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【2015夏の高校野球】《大分観戦ガイド》有望選手と大会展望&地区勢力ピラミッド

7月8日〜25日(別大興産スタジアム)

プロが徹底マークする森下暢仁の総合力
本命・明豊を引っ張る大庭ら強力打撃陣

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●独走の森下を素材型が追う


 筆頭は何といってもプロの各球団が徹底マークに入った森下暢仁(大分商)だ。最速148キロのストレートに加えスライダー、カットボールといった変化球の精度も向上の一途をたどっており、早くも「ドラフト上位指名もあり得る」との声が聞こえ始めた。本塁打力を備えた打者としての素質も高く、野球選手としての総合的実力は県内ではケタ違いといっていい。

 完成度ではケガから復帰した左腕エースの前田剛(明豊)。130キロ台前半から中盤のストレートにはキレがあり、カーブ、スライダー、チェンジアップなど変化球でもストライクを取れる。9回を100球前後でまとめるゲームメーク術は目を見張るものがある。

 左腕の素材型投手では、杉田信(大分上野丘)、入倉京一郎(大分豊府)も面白い。両者ともに体の線は細いが、杉田は三振が奪えるストレートとスライダー、スプリットなどのタテ変化がなかなかのレベル。入倉はストレートのキレと角度が目を引き、何よりも投げっぷりがいい。

 また秋の故障後、成長を続ける安部流星(情報科学)は、大きなカーブ、スライダーのキレと内角を小気味よく突いてくるストレートが爽快だ。183センチ右腕の土谷叶夢とのチーム内競争で、夏までにもうひと伸びすれば面白い。

 横からやや下がり気味の腕振りで130キロ台後半の力のある球を投げ込んでくる松原毅(杵築)、滑りの大きなスライダーを持つ並川健也(日本文理大付)の両右腕もマークしておきたい存在だ。


▲森下暢仁(大分商)


☆★☆ 打者編 ☆★☆

●才能豊かなスター候補たち


 昨年の夏に華々しくデビューした180センチ超の大型二塁手・大庭樹也(明豊)は、遊撃手にまわっても、依然としてセンスあふれる動きを見せている。持ち前のパンチ力に加え、逆方向への打撃に見られるように確実性も増してきた。まだまだ眠ったままの野性を目覚めさせることができれば、県内では敵なしの打者になるはずだ。明豊打線の4番に座るのは山中大輝。昨秋まではパワープレーを得意とする投手としても活躍したが、今春以降は主に野手としての起用が多い。負けん気の強さがパンチ力となって現れる強打者で、一発の魅力という意味では大庭以上か。さらに、大庭、山中とクリーンアップを組んでいる1年生の杉園大樹も、すでに両先輩をしのぐ飛距離を見せつけている。

 古田佑一郎(柳ヶ浦)は俊足巧打の中距離砲として高いポテンシャルを備える。187センチ84キロという恵まれた体躯で、打席での見栄えも群を抜いている。

 情報科学の井上雅大は広角に打ち分ける技術を備え、火の出るような打球を放つ4番・高野範道とともに勝負強さはピカイチだ。大分工には強肩と長打力を誇る捕手の高橋征基、自在に長短打を打ち分ける遊撃手の倉永敦志がいる。柔らかいリストワークからの長打力を誇る2年生の那賀一球(臼杵)は、春準優勝の原動力となった。

 最速142キロの速球派投手でもある川瀬晃(大分商)の野球センスは素晴らしく、須賀光星(杵築)、安藤駿(鶴崎工)、吉渡怜(別府青山)など、小柄ながらも一発の魅力を備えた打者もいる。


▲大庭樹也(明豊)


☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●総合力の明豊を追う大分商と杵築


 投打に加え守備や走塁のトータルバランスが高い明豊が、総合力で一歩リードしている。下級生の戦力もバランスよく配置されており、昨夏決勝で2死無走者から敗れた悔しさを晴らしたいところ。プロ注目の右腕・森下を擁する大分商だが、課題は得点力不足。守備陣の精度向上も求められるが、これらが克服できれば一気に突っ走る可能性もある。強力打線に松原の成長と機動力野球という強みが加わった杵築も先頭集団。第2グループ以降は大差がなく、混戦模様のまま開幕を迎えるだろう。

地区勢力ピラミッド

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