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試合時間短縮に貢献中の選手は誰!? 今季から格上げされた「スピードアップ賞(仮称)」中間報告


 真夏の戦いに突入するプロ野球。屋外球場を本拠地にするチームをはじめ、夏バテが心配される時期だ。観客にとってもビールは進むが、あまりに長い試合はご容赦願いたいところ……。

 そんなこの時期に重宝されるのは、投球テンポの早い投手だ。サクサクっと試合を進めることができれば、自身にとってもチームにとっても観客にとっても負担減の一石三鳥だ。

 今季からNPBは平均投球間隔の短い投手、相手投手の平均投球間隔が短い打者を表彰する「スピードアップ賞(仮称)」を制定。厳密に言えば昨年までも存在していたが、今季はリーグ表彰からコミッショナー表彰に格上げし、公式タイムを発表するようになった。

 発表があった6月20日時点でのスピードアップランキングを見てみよう。

≪規定≫
・投手:先発で120投球回以上、救援で50投球回以上(シーズン途中の場合はそれぞれ消化済みの試合数で割った投球回以上)
・打者:規定打席以上
・どちらも無走者時のタイム

【セ・リーグ投手】
1位 10.9秒 高木勇人(巨人)
2位 10.9秒 井納翔一(DeNA)
3位 11.0秒 マテオ(阪神)
4位 11.0秒 田口麗斗(巨人)
5位 11.6秒 今村信貴(巨人)

6位 11.6秒 三上朋也(DeNA)
7位 11.7秒 ジョンソン(広島)
8位 11.9秒 メッセンジャー(阪神)
9位 12.0秒 ジョーダン(中日)
10位 12.1秒 野村祐輔(広島)

【パ・リーグ投手】
1位 8.0秒 牧田和久(西武)
2位 9.5秒 小石博孝(西武)
3位 10.3秒 メンドーサ(日本ハム)
4位 10.5秒 吉川光夫(日本ハム)
5位 10.8秒 高梨裕稔(日本ハム)
6位 10.9秒 ディクソン(オリックス)
7位 11.6秒 南昌輝(ロッテ)
8位 11.7秒 東明大貴(オリックス)
9位 11.7秒 和田毅(ソフトバンク)
10位 11.8秒 二木康太(ロッテ)


投手は両リーグとも昨年キングが1位をキープ


 セ・リーグは高木勇人、パ・リーグは牧田和久がトップを走る。両投手ともに、昨年もスピードアップ賞のリーグ表彰を受けており、抜群のテンポを誇る。

 特に牧田の8.0秒は驚異的。ボールを受けてから投球するまでの間隔なので、サインを見たら“即投球”の域である。もちろん、牧田の投球前に打席を外すことを試みる打者もいるが、再三再四のタイムは警告対象。アンダースローで球速はないが、構え遅れを誘う“スピーディ投球術”で球界を生き抜いている。

 対してセ・リーグトップの高木は投球テンポこそ秀逸だが、今季は防御率4.56。7月3日時点で規定投球回数をクリアしている投手の中では最下位。「単調」と見ることもできる。

 1球1球の投球間隔が短くても、打たれてしまっては試合時間は伸びる一方……。高木はあえて投球間隔をずらした方が、試合時間短縮に結びつくかもしれない。もしくは牧田並みの超速のほうが「アリ」か。今以上にポンポン投げる高木を見てみたい気もする。

今年は野手の数字もはっきり見えてきた


 昨季まではセ、パで1人ずつの選出だったが、今季からは両リーグで投手と野手の1人ずつ、計4人が表彰されることが決まっている。つまり、野手もはっきりとしたランキングが明示されるのだ。

 6月20日発表の打者ランキングでは、セ・リーグの1位が大島洋平(中日)で12.0秒、パ・リーグの1位が中村晃(ソフトバンク)で12.6秒だった。

 相手投手にも左右される数字だが、両者はともにサッと打席に入り、素早く構える選手。スピーディな選手は審判からの評判もよく、誰からも好印象だろう。

 過去のスピードアップ賞では、栗山巧(西武/2013〜2014年)、阿部慎之助(巨人/2013年)などの野手が受賞することもあったが、当時はタイムだけではなく、審判団からの推薦や攻守交代の際のスピードなども審査基準になっていた。

 今季は純粋なタイムだけが判断基準。果たしてどういう結果になるか、ファンの印象との乖離はないかにも注目が集まる。


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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