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【3分でわかるドラフト会議まとめ】順当!? サプライズ!? 今年のドラフトの見どころをチェック!


 田中正義(創価大)に何球団が1位入札するのかが注目された今年のドラフト会議。今年も1巡目から驚きが隠されていた。「3分でわかる」ようにまとめた本稿を読めば、今年のドラフト会議の見どころを、まるで見ていたようにまるわかり!

1巡目指名のサプライズは阪神!?


 17時から各球団の監督らが拍手で迎えなれながら席に着き、1巡目入札の準備に入る。5分ほどしてパ・リーグの6位、オリックスの1巡目指名が読み上げられる。

「第一巡選択希望選手、オリックス」

 一瞬の間だ。

「山岡泰輔、投手、東京ガス」

 瀬戸内高(広島)時代に、ダルビッシュ有(レンジャーズ)が絶賛した投手の名が真っ先に挙った。

 続く中日は柳裕也(明治大)を指名。ここまでは予想通りといったところだろうか。

 楽天は「高校BIG4」の一角、藤平尚真(横浜高)を指名。会場が沸いた。楽天は田中、佐々木千隼(桜美林大)が1位指名と大方のメディアが予想していたが、その答えは藤平だった。田中将大(ヤンキース)、松井裕樹ら高卒投手の育成に成功した自信の表れが、藤平の指名となったのだろうか。

 そして、ヤクルトは藤平と今夏の甲子園で投げ合った寺島成輝(履正社高)を指名。田中か甲子園優勝投手の今井達也(作新学院高)かで予想が割れていた西武は、今井を指名。

 1巡目で最も驚きの声が挙ったのは、続く阪神の入札が読み上げられたときだった。佐々木への入札が大方の予想だったが、読み上げられた名前はなんと大山悠輔(白鴎大)。会場のいたるところで驚きに声が挙っていたのはもちろんだが、テレビでドラフト観戦していたファンも同様だったのではないだろうか。

 そして、大本命の田中の名前が初めて読み上げられたのは12球団の半分を超えた7球団目。田中指名を公表していたロッテが入札したときだった。

 8球団目のDeNAは柳裕也(明治大)を選択。柳は中日と重複。抽選となることが確定した。田中よりも先に柳が「1位競合選手」となったのだ。

 ここからは田中の独壇場。ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島と両リーグの上位チームがこぞって田中を指名した。

この時点で交渉権が確定したのは以下の5球団。

【交渉権確定】
オリックス:山岡泰輔(東京ガス)
ヤクルト:寺島成輝(履正社高)
楽天:藤平尚真(横浜高)
阪神:大山悠輔(白鴎大)
西武:今井達也(作新学院高)

重複指名され抽選となったのは、以下の2名。

【重複指名】
ロッテ、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島:田中正義(創価大)
中日、DeNA:柳裕也(明治大)

豪腕炸裂!? いざ抽選へ!


 1位競合選手への抽選へと場面が移る。まず、柳の抽選が行われた。壇上に上がったのは、中日は森繁和監督、DeNAはラミレス監督。当たりくじを引いたのは森監督だった。森監督は交渉権確定の書かれた当たりくじを確認後、ラミレス監督と余裕の握手を交わした。

 続いて、今年のドラフト会議のメインディッシュともいえる田中の抽選に。入札4球団の代表者がくじを引く。ガッツポーズが飛び出したのはソフトバンクの工藤公康監督。昨年、高橋純平を引き当てたときと同じく、右手で引いたのが勝因だろうか。

【交渉権確定】
中日:柳裕也(明治大)
ソフトバンク:田中正義(創価大)

 柳、田中を外した5球団が「外れ1位」の入札を行う。本日、2回目の山場がここで訪れた。なんと、5球団とも佐々木に入札を行ったのだ。

 田中の5球団に続き、佐々木もまさかの5球団重複となった。ここで当たりを引いたのはロッテの山室晋也球団社長。あるパーティーで、「300人に1人」という海外旅行の当たりくじを引き当てたことがある剛腕が、ここで威力を発揮した。

【交渉権確定】
ロッテ:佐々木千隼(桜美林大)

 残り4球団が「外れの外れ1位」の入札を行い、以下のように全球団の交渉権が確定した。

【交渉権確定】
DeNA:濱口遥大(神奈川大)
日本ハム:堀瑞輝(広島新庄高)
巨人:吉川尚輝(中京学院大)
広島:加藤拓也(慶應義塾大)


 吉川尚輝(中京学院大)と大山が1巡目で指名された野手。ここまでに指名された12名は、阪神の大山を除きほぼ順当といえるだろう。


投手偏重も2巡目までに大学生有力遊撃手が消える


 1巡目は10球団が投手を指名したが、2巡目も10球団が投手を指名。中日の京田陽太(日本大)と日本ハムの石井一成(早稲田大)が2巡目で指名された野手となった。投手が豊作といわれた今年のドラフト戦線のなか、「大学生遊撃手トップ3」と目された吉川、京田、石井は2巡目までに消えた。

 154キロ左腕の古谷優人(江陵高)はソフトバンクが指名。「高校BIG4」で唯一残っていた高橋昂也(花咲徳栄高)は、2巡目最後の指名を行った広島が交渉権を獲得した。


個性豊かな3巡目以降の指名選手


 3巡目以降は各球団の特色が表れた。

 3巡目の指名で目立ったのは松尾大河(秀岳館高)、岡崎大輔(花咲徳栄高)といった身体能力の高い高校生遊撃手が、それぞれDeNA、オリックスに指名されたことだろうか。また、大砲候補の石垣雅海(酒田南高)も3巡目で中日に指名された。

 再び会場に驚きの声が挙る。ソフトバンクが早々に4人を指名したところで選択終了となったからだ。

 下位指名では、変わり種選手として注目されていた帝京大準硬式野球部の鶴田圭祐を楽天が6位指名。その次の指名順だったヤクルトもサプライズを演出した。一部で「隠し玉」として報道されていたが軟式野球・相双リテックの投手•菊沢竜佑を指名したのだ。菊沢はアメリカの独立リーグでのプレー経験も持つ、田中将大(ヤンキース)世代の28歳だ。

 下位指名での驚きは少なかったが、指名有力と見られていた生田目翼(流通経済大)、中山悠輝(東京ガス)、糸野雄星(明秀学園日立高)らが指名漏れ。本人にとっては残念な結果となった。

 次回以降は、主な「指名漏れ選手」と「変わり種選手」を紹介。お楽しみに!


文=勝田 聡(かつた さとし)

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