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今年のドラフト対象・大学4年生の同級生、高卒4年目世代は山本由伸を筆頭に下位指名組が頭角を現す

文=勝田聡

今年のドラフト対象・大学4年生の同級生、高卒4年目世代は山本由伸を筆頭に下位指名組が頭角を現す
 新型コロナウイルスの影響で、プロ野球の開幕が延期となった。現時点で具体的な日程は決まっておらず、多くの選手たちは各自で自主練習を行っている。

 アマチュア野球界にも影響は出ている。すでにセンバツは史上初めての中止となり、6月に開催予定だった全日本大学野球選手権大会も8月への延期が発表された。今秋のドラフト会議で指名される可能性のある最上級生たちは、アピールの場を失いかねない状況となっているのだ。「即戦力候補」となり得る大学生のドラフト候補たちにとっては死活問題だ。

 さて、今年のドラフトにおける大卒組と同級生にあたるのが、2016年のドラフトで指名された高卒組である。1998年生まれ世代(1998年4月2日〜1999年4月1日生)の彼らは、今年でプロ入り4年目を迎える。どんな結果を残してきているのだろうか。振り返ってみたい。

ドラフト上位指名からは今井達也がローテーション入り


 2016年のドラフトにおいて、高校生は寺島成輝(履正社→ヤクルト)、藤平尚真(横浜→楽天)、今井達也(作新学院→西武)、堀瑞輝(広島新庄→日本ハム)の4人が1位指名を受けた。

 続く2位指名では古谷優人(江陵→ソフトバンク)と高橋昂也(花咲徳栄→広島)の2人。2位・24人までの上位指名で、なんと4分の1にあたる6人がプロ入りしたのである。

 現時点でもっとも「戦力」と言えるのは今井だろう。昨シーズンは135回1/3と規定投球回(143回)にこそ到達しなかったが、23試合に登板し7勝9敗、防御率4.32という成績で、先発ローテーションの一角としてリーグ優勝に貢献している。

 高卒3年目までに実績を残すのは簡単なことではないが、下記で紹介する下位指名から続々とチームの主力選手が育っている状況を見ると、少し物足りなさを感じてしまうかも……。

山本由伸が世代のトップランナーに


 現時点におけるこの世代のトップランナーは間違いなく山本由伸(都城→オリックス4位)だ。山本は高卒2年目に中継ぎとして頭角を現すと、昨シーズンは先発へと転向し、最優秀防御率のタイトルも獲得。プレミア12では日本代表にも選出されたほど。今年からは背番号「18」を背負っている。

 山本に続くのが、種市篤暉(八戸工大一→ロッテ6位)だろうか。昨シーズンは8勝をマーク。アドゥワ誠(松山聖陵→広島5位)も中継ぎ、先発両役割でここまで結果を残してきた。今年も春季キャンプやオープン戦において、先発ローテーション入りを争っていた。

 他にも梅野雄吾(九産大九産→ヤクルト3位)、藤嶋健人(東邦→中日5位)、榊原翼(浦和学院→オリックス育成2位)らも1軍で結果を残しており、主力選手の一歩手前まできている。チームにとって欠かせない戦力であることは間違いない。

 ちなみに今シーズンのブレイク候補に挙げられている、支配下選手としてヤクルトに移籍した長谷川宙輝(聖徳学園→ソフトバンク育成2位)も同世代だ。

 山本をはじめ、下位指名から続々と主力選手に這い上がってきているのである。

坂倉将吾や九鬼隆平、古賀優大など捕手が充実


 野手陣はどうだろうか。1軍の主戦力となっている選手はまだ1人もいない。しかし、次世代のレギュラー候補たちが頭角を現しつつある。なかでも捕手が豊作になりそうな気配がある。

 九鬼隆平(秀岳館→ソフトバンク3位)、坂倉将吾(日大三→広島4位)、古賀優大(明徳義塾→ヤクルト5位)である。

 とくに坂倉は1年目からウエスタン・リーグで優秀選手賞、ビッグホープ賞、期待賞、新人賞と4つの表彰を受けた。打撃が優れており、たびたびコンバートの話も持ち上がるが、本人は捕手で勝負するという。會澤翼という絶対的な正捕手に挑む。

 他には石垣雅海(酒田南→中日3位)、鈴木将平(静岡→西武4位)、細川成也(明秀学園日立→DeNA5位)らも有望株として期待がかかる存在だ。今年こそ、レギュラー争いに加わりたい。

 今回紹介した高卒4年目の選手たちは、今年の秋に大学を経て入団してくる同級生たちにどれだけの差をつけることができるだろうか。日程も変則的であり、先が見通せない中ではあるが彼らの飛躍に期待したい。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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