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中日ドラゴンズファンには青天の霹靂!? 高橋聡文FA宣言の行方

 高橋聡文、まさかのFA宣言。藤井淳志の残留に胸をなでおろしたのも束の間、生え抜き左腕の決断にドラゴンズファンの動揺の声があちこちで聞こえてくる。本人曰く球団代表、そして谷繁監督も多少驚いていたという「ノーマーク」な状況で、市場へ打って出た。


度重なるケガと付き合いながら、実績を積み上げる


 2001年ドラフト8巡目で中日にやってきた高橋。下位指名での入団だったものの、落合博満政権下の強力ブルペン陣に名を連ねた。小柄な身体を目いっぱい使ったオーバースローで、時折150キロを超える快速球が最大の武器。細かいコントロールよりは真っ直ぐでズドーンと行くスタイルを持ち味に、胸のすく投球を見せてきた。

 キャリアハイは2010年。63試合に登板すると、4勝31ホールド、防御率1.61と抜群の成績を残した。この年は浅尾拓也、岩瀬仁紀とともに勝利の方程式を形成し、リーグ優勝に大きく貢献。ロッテとの日本シリーズでも絶体絶命のピンチを抑え、ヒーローインタビューに答える場面もあった。

 この年以降は左肩痛や左ひじ痛などに苦しみ、フルシーズンで投げることができていない。それでも一軍に上がった時は、貴重な中継ぎの戦力として機能。今季は35試合登板で防御率3.51と一見平凡な成績に見えるが、イニング数を上回る奪三振数(25 2/3イニング26奪三振)に与四球もわずか2個のみ。通算登板数も400を超え、リリーバーとして成熟した印象を抱く。

既に地元メディアは流出を覚悟!? 阪神が獲得の意思を見せる


 FA権取得直後の昨オフは慰留があった中、今季はそれがなかったということで行使に至った。早速中日は11月10日に残留に向けた交渉を行ったが、高橋の首は縦に振ることなく終了。「他球団の意見を聞きたい」と結論を先送りにした。

 この交渉を受け、地元メディア(親会社の新聞社)は翌11日の紙面で「聡文 流出濃厚」とショッキングな見出しを打ち出している。高橋の記事の隣には、同タイプのドラフト4位左腕・福敬登(JR九州)の指名あいさつの模様を掲載。流出を覚悟しているかのような紙面づくりだ。

 一方、他球団では阪神が早くも獲得の意思を見せ、14日に直接交渉。現状では手を挙げているのは阪神のみだが、補償不要のCランクなだけに争奪戦も考えられる。高橋本人は「もし話があれば、全部聞くつもり」と門戸が開いていることをアピール。果たして残留か、それとも流出か。来季でプロ15年目のアキフミは、どのユニフォームで躍動しているのだろう。


文=加賀一輝(かが・いっき)
ダルビッシュ有と田中将大に挟まれた世代の野球好き。地元・中日と、初めて仕事を受け持ったオリックスを中心に、プロアマ海外問わず各地の野球を愛でる。外野応援、メディア、登場曲など、野球の周辺にあるカルチャーが大好物。

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