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Aクラスを目指す楽天に立ちはだかる巨大な難敵「千葉鴎軍団」。アンビリーバブルな激闘を振り返る!


 プロ野球は後半戦が始まった。4位・楽天は可能性がある限り、プレーオフ出場を目指す。

 5月8日に最下位に沈んだ楽天は、交流戦で新戦力が躍動。上昇気流をつかまえ、リーグ戦再開後に4位へ浮上している。懸案の長打力不足も、デビュー2戦連続本塁打を披露した新外国人ペレスの加入で目途がつきそうな気配。不振の銀次もここへきて復調、そのバットに快音が戻ってきた。

 さあ! いよいよ勝負の夏!!

試合展開が読めない激戦続きの「楽天vsロッテ」


 しかし、勝負どころを迎えた犬鷲軍団には、戦々恐々の対戦カードが待ち構えている。7月22日から始まる3位・ロッテ戦だ。

 Aクラス入りをかけた真夏の戦いを制するには、3位・ロッテとの戦いが肝心。7月17日現在、3位との間に横たわる10.5ゲーム差も、一時期は借金15を抱えた事態も、全ては「逆転のロッテ」の奔流に飲み込まれたことが原因なのだから。

 ロッテ戦は単なる3位・4位対決ではない。楽天の命運、生殺与奪を握る対戦になっている。それほどまでに、下記3試合の敗戦が与えたアンビリーバブルな衝撃は、大きな意味を持っている。

5月5日 8対15(Koboスタ宮城)
5月14日 12対13(QVCマリンフィールド)
5月15日 8対9(QVCマリンフィールド)


4番が満塁弾を放っても、歴戦の大打者が勝ち越しソロを決めても勝てなかった……


 この3試合の衝撃的な負け方を振り返ってみよう。

 5月5日のゲームは、楽天先制、ロッテ同点、楽天勝ち越し、ロッテ同点、ロッテ勝ち越し、楽天逆転、ロッテ同点、楽天勝ち越し、ロッテ大逆転……。猫の目のように戦況が移り変わった。

 終盤に4番・ウィーラーのグランドスラムで逆転したのも束の間、直後に試合は振り出しに。すぐさま松井稼頭央のソロ弾で勝ち越しを決めたが、9回になんと8失点。松井裕樹が炎上した。

松井裕樹、2試合連続サヨナラ打を浴びる


 両軍34安打25得点の乱打戦となった14日のゲームでは、10年ぶりの9連敗という「禁門の扉」を開けることに……。

 5回表終了時には4点リード。しかし、またもや逃げ切ることができなかった。追いつかれた7回以降は、ロッテ自慢のリリーフ陣が零封リレー。10回裏には松井裕がロッテの代打・井口資仁にサヨナラ打を浴びる。12得点しながら負けたのは球団史上初のことだった。

 翌15日も楽天が4回表までに5点リード。しかし、6回に連続押し出し、満塁被弾など大量7失点。延長11回裏に松井裕が持ちこたえられず、2試合連続のサヨナラ負けを喫した。

 この試合は、星野仙一副会長が現地観戦。その姿をとらえた中継カメラには、顔面に青筋立つ「鬼の形相」が写っていた。


奇跡のドラマはロッテに勝つことから始まる!


 7月22日からの本拠地3連戦は、あの衝撃以来、約2カ月ぶりとのロッテとの対戦になる。

 東北から奇跡のドラマを紡ぎ出すには、鴎軍団へのリベンジが最低条件。正直、ハラハラドキドキの試合展開はお腹いっぱい。投手陣が試合を作る引き締まった好ゲームを期待したい!


文=柴川友次(しばかわ・ゆうじ)
信州在住。郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える、楽天応援の野球ブロガー。各種記録や指標等で楽天の魅力や特徴、現在地を定点観測するブログを2009年から運営の傍ら、有料メルマガやネットメディアにも寄稿。

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