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絶好調DeNA! 長かった“暗黒時代”を振り返る

 今シーズン、前評判を覆し横浜DeNAベイスターズが破竹の進軍を続けている。42年ぶりとなる両リーグ20勝一番乗りを果たし、イケイケのDeNA、5月13日現在、セ・リーグ首位を走る。

 打撃陣では筒香嘉智、梶谷隆幸が去年の成績がフロックではなかったことを示す大活躍。ロペス、バルディリスの両外国人も大ハッスル。石川雄洋、後藤武敏G.なども好調をキープしている。

 さらにはルーキーの山?康晃が守護神として躍動し、まるで1998年のマシンガン打線&佐々木主浩の再来のようだ。

 これは優勝間違いなし!!

 まだ5月ではあるが、そう決め付け、これにて脱出する(だろう)長きに渡る暗黒時代を振り返ってみることにしよう!

暗黒時代はいつから?


 1998年に見事日本一に輝いた横浜ベイスターズ。その後、すぐに暗黒時代に突入したイメージがあるが、実は1999年〜2001年までは連続して3位をキープするなど、決して弱くはなかった。それどころか、2000年には金城龍彦が新人王と首位打者の二冠を獲得し、多村仁などの有望な若手も控えていた。

 しかし、その裏で暗黒序曲は既にはじまっていた。佐々木主浩のメジャー移籍を皮切りに、ローズ、駒田徳広、波留敏夫、進藤達哉などの功労者が次々と退団。ついには2001年オフ、その年に就任した森祇晶監督と正捕手・谷繁元信らの確執が露呈し、谷繁はFAで中日に、小宮山はメジャーに移籍してしまう。

 そして2002年、横浜は49勝86敗5分で最下位に沈んだ。首位巨人から35.5ゲーム差、5位広島から14.5ゲーム差という断トツの最下位。暗黒時代はここからはじまった。

 翌年は再起を期し、山下大輔が監督に就任したものの、45勝94敗1分。両リーグで33年ぶりとなるシーズン90敗という不名誉記録を打ちたて、さらに翌年も最下位に沈んだ。

 2005年には負け越しながら3位に入り、Aクラスに復帰したが、ここでも息切れ。2008年からは最悪の状況に陥り、94敗、93敗、95敗、86敗、85敗と2012年まで記録的な最下位に沈没してしまった。

 1998年から2014年までの順位変遷は以下の通りだ。

 日本一・3位・3位・3位・6位・6位・6位・3位・6位・4位・6位・6位・6位・6位・6位・5位・5位

 ベイスターズファンの辛苦が容易に想像できる。

▲“暗黒時代”のエース・三浦大輔は23年連続勝利の金字塔を打ち立てた

諦観の域に入ったベイスターズファン


 この暗黒時代を経て、ベイスターズファンは負けへの耐性を獲得してしまった。もともと1998年の優勝が38年ぶりだったこともあり、オールドファンは耐性があったのだが、2008年からの5年連続最下位のあたりになると、全世代が負け耐性を獲得。ネットでの自嘲が大喜利状態と化した。

 2010年には某大型掲示板でエア日本シリーズを開催。中日の選手を自軍の選手に置き換えて大いに盛り上がるという狂気の催しはもはや伝説となっている。

 そんなベイスターズファンだが、今年は本気モードだ。横浜スタジアムの動員数は日を追って増し、1998年の燃え上がるような応援が蘇ってきている。

ベイスターズはなぜ暗黒時代だったのか?


 かつての横浜はお家騒動がつきものだった。選手、監督、コーチ、フロントが歪に癒着し、いがみ合い、旧態依然の悪しき伝統が詰まった状態だったのだ。

 横浜から移籍した選手からはたびたび古巣への諫言が飛び出し、その異様さは一目瞭然だった。

 しかし、DeNAに親会社が変わってからはあらゆる面で変革が始まっている。さまざまな球場イベントの実施や中畑清監督の起用など、当初は冷ややかな目もあったが、根気強く改革を推し進め、ここに来て実を結びはじめている。

 絶好調の今年はその新陳代謝を証明する千載一遇のチャンスだ。まだまだ先は長いシーズンとなるが、「優勝」の二文字で暗黒時代の悪習を吹き飛ばしたい。

(文=落合初春)

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