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川端慎吾しかりヤクルトの三塁はコンバートの歴史。未来の大砲・村上宗隆は系譜を継ぐ男になれるか!?

川端慎吾しかりヤクルトの三塁はコンバートの歴史。未来の大砲・村上宗隆は系譜を継ぐ男になれるか!?

 先日のドラフト会議で外れ1位ながら3球団競合となった村上宗隆(九州学院高)を引き当てたヤクルト。強打の村上は1年時から「肥後のベーブ・ルース」と注目され、1年秋からは捕手に転向。高校通算52本塁打を放つなど「打てる捕手」として期待された逸材だ。

 しかし、入団後早くも三塁コンバートが決定。プロでは三塁手として戦うことになった。振り返ると、ヤクルトでは三塁へのコンバートは珍しいことではない。そこで過去の三塁手を見ていくことにしよう。

外国人の歴史からコンバートの歴史を辿った三塁


 1970年代末から、角富士夫が長らく三塁レギュラーの座を守ってきたが、1980年代後半からは外国人選手が起用された。わずか1年で地球の裏側に帰ってしまったものの、日本球界に衝撃を与えたホーナー、東京ドーム第1号本塁打を放ったデシンセイ、来日初年度の1992年に本塁打王を獲得したハウエル、ヤンキースの監督候補にも挙がったミューレンもそうだ。このようにヤクルトにとって三塁とは外国人選手のポジションでもあったのだ。

 その後は遊撃からのコンバート組がホットコーナーを守ることになる。「ブンブン丸」こと池山隆寛、職人肌の宮本慎也、そして川端慎吾だ。各選手ともに遊撃でプレー後、三塁のレギュラーとなり、結果を残している。

 そのなかで近年唯一、プロ入りから三塁のレギュラーを担ったのは岩村明憲。宇和島東高時代は捕手などを務めていたが、プロ入りと同時に三塁に専念。ミスタースワローズ・若松勉の背番号1を池山に続いて背負い、メジャーリーグ移籍まで果たしている。プロでは三塁から始まったが、この岩村も高校時代から考えるとコンバート組ということになる。

 また、川端が故障で不在だった今季も、三塁を務めたのは捕手からコンバートされた藤井亮太だった。昨季も捕手の出場より、外野手としての出場が多かったが、三塁でチャンスをモノにした格好だ。これがきっかけで、来季は捕手登録から内野手登録に変更し、新たなスタートを切る。

誰が守ってもコンバート組?


 ドラフト1位とはいえ高卒1年目の村上は、来季は2軍で鍛えられることになるだろう。しかし、2軍の三塁レギュラーが確約されているわけではない。2軍の三塁には村上同様に将来のスラッガーを期待される廣岡大志が待ちかまえているからだ。ただ、廣岡は遊撃、三塁と両ポジションで育成されており、来季の方針はわからない。仮に三塁で起用されることとなれば、村上は廣岡超えが求められる。

 その廣岡は1年目の2016年、シーズン終盤に1軍デビューを果たし、初打席初本塁打を記録。今季は1軍と2軍を往復しながら経験を積んできた。高卒3年目となる来季は1軍定着を期待される。廣岡は村上に力の差を見せつけたい。

 川端の次に三塁を守るのは廣岡になるのか、それとも村上になるのか。現状ではわからない。もちろん、このまま藤井が定着する可能性だってある。しかし、誰が守ることになってもコンバート組であることには変わらない。当分、ヤクルトの三塁はコンバート組が占めることになりそうだ。巨人を退団し、未だ所属の決まらない村田修一を急遽、獲得しない限り……。


文=勝田聡(かつた・さとし)

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