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《妄想ベストナイン! 明治維新編》動けない一塁手と動かない三塁手は西郷隆盛と山内容堂!?

《妄想ベストナイン! 明治維新編》動けない一塁手と動かない三塁手は西郷隆盛と山内容堂!?

 野球選手以外でベストナイン選んだら、どんなチームができる!? 男優、女優、偉人、チューハイ……。人間以外もあり! ということで、週刊野球太郎が「妄想ベストナイン」を選出。オーダーを組んでみた。

 栄えある(?)「妄想ベストナイン」が集うリーグは、名づけて「モ・リーグ」(「モ」は妄想の「モ」です……)! 最終回となる今回は大河ドラマ『せごどん』にちなみ明治維新を駆けぬけた男たちによるベストナインだ!

明治維新を駆けぬけた男たちで組んだ「妄想ベストナイン」


 新たな夜明けを築くために命の炎を燃やしたファイターたちで組んだ妄想ベストナインは以下の通り。

1(遊撃):高杉晋作(長州藩)
2(右翼):桂小五郎(長州藩)
3(中堅):坂本龍馬(脱藩浪士、元土佐藩)
4(一塁):西郷隆盛(薩摩藩)
5(投手):土方歳三(新選組)
6(左翼):榎本武揚(徳川幕府)
7(二塁):岩倉具視(公卿)
8(捕手):河井継之助(長岡藩)
9(三塁):山内容堂(土佐藩)

 つっ、強い、強すぎるチームができてしまった……。WBCはもちろんワールドシリーズも圧勝間違いなしだ。

バッテリーは鬼の土方とガトリング砲で死守の河井


 エースはモ・リーグ(新撰組)副長「鬼の土方」こと土方歳三。「モ・リーグ道(士道)に背くまじき事」……。決まりを破れば仲間であろうとも切腹を申しつける隊規「モ・リーグ法度(局中法度)」を掲げ、マウンドに立つ。もちろんマウンドは星型。土方最後の決戦地・五稜郭のシルエットだ。

 冷徹と呼ばれた男・土方は戊辰戦争の敗戦に次ぐ敗戦のなか、やがて人間味をまとい、心の大きな男になったという。モ・リーグでも同様。回を追うごとに球速を上げ、仲間を励まし、マウンドを守り続ける。

 なお、チームメイトは「モ・リーグ法度」にもひるまない自由人が多いだけに、新撰組のようには統率できていないようだ……。ちなみに投げるだけでよし、としない土方は攻撃的でも主軸。3番に座る。

 捕手は長岡藩の河井継之助。戊辰戦争最大の激戦・北越戦争では長岡藩、かけつけた奥羽列藩同盟のナインを率いて新政府軍と死闘を展開。大砲のアームストロング砲や連射砲のガトリング砲をぶっ放して決死の抵抗。あの一歩も引かない戦いぶりこそ、モ・リーグの捕手にふさわしい。当然、ガトリング砲肩なので、盗塁阻止率は99.9パーセント。


革命児、おらが大将、くせ者が揃った強力内野陣


 4番・一塁には「せごどん」こと、明治維新きっての「おらが大将」西郷隆盛(晩年の)が鎮座。大きな体で悠然と待ちかまえ、悪送球にも「よか、よか。投げたいところに投げたらよかばい」と笑顔。俊敏に動けないため、球を逸らすことも多いが、そんなときも「よかよか」。一塁ベース脇でお座りしていた薩摩犬がそれたボールを、尻尾を振って追いかけていくぞ。そして、乱闘になっても「よか、よか」。ただし、怒るとものすごく恐いのを皆が知っているので、せごどんに飛びかかる者はいない……。ちなみに打撃は25年連続70本塁打超え。

 7番・二塁は「やっかいなお公家様」岩倉具視。モ・リーグ設立(公武合体)の立役者だ。岩倉卿は「武」には弱いが「知」には強い。そして、腕力自慢の相手に立ち向かう「度胸」も抜群。二塁の守備位置から全体的を見渡し、企みごとをしている表情には鳥肌が立つ。相手チームの主力が体調不良で欠場したならば、岩倉卿があやしいと見ていい!? なお、打席ではボールが体に当たったふりや、相手捕手の打撃妨害を誘うスイングが得意で出塁率はすこぶる高い。

 9番・三塁は重鎮、土佐藩主の山内容堂。「ザ・お殿様」の貫禄でホットコーナーから睨みをきかせる。言わずもがな、打球が飛んできても捕りにいくことはない。お殿さまだから……。容堂公は朝庭に政権を返還するよう徳川将軍に言上でき得た存在そのものが最大の武器。過去、命知らずの打者が三塁強襲ヒットを狙い、手討ちにあったという。攻撃時も打席の上に容堂公がおわします輿が置かれるのみ。ほぼ、遠慮した投手から四球を奪っている。

 酒豪でもある容堂公のキャッチフレーズは「酔って候」。機嫌がいいときは、三塁にやってきた相手ランナーに土佐の日本酒が振る舞われる。

 1番・遊撃にはモ・リーグ(明治維新)の華・高杉晋作こそふさわしい。高杉はNPB球団ともタメを張る独立リーグの雄・騎兵隊のオーナーでもある。着流し姿で手には三味線。この三味線から次々と快打を放ち、当たり前のようにトリプルスリー。わずかな手勢を率いて旧態依然の長州藩内でクーデターを成功させ、返す刀で長州征伐の徳川軍に大勝した突破力で初回から大量得点のきっかけを作る。「おもしろきこともなき世をおもしろく……」「すみなしものは心なりけり……」。打席に向かう高杉の背中には、お馴染みの名フレーズがスタンド中から降り注ぐ。


驚異すぎる守備範囲を誇る外野陣


 モ・リーグの外野陣は驚異すぎる守備範囲を誇る凄腕が揃った。

 まず「ヤバい機動力」を誇るのが6番・左翼の榎本武揚。モ・リーグ(徳川幕府)海軍を率いて、左翼から右翼まで、いや内野陣もカバーして回る。動けない一塁・せごどん、動かない三塁・容堂公のバックアップも務める。NPB時代は球団(徳川幕府)消滅という憂き目に遭ったが、捨てる神あれば拾う神あり。モ・リーグは、捨ててはおかなかった。

 3番・中堅の坂本龍馬は相手のマークをかいくぐり、どこにでも出没。「えっ」という打球(各藩のキーマン)をキャッチする。懐にはピストルこと「飛びすぎるバット」を携帯。このモ・リーグに、簡単には首を縦に振らなそう傑物が集ったのも「このままじゃいかんぜよ。モ・リーグ(日本)の夜明けぜよ!」という龍馬の説得によるところが大きい。

 2番・右翼は桂小五郎。後のモ・リーグ連盟コミッショナー(維新政府参議)・木戸孝允であ〜る。かつて、モ・リーグ(長州藩)冬の時代……。会津藩、薩摩藩を中心に構成される徳川軍から朝敵の汚名を着せられ、モ・リーグ(長州藩)はNPB(京都)から敗走。多くの同士が討ち死にするなか、小五郎は貧民に扮してでも逃げ延びた。再び、あのグラウンドに戻ってくるために……。「逃げの小五郎」と呼ばれた男は今、モ・リーグのグラウンドに立っている。苦労が生んだきめ細やかなバックアップは、内外野はもちろん、スタンドを埋めるファン、スタンドに来ることができないファンにも及んでいる。

 さて、妄想ベストナインはいかがだっただろうか。みんなもお気に入りのチームを組んでみよう!


文=山本貴政(やまもと・たかまさ)

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