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【2019年夏の甲子園 栃木みどころ】さまざまな投手が相まみえる夏の主役は ドラフト的楽しみは青藍泰斗の2年生だ

投手編〜好投手が続々台頭した春

林勇成
 秋の大会で上位に入ったチームのエースが春は軒並み登板しなかった。林勇成(作新学院)は昨夏の栃木大会決勝や甲子園でも登板。走者を背負ってからの粘り強い投球とスタミナで作新の9連覇に貢献したい。
 松倉亮太(佐野日大)は130キロ台後半のストレートとチェンジアップ、スライダーでコーナーを突き、安定感が光る。春はケガで欠場したが、その間に左腕の松本翔大が台頭した。タテに割れる大きなカーブとスライダーで打者を翻弄する。打撃でも長打力があり、チームの要となる。長身右腕の山田直樹を含め、投手層が厚くなり、9年ぶりの甲子園を目標に切磋琢磨している。

 昨夏に作新学院を追い詰めた小林陽心(宇都宮工)は130キロ中盤のストレートとスライダーが武器の本格派右腕だ。春は他の投手を試すために外野手で出場したが「球種が増えた。夏には140キロが出るかも。『彼がエースだ』とみんなに言ってある」と大森一之監督も絶大の信頼を寄せる。

 今年の有力校の主力はリトルシニアで実績を残した選手が多い。松倉、松本、小林は栃木下野で日本選手権を優勝している。

 ドラフト的に期待したいのは、2年生右腕の佐々木康(青藍泰斗)。最速142キロで、しかも時々動くからさらに厄介だ。そして、スプリットやチェンジアップなど多彩な変化球も操る。スタミナを増やして夏に挑みたい。

 この他の右腕では饗庭陽生、前田直輝(ともに文星芸大付)、小林由翔(今市工)が注目だ。

 左腕では古内大陽(栃木工)が春に強豪私立3校に投げ勝つ活躍を見せた。大きなカーブとタテに鋭く落ちるチェンジアップが切れ味抜群で、強打者をきりきり舞いさせる。
 エース右腕の小幡直哉もスライダーとシュートを武器に緩急のついた投球が光る。

野手編〜経験豊富な選手が躍動!

石川慧亮
 宇都宮リトルシニアで全国選抜準優勝に輝いた選手たちが秋・春の大会首位打者を独占した。橋浦大知(佐野日大)は県内トップクラスの右の大砲で、ともに秋の首位打者となった2年生の藤澤涼介らとチームの中軸を固める。
 2年連続で春の大会首位打者を獲得した長谷川太洋(國學院栃木)はバットコントロールが巧み。打率6割超えを誇る攻撃的な2番打者だ。

 石井巧(作新学院)は兄・一成(日本ハム)譲りの高いレベルの攻守を武器に4番を務める。1年下の横山陽樹はボーイズリーグ日本代表の4番を務めた右の強打者で、昨夏甲子園でいきなり公式戦デビューしてファンを驚かせた。

 もう一人注目の2年生を紹介したい。石川翔(中日)の弟・慧亮(青藍泰斗)は一冬でスイングスピードと打球の強さがさらに上がった。春の大会では、打った瞬間、という満塁本塁打を叩き込んだ。すでに4番を任されていて、大器の予感がする。

 この他の右打者では飛距離十分の勝盛直樹(國學院栃木)や宇賀神聖(宇都宮工)、好守巧打の角田祥太郎(文星芸大付)などの名前が挙がる。
 左打者では秋春4割の打率を残した中島啓太(佐野日大)や父は白鴎大の監督を務める寿幸氏である黒宮真幸(國學院栃木2年)の成長が楽しみだ。

大会展望〜「元年」の佐日か、作新9連覇か

栃木地区勢力ピラミッド
秋・春二冠の佐野日大は左右で複数投手が育ち、打線もつながる。
平成元年の優勝投手でもある麦倉洋一監督(元阪神)は「順調に来ている」と令和元年の甲子園出場へ虎視眈々だ。
9連覇を目指す作新学院は得点力向上が最大の課題となる。
栃木工は春季県大会で私立3校を下す活躍を見せた。
青藍泰斗と國學院栃木は主力に好素材の2年生が多く伸びしろ十分。
他には文星芸大付、白鴎大足利、矢板中央の私立勢、公立校では大会屈指の好右腕を擁する宇都宮工に注目だ。

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