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【2015夏の高校野球】《宮城観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月7日〜20日(コボスタ宮城ほか)

打力だけじゃなく走守でも魅了する平沢大河
打倒・仙台育英へ公立勢が巧者揃え挑む

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●各校複数の投手で挑む


 今年の宮城は投手の駒が揃っているチームが多い。筆頭は仙台育英。エース・佐藤世那は独特のフォームから繰り出すストレートが140キロを超え、2種類のフォークを使い分けて打者を打ち取る。昨秋は大車輪の活躍で明治神宮大会を勝ち上がり、日本一投手の称号を手にした。ただ、年明けから本来の投球ができておらず不安は残るが、そんな中“負けない投球”ができるか、注目したい。県大会決勝で完投した百目木優貴はどんな場面でも淡々と投げることができ、代走や外野守備で出場することもある万能選手。1年春から公式戦のマウンドを経験している小林勇太は春、不調でベンチを外れた。最後の夏に戻ってこられるか。これら3年生投手陣に1年生の西巻賢二(内野手兼任)が控える。

 登米のエース・白岩聖隆は187センチの長身右腕。今年3月に138キロをマークするなど進化中だ。2年生の菊地圭佑は県大会準決勝で仙台育英打線を翻弄した。

 昨秋は3位、東北大会で1勝した松島には、鈴木識史と地区大会で経験を積んだ我妻大亮の二枚看板がいる。春に4強入りした石巻は、エース左腕・木村一翔と左腕・小林遥太の両2年生が落ち着いた投球を見せる。佐々木康太と内海陽平の両右腕に変則左腕・沼田翔塁、左腕・山田海都と4投手を揃える仙台東は、地区大会で聖和学園と東北の両私学を破った。

 地区大会の敗者復活戦で東北、聖和学園に勝利した泉の大塚康平は140キロ近いストレートに加え、右打者が思わず手を出してしまう独特のスライダーを持つ。庄子葵(仙台三)もスピードがあり、右横手投げの佐藤力也(仙台商)は丁寧な投球が光る。佐藤宏太郎(古川工)は投打で能力が高い。


▲白岩聖隆(登米)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●役者揃いの仙台育英


 平沢大河(仙台育英)は春季県大会直前の千葉遠征で2日連続の本塁打を放ち、県大会初戦でも一発を放り込んだ。守備では難しい打球のさばき方がうまく観客を魅了する。スピードに乗った走塁も一級品だ。だが、仙台育英は平沢だけではない。佐藤将太は好不調の波が小さいリードオフマンで、走塁カンもいい。青木玲磨は固め打ちタイプだが、足を生かした守備と走塁に定評がある。郡司裕也、佐々木良介は長短打で打点を稼ぐ。紀伊海秀の飛距離は全国屈指だ。

 逆方向のライトにも強い打球を打てるのは佐藤優悟(柴田)。地区大会ではライトに本塁打を放ち、県大会準決勝では9回に1点差に迫る2ランを左翼席に放り込んだ。公式戦では7本塁打で、高校通算本塁打は40本を超えている。セカンドへの送球は最速なら1.8秒を切る強肩で、足も速い。

 昨年、2年生ながら甲子園で打点を挙げるなど存在感を示した万城目晃太(利府)は、トップバッターとしてチームに勢いを与える。

 昨夏、仙台育英の連覇を阻んだ東北学院には、延長13回表に決勝本塁打を放った浅野太祐が残っている。二塁を守る工藤康平は、派手さはないが守備力が高い。

 塩釜のキーマンは俊足の1番・久保京太と巧打の4番・水間幹也。登米の2年生4番・佐々木幹太は変化球への対応力がついて急成長を見せている。


▲平沢大河(仙台育英)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●公立校にも大きなチャンス


 春の県大会8強中、7校が公立校だった。今年は私学に元気がないだけに公立にも大きなチャンスが広がっている。とはいえ、投打のバランスと全国舞台の経験値で、秋と春の王者・仙台育英が一歩リードしている。数字だけを見ると危ない試合もあったが、内容としては落とす要素がなかった。柴田は投手陣が一皮むければ面白い。登米は初の東北大会の経験を夏に生かしたいところ。東北、聖和学園、東北学院といった私学は秋、春の反省を踏まえて夏にどう仕上げてくるか。

地区勢力ピラミッド

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