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今季は外崎修汰で決まり!? 石毛、田辺、稼頭央、中島らが築いた獅子軍団遊撃手「黄金の系譜」


 西武が抱える懸案事項の一つであった「正遊撃手不在」が、いよいよ解消されそうだ。答えを出したのは、今季がプロ入り2年目となる外崎修汰。

 昨季は金子侑司、鬼崎裕司に続く31試合にスタメン出場した外崎。打撃ではあまり良いところを見せられなかったが、盗塁を10回中9回決めるなど自慢の俊足を大いにアピールしていた。

 今季に入っても、オープン戦でチームトップの盗塁数を記録するなど持ち味を発揮。さらに課題だった打撃でも、3月13日の巨人戦でホームランを含む猛打賞となったことで、団子状態だった遊撃手争いから頭一つどころか二つ三つと抜けだした。

 思えばこれまでの西武は、常に確たる遊撃手が存在し、彼らがリーダーシップをとってチームの強さを維持していた。それだけに最近のチーム成績が芳しくないことは、正遊撃手不在と無関係ではないだろう。

 そこで今回は西武のショートの歴史を振り返ってみたい

最強軍団の猛者を束ねた男:石毛宏典


 1980年代の黄金期の中心選手で、西武に在籍した14年のうち、リーグ優勝11回、日本一を8回経験。主要タイトルの獲得こそならなかったが、1986年には三冠王の落合博満やルーキー時代の清原和博を抑えてMVPを獲得したこともある。

 翌87年には、パ・リーグの野手として初の1億円プレーヤーになるなど、給料面でも黄金期のメンバーをリードしていた。


現監督は守備の名手:田辺徳雄


 森祇晶監督をして、「10年間は遊撃手に困らない」と言わしめた守備力の持ち主。田辺の加入で、秋山幸二が外野手に、石毛がサードにコンバートされた。

 守備の人というイメージだが、「恐怖のの9番打者」と呼ばれ、2年連続で2桁ホームランを記録するパンチ力も秘めていた。

元祖アスリート系プレーヤー:松井稼頭央


「短距離走の練習をしっかり行えば、オリンピック選手になれる」と言われるほどの身体能力を武器に、8年に渡ってショートを守り続けた松井稼頭央。今年で41歳となる現在も、楽天で存在感をみせている。

 デビュー当初は最高で62個も決める盗塁が持ち味だったが、徐々にパワーも付け、それが2002年にトリプルスリーという形で実った。その結果、西武という枠を超えて、プロ野球界最高のショートとも言われている。


有言実行のクラッチヒッター:中島裕之(現:宏之)


 入団時から松井稼頭央の後釜として育成され、メジャーリーグへ移籍した松井の穴を埋めるべく2004年から正遊撃手として活躍。ご存じの通り、現在は同じパ・リーグのライバルチーム・オリックスでプレーしている。

 ここぞのバッティングには光るものがあったが、守備難がなかなか改善されず、当時のエースだった松坂大輔から苦言を呈されていたことも。それを糧にしたのか、ゴールデングラブ賞を獲得するまでに成長した。


心優しき男がどこまで行けるか


 こうして改めて西武のショートを見ていくと、ある意味で日本のショートの歴史とも言える。どの時代を切り取っても、必ず名選手の名前が出てくるのだ。

 外崎もぜひ、そんなレジェンドたちの一員になってほしい。

 リンゴ農園を営む両親に親孝行するべく、バッティンググローブにりんごの刺繍をいれるほど心優しい男だが、やる時はやる。そう信じて、今季は外崎ウォッチャーになろうと決めた。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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