」というシード制を敷いているからだ。

 昨年の秋季大会と今年の春季大会に優勝した佐賀北の第1シードはすでに確定。残り3枠はこの大会の結果次第だ。

 夏の甲子園への道を優位に進めるためには、「NHK杯佐賀県県高等学校野球大会」は落とせない。果たして残り3枠のシードに滑り込むチームはどこだ?


ストップ・ザ・大阪桐蔭?


 各地で春のチャンピオンが誕生しているが、大阪桐蔭の圧勝劇を見ると、甲子園春夏連覇の可能性は高いか……と感じてしまう。

 6月17日の沖縄大会を皮切りに夏の甲子園をかけた戦いが各地で幕を開ける。夏に向けて、右肩上がりで急成長を遂げる選手やチームが現れるだろうか。

 そんな期待株を探しながら、これからも高校野球ウオッチングを続けたい。

(成績、結果は6月5日現在)


文=森田真悟(もりた・しんご)

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