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1996年以来優勝なしも先発は充実。ジョーンズ加入で得点力アップ? 今年こそがんばれオリックス!

文=藤山剣

1996年以来優勝なしも先発は充実。ジョーンズ加入で得点力アップ? 今年こそがんばれオリックス!
 2016年に広島がリーグ優勝を果たしたときが実に25年ぶり。長きにわたって低迷していた球団が、ようやく日の目を見たことが当時、話題となった。

 その広島が低迷から抜けた今、最もリーグ優勝から遠ざかっているのはオリックスだ。前身球団時代も含めると、2000年以降、リーグ優勝ができていないのは、セ・リーグではDeNA(最後が1998年)、パ・リーグではオリックス(同1996年)の2球団。

 ただしDeNAは2019年にシーズン2位からCSを突破して日本シリーズに出場している。一方のオリックスは、1996年の優勝時以降、日本シリーズ出場もない。

最後の優勝シーズンはこんなオーダーだった


 ちなみに、最後にリーグ優勝した1996年開幕戦のスタメンは以下のとおり。

1(中堅)イチロー
2(三塁)馬場敏史
3(DH)D・J
4(遊撃)小川博文
5(右翼)藤井康雄
6(左翼)田口壮
7(一塁)四條稔
8(捕手)三輪隆
9(二塁)大島公一
投手:星野伸之

 オーダーをながめるだけで視界がセピア色になるほどの渋すぎる面々。なお、この年は、巨人相手に日本シリーズでも優勝(4勝1敗)している。その日本シリーズ最終戦(5戦目)のスタメンはこちら。

1(左翼)田口壮
2(二塁)大島公一
3(中堅)イチロー
4(DH)ニール
5(右翼)藤井康雄
6(一塁)D・J
7(遊撃)小川博文
8(三塁)福良淳一
9(捕手)高田誠
投手:星野伸之

 レギュラーシーズンでは、イチローが首位打者、最多安打、最高出塁率、ニールが本塁打と打点の二冠。打撃タイトルをチームで総なめにし、リーグ連覇。その勢いで、日本一にも輝く。阪神淡路大震災からの復興を目指し、「がんばろう神戸」のキャッチフレーズを掲げていたことも印象的だった。

三本柱は12球団トップクラス


 と、しばし過去の栄光に浸ったところで今季の話。開幕して7戦を終えた時点で、オリックスは1勝6敗。この数字だけを見るとお先真っ暗だが、希望の光がないわけではない(成績は6月26日現在)。

 一つは投手陣だ。山岡泰輔、山本由伸に田嶋大樹を加えた先発三本柱は、12球団トップクラスと言ってもいい。

 山岡泰輔は、2年目までは打線の援護にも恵まれず負け越したが、3年目の昨季は13勝4敗で最高勝率のタイトルを獲得。開幕投手を務めた今季初登板は7回1失点と好投し、対戦相手の楽天・則本昂大と互角のピッチングを見せた(※編集部注 6月26日、山岡は左内腹斜筋の筋損傷で降板し、登録抹消)。

 山本由伸は、侍ジャパンなどでの活躍でもはや全国区の知名度。昨季は防御率1.95で初タイトル。ストレート、カーブ、フォーク、カットボールなど、どの球種も超一流だ。今季初登板は、8回無失点で勝利投手となっている。

 田嶋大樹は、ルーキーイヤーの2018年、6月までの稼働で6勝を挙げるも、左ヒジの痛みで離脱。昨季途中から復帰したが、本調子とは言えないピッチングが多かった。ただ、今季初登板は5回1失点と、ゲームは作った。

 この3投手が健在なら、いずれチームは上向いていくはず。

 ただ、ブルペンの整備は必要。序盤の6敗のうち、3敗はリリーフ投手が打ち込まれてのもの。このやりくりこそ、ベンチの腕の見せどころだ。

パワフルな上位打線が起爆剤になるか


 一方の打線は、昨年とは様変わりしている。今季の開幕戦のオーダーは次のような並びだった。

1(一塁)T-岡田
2(DH)ロドリゲス
3(左翼)吉田正尚
4(右翼)ジョーンズ
5(三塁)中川圭太
6(二塁)大城滉二
7(捕手)若月健矢
8(遊撃)安達了一
9(中堅)後藤駿太

 まず、目につくのが1番のT-岡田だろう。一般的に俊足で器用な選手が1番打者の必要条件。それとは真逆なイメージがあるT-岡田だが、実は、トップバッターは今季が初めてではない。2017年後半に1番で23試合スタメン出場しており、本人に戸惑いはないだろう。まず、先頭打者として脅威を与えつつ、イニングが進めば下位打線が作ったチャンスを得点につなげる。この両面を託しての起用だ。

 7試合消化時点で打率こそ.238ともうひとつだが、四球が多く出塁率は.370。打点も6とまずまずの数字を残している。

 そして、新戦力のジョーンズとロドリゲス。ジョーンズは、メジャー通算1939安打、282本塁打を誇る大物。2年総額800万ドル+出来高という大型契約での来日だけに、期待は大きい。ロドリゲスもマイナー通算174本塁打のパワーヒッターだ。

 ボーア(阪神)やスパンジェンバーグ(西武)が苦しんでいるように、外国人選手は本来の実力を開幕直後に出せないことは珍しくない。しかし、シーズンが進むにつれて日本の野球に慣れ、真価を発揮するパターンは少なくない。それだけに、まだまだ本領発揮とは言えないジョーンズやロドリゲスも化ける可能性はあるだろう。

 計算できる吉田正尚も含め上位から下位、下位から上位へ打線がうまく噛み合うようなら、得点力は昨季のリーグワーストから脱却できる。そうなれば、少なくとも2年連続最下位という残念な事態にはならないのではないか。期待を込めて見守りたい。

文=藤山剣(ふじやま・けん)

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