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ペナントレースも残すところ1カ月ほどとなった。セ・リーグは巨人の優勝マジックが消え、2位・DeNAが追い上げる展開。3位・広島は苦しい状況ながら、わずかに可能性を残している。パ・リーグはソフトバンクと西武のデッドヒートが続いている。
そのような状況の中で、各チームのキーマンは誰となるのか。優勝争いのカギを握るであろう選手を取り上げてみた。
（※成績は9月4日現在）
2014年以来5年ぶりの優勝に向けたラストスパートをかけたい巨人。投手陣は菅野智之と山口俊が先発を支え、野手では坂本勇人と丸佳浩のコンビがここまでのチームを引っ張ってきた。
そしてここ最近で調子を上げてきたのが岡本和真だ。昨シーズンは「3割、30本塁打、100打点」に到達し大ブレイクを果たした。しかし、今シーズンは一時的に4番を外れるなど昨シーズンほどの爆発力はなかった。
しかし8月は打率.301（103打数31安打）、9本塁打、26打点と大当たり。シーズン通算成績も打率.261（482打数126安打）、26本塁打、79打点とだいぶ戻してきた。坂本、丸の後ろで岡本がどっしりと構えていれば、相手投手にとって脅威となり破壊力は大きくなる。
復調した「4番・岡本」の打撃が巨人のカギを握る。
（※編集部注 菅野は9月4日の中日戦で下半身にアクシデト発生）
セ・リーグはDeNAが2.5ゲーム差、広島が6.5ゲーム差で巨人を追いかけている。DeNAは伊藤光と宮崎敏郎、パットンが離脱し苦しんでいる。主力3人の穴を埋めるのは難しい。
そのなかで期待されるのが梶谷隆幸だ。今シーズンの梶谷は序盤戦で結果を出せず、2軍暮らしが続いていた。しかし、8月23日に1軍へ復帰すると、その日に本塁打を放ち、ラミレス監督に大きくアピール。その後、起用法は定まらないものの、安打を重ねている。
梶谷なら若手とは違い、終盤戦のプレッシャーに押しつぶされることもないだろう。今シーズンの鬱憤を晴らす活躍を見せれば、きっとチームの起爆剤となるはずだ。
球団史上初の4連覇を目指す広島は、ここまで苦しい戦いを強いられている。首位巨人との差は6.5ゲーム。残り試合数を考えると逆転優勝は雲をつかむような話。そのなかで逆転へのキーマンとなるのは鈴木誠也だろう。誰もが認める主軸が「打って、打って打ちまくること」、それがチームの火をつける。
8月31日には西武にゲーム差ナシまで詰め寄られたソフトバンク。現在は西武に1ゲーム差とわずかなリードを保っている。
今シーズンのソフトバンクは故障者が続出し、ベストメンバーをなかなか組むことができなかった。なかでも、開幕早々に離脱した柳田悠岐の影響は計り知れない。
その柳田は復帰してから10試合で打率.235（34打数8安打）、3本塁打、4打点とまだまだ本調子とは言い難い。どのタイミングで調子を取り戻すのかが、大きなポイントとなる。
また、投手陣では先発に戻ってきた武田翔太がポイントとなる。今シーズンは先発で開幕するも中継ぎに配置転換されていた。しかし8月14日から再び先発に復帰。3試合で19イニングを投げ、4失点（自責3）と安定した投球を続けている。千賀滉大、高橋礼に続く3番手が不在だっただけに武田の復活は大きい。
柳田の復調、そして先発に復帰した武田が終盤戦のカギを握りそうだ。
パ・リーグ2連覇を狙う西武が怒涛の追い上げを見せている。8月はNPB歴代2位の月間172得点と圧倒的な打撃力で勝利を重ねてきた。秋山翔吾、外崎修汰、森友哉、中村剛也、山川穂高……と誰しもがキーマンとなりうる猛者たちである。そのなかで、あえて名前を挙げたいのが森だ。
8月は打率.377（106打数40安打）、10本塁打、30打点と文句なしの成績を残しチームの躍進に大きく貢献した。しかし、打撃の好調は長く続くものではない。調子が下降する時期は必ずやってくる。その不調時をどのように乗り越えていくかがポイントだ。
打撃面での不調を守備に引きずらないことも大事になってくる。攻守の要である森の状態が西武のカギとなる。
文＝勝田聡（かつた・さとし）
