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不振の日本ハムに追いうち!? 中田翔、大谷翔平、増井浩俊…。今オフ、待ち受ける“スター流出危機”

不振の日本ハムに追いうち!? 中田翔、大谷翔平、増井浩俊…。今オフ、待ち受ける“スター流出危機”

 昨季の日本一から一転、日本ハムが不振に喘いでいる。ここまで28勝41敗の借金13。ロッテが日本ハム以上の大惨事になっているので5位だが、最下位でも不思議ではない数字だ。

 4割打者・近藤健介の負傷離脱など暗いニュースが多いなか、大谷翔平が実戦復帰し、光明が差したようにも見えるが、いずれにしても予想外の展開だ。さらに今オフは波乱も予想されている。

FA多数+大谷のメジャー移籍も?


 今年、日本ハムではFA権を取得する選手が多数存在する。注目は4番・中田翔だ。昨オフは契約更改で複数年契約を蹴り、単年の2億8000万円でサイン。しかし、今季はここまで打率.239、10本塁打、得点圏打率.225とやや苦しんでおり、球団としては「売り時」の決断になりそうだ。

 また守護神・増井浩俊とセットアッパーの谷元圭介もFA権を取得。増井は年俸2億2000万円、谷元は年俸1億円。両者ともになくてはならない存在だが、FA補償で増井はAランク、谷元はBランクとされており、どちらも移籍となれば人的補償を得られる。これまでの日本ハムのチーム構成の遍歴を見ると、強気の交渉に打って出る可能性は低くないだろう。

 さらには大谷翔平にもメジャー手形を出しており、こちらも早ければ今オフにメジャー移籍が決まるかもしれない。

 さすがに全員流出という事態はないだろうが、日本ハムファンは相応の覚悟が必要だろう。

臨時マネーはインフラ投資の姿勢


 FAやポスティングで臨時収入があったとしても、それが新たな選手補強に繋がる可能性は少ないだろう。

 現に2011年オフにダルビッシュ有がレンジャーズに移籍し、約40億円のポスティングマネーを手にしたときは、旭川市に2億円を寄付し、旭川スタルヒン球場のナイター照明設置を後押ししたほか、2軍・鎌ヶ谷の設備充実など多くをインフラに投資した。

 「目先よりも将来」というのが日本ハムの一貫した経営姿勢だ。

 また、新球場建設計画も“貯金”の大きな要因になるだろう。札幌ドームの球場使用料の問題などで実質的な赤字である以上、“新しい箱”が整うまでは散財はできない状況だ。

 戦力面、補強面では今後数年は厳しいやりくりになりそうだが、自前の球場が完成する、もしくは札幌ドームの使用条件が見直され、単独黒字化されれば、今のように「渋い」と言われることもなくなるだろう。

 チームの勝敗は借金を重ねているが、未来への貯金を作っている。北海道移転から培ってきた育成力は、すでに大きな財産だ。球団にとってもファンにとっても我慢の時期となりそうだが、この山を乗り越えれば、今とは違った日本ハムが顔を見せそうだ。

(成績は7月28日現在)


文=落合初春(おちあい・もとはる)

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