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初ブルペン、令和2年2月22日に22球を投げた奥川恭伸。贔屓球団のルーキー、キャンプはどうだ?

文=勝田聡

初ブルペン、令和2年2月22日に22球を投げた奥川恭伸。贔屓球団のルーキー、キャンプはどうだ?
 高津臣吾新監督を迎えて2020年シーズンに臨むヤクルトだが、この春季キャンプでは2軍(宮崎県西都市)にも注目が集まった。もちろん黄金ルーキーの奥川恭伸が汗を流しているからである。

1月の新人合同自主トレからノースロー


 昨年のドラフト会議において巨人、阪神、ヤクルトの3球団が入札した星稜高の奥川恭伸。抽選の末に高津新監督が当たりくじを引き、ヤクルトへと入団した。

 ヤクルトが交渉権を獲得してからは、地元・石川だけでなく全国的なニュースとして動向が報道されている。1月上旬から始まった新人合同自主トレでは順調にトレーニングを続けていたが、1月16日に右ヒジに軽度の炎症が見つかり、ノースロー調整となった。ただ、この炎症は新たに発症したものではなく、11月の段階でも見られていた軽い症状。痛みもなく、投げられないことはない程度のものだったが、大事を取った形となる。

 この報告を受けた首脳陣の判断により、春季キャンプは2軍スタートが正式に決定。また、状態がよくなるまでノースロー調整が続けられることになった。入団前から大きな期待を背負っていた金の卵だけに、慎重に育ててこうという球団の意思が感じられる。

初キャンプは2軍で徐々にペースアップ


 2軍スタートとなった奥川は2月1日からもノースロー調整が既定路線だった。それにも関わらず、ヤクルトの2軍キャンプ地である西都(宮崎)には多くの報道陣が詰めかけた。2日目以降は少し落ち着いたものの、それでも2軍にしては多かったようだ。

 そんな中、2月3日に室内練習場でネットスローを開始。翌4日も距離を伸ばしてネットスローを継続し、順調な回復ぶりを見せていた。ネットスロー解禁から3日後の6日にはキャッチボールも再開。その後、炎症の悪化もなくメニューをこなしている。2月15日からは全体練習にも参加。リハビリ組から抜け出し、ようやくスタートラインに立った。

 そして、初のブルペン投球は2月22日だった。西都のブルペンで20球から2球をおかわりし、合計22球。奥川はプロ入り後初のブルペン入りとなった令和2年2月22日に22球を投じたのである。

 このときブルペンキャチャーは座っておらず、本格的な投球ではない。しかし、球を受けた小山田貴雄ブルペンキャッチャーは「150キロくらい出ているのでは?」とコメントしている。多少のリップサービスはあるのかもしれないが、悪い球ではなかったということだろう。

 翌日に体の異変もなく、24日には2度目のブルペンに入った。この日は30球を投げており、ヒジの状態も悪くなさそうだ。現地を訪れていた平松政次氏(元大洋)をはじめ評論家たちも、奥川のフォームや球筋を絶賛している。右ヒジの炎症で出遅れても、大器であることには変わりない。

平常心を保つことができるか


 誰もが注目する大器である奥川の起用法は気になるところだ。報道を見る限りでは、「高卒1年目の今年は2軍で体を作りながら」という声が多く聞こえてくる。

 高津監督、斎藤隆投手コーチは起用法について明言していないものの、じっくりと育てていくことが予想される。奇しくも2人はMLB経験者。日米のいい部分、悪い部分をよく知っている。大きく意見が割れることも少ないだろう。

 一方で奥川はブルペン投球が決まる前も、「早く投げたい気持ちがあります」とはやる気持ちを抑えきれなかった部分がある。また、ロッテに入団した佐々木朗希と比較されることも多い。もしかしたら佐々木の動向に焦りを感じることがあるかもしれない。

 はやる気持ちを首脳陣そして奥川自身が、コントロールし心を保てるかが重要な要素となりそうだ。

(※写真は星稜高時代)

文=勝田聡(かつた・さとし)

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