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《君はこんなもんじゃない!》鈴木尚広から走塁術を伝授。G党の心の支え・松本哲也の復活を待つ!


 プロでの活躍を期待されながら、殻を破りきれず、「鳴かず飛ばず」で期待を裏切り続けてしまう選手たち。もう一歩で覚醒しそうな選手たち。『野球太郎』本誌では、そんな選手を「君はこんなもんじゃない!」選手(君コン選手)と呼んで、過去に特集も組んできた。

 週刊野球太郎では、2017年の幕開けに、ライター陣がピックアップする12名の最新「君コン」選手を取り上げ、愛情たっぷりに鼓舞したい。

 最終回となる今回、ライター・藤山剣氏が挙げる「君コン」選手は巨人の松本哲也だ。

新人王&ゴールデン・グラブ賞に輝いた「育成の星」だが……


 プロ3年目の2009年に育成出身選手として初のゴールデン・グラブ賞を獲得するなど大ブレイクを果たした松本哲也。まずは簡単に彼のキャリアを振り返ってみたい。

 2006年の育成ドラフト3位で専修大から巨人入りした松本。この年のドラフトは豊作で、高卒組には田中将大(駒大苫小牧高→高校生ドラフト楽天1位)、坂本勇人(光星学院高/現八戸学院光星高→高校生ドラフト巨人1位)、前田健太(PL学園高→高校生ドラフト広島1位)らが名を連ね、大卒組では岸孝之(東北学院大→西武希望入団枠)、大隣憲司(近畿大→ソフトバンク希望入団枠)、浅尾拓也(日本福祉大→大学生・社会人ドラフト中日3位)らが各球団から上位指名を受けていた。

 そんな状況では、巨人とはいえ育成3位にスポットはそう当たらない。入団時の注目度は高くなかった。

 それでも、ルーキーイヤーとなる2007年の春季キャンプで首脳陣に認められ、早々に支配下登録。翌2008年はケガもあって1軍では3試合の出場に終わったが、3年目の2009年にそのポテンシャルが一気に開花する。中堅のレギュラーに定着し、129試合で打率.293を記録。新人賞とゴールデン・グラブ賞を受賞した。

 身長168センチと小柄ながらガッツあふれるダイビングキャッチも持ち味。そのスピードを生かした守備で何度もチームのピンチを救い、また観客を魅了した。

 しかし、その後はハッスルプレーゆえのケガもあり、成績は乱高下したのち、低迷への道をたどってしまう。2015年は44試合の出場で打率.147、2016年は52試合で打率.174。いくら守備がよくても、足が魅力でも、さすがにこの成績では存在感が薄くなってもしかたない。

松本の活躍はファンの心の支え


 このままでは終われない。それは、もちろん松本自身のためでもあるが、ファンのためでもある。

 巨人といえば、金満球団というイメージがどうしてもつきまとう。毎年のようにFAなどで国内の有力選手をチームに引き入れ、高年俸の外国人選手を獲得することも厭わない。そのせいで、日本一の人気球団ながら、アンチも多い。

「金で選手を集める巨人なんかに魅力ある?」

 周囲からこう揶揄され、肩身の狭い思いをする巨人ファンも少なくないはずだ。

 そんなとき「いや、松本のような選手もいるんだよ」という切り返しは、巨人ファンの伝家の宝刀ではなかっただろうか。

 育成から1軍でレギュラーポジションを確保するまで駆け上がってきた松本は、ある意味、G党の心の支えだったに違いない。筆者は巨人ファンではないので推察でしかないが、この感覚はそうズレていないはずだ。

 もちろん、巨人には移籍組だけでなく、阿部慎之助や坂本勇人、長野正義といった生え抜きもチームの主力として活躍してはいるが、彼らにはどこかエリート感がある。それだけじゃ物足りない。やはり「叩き上げの松本」がいないとだめなのだ。


自主トレで足のスペシャリストに学ぶ


 2016年シーズン終了と同時に、足のスペシャリストだった鈴木尚広がユニフォームを脱いだが、球団から後継者として期待されたことを、昨秋の契約更改後の記者会見で松本は明かした。

 それを意気に感じ、1月半ばには、ジャイアンツ球場での自主トレに鈴木本人を招き、そのすべてを吸収すべく、みっちりと走塁指導を受けた。

 今季は陽岱鋼も加入し、外野のポジション争いはさらに激化する。しかし、このまま終わっていい選手では絶対ない。打力さえ戻れば、必ず出番はある。久しぶりにハツラツとした松本の姿をグラウンドで見たい。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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