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毎年恒例の人気企画! 野球太郎が開催した「極私的ドラフト」で9球団重複指名の新記録が!!


 10月20日に行われるドラフト会議に先立ち、10月11日に飯田橋駅近くのとある一室で「極私的プロ野球ドラフト会議2016supported by 野球太郎」が開催された。

 本家・ドラフトが行われるグランドプリンスホテル新高輪のような華やかさには敵わない。しかし、本家に負けないドラフトに懸ける想いや情熱が会場には満ちていた。その状況をレポートしたい。

「極私的ドラフト」はトークで幕を開けた


 「極私的プロ野球ドラフト会議2016」は久保弘毅氏(ライター・司会・元tvkアナウンサー)、菊地選手(ライター・『野球部あるある』著者)、蔵建て男氏(スカウト的観戦者・ドラフトサイト「迷スカウト」管理人)の3名によるトークで幕を開けた。

 トークは約30分。総合力で寺島成輝(履正社高)に3球団くらい指名が集まるのではないか、松本桃太郎(仙台大)はホームランを打っているがスラッガーというより本質的にはアベレージ系だろう、といった注目選手に関する話題で盛り上がり、極私的ドラフト会議へと移っていった。


史上初! 9球団競合はあの男!!


 「極私的ドラフト」は12球団の担当を2、3名で受け持ち、実際のドラフトのように指名していく仮想ドラフトだ。本誌『野球太郎』はもちろん、様々なドラフト情報誌、さらにはお手製の指名リストが、12球団ごとに分けられた机の上に所狭しと置かれている。

 初めて顔を合わせる参加者も多いこのイベント。当日に話し合いで指名を決めるという状況のなか、各球団の担当者が第1巡選択希望選手を用紙に書き提出する。

 第1巡選択希望選手が12球団出そろうと、司会を務める久保氏の声が響く。

「第1巡選択希望選手、オリックス」

 一瞬の間が空く。

「田中正義、投手、創価大学」

 会場には「やっぱり!」「いきなり田中がきた!」と言った声が挙がる。続く中日も田中を指名。ここで「中日も田中!? 柳は!?」と言った声も当然のように聞こえてくる。中日担当の参加者は、柳裕也(明治大)をハズレ1位で獲得する予定なのだろうか。

 しかし、続く楽天の指名はなんと柳だった。中日陣営は苦笑いだ。

 その後も指名は続く。

 ヤクルトが山岡泰輔(東京ガス)を指名。ここ数日で報道されたヤクルトの1位は山岡説に忠実に沿っているようだ。

 西武、阪神は田中正義を指名。

 そして、ロッテが藤平尚真(横浜高)を指名。初めて高校生の名前が読み上げられた。ロッテは横浜高の先輩である涌井秀章がおり、生まれてから中学までを過ごしてきた千葉県ということで、藤平にとって馴染みやすい球団かもしれない。

 続くDeNA、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島の5球団はなんとすべて田中を指名。田中の名前が読み上げられる度に、指会場からは笑いしか起こらなくなっていた。

 1巡目指名をまとめてみよう。

【9球団競合】田中正義(創価大) オリックス、中日、西武、阪神、DeNA、ソフトバンク、巨人、日本ハム、広島

【交渉権確定】
ロッテ:藤平尚真(横浜高)
ヤクルト:山岡泰輔(東京ガス)
楽天:柳裕也(明治大)

 田中は9球団競合となり、野茂英雄(新日鐡堺→近鉄・1989年ドラフトで8球団競合)、小池秀郎(松下電器→近鉄・1990年ドラフトで8球団競合し、ロッテが交渉権を得るも入団拒否)を超える逸材となった。「極私的ドラフト会議」での話だが……。

 ここからは本番さながらの抽選だ。各球団の代表者が前に並び、抽選箱の中にある「交渉権確定」の文字が書かれた紙を手繰り寄せようと手をねじ込む。

 全員が引き終わった。

 一斉に開票する。

 手を挙げたのは広島の代表者だった。

 会場には「勘違いではないか?」などといった声も飛ぶ。真中満監督(ヤクルト)の勘違いガッツポーズの笑顔が、皆の脳裏をよぎったのは間違いない。

 当たりくじを引いた広島の代表者は「田中投手は来年の開幕投手も狙える存在だ」と、現在のチーム状況に照らし合わせたコメントを残した。

◎ハズレ1位も4球団競合!

 田中正義を外した8球団はハズレ1位の指名を行う。球団ごとに作戦会議が行われる。

 各テーブルの声に耳をすますと「寺島」、「今井(達也、作新学院高)」、「高橋(昂也、花咲徳栄)、「佐々木(千隼、桜美林大)」といった名前がチラホラと聞こえてくる。

 田中正義を外すのは想定内。ここからが本当の勝負だ。

 8球団の入札が出そろう。

 ここでもある選手に偏った。寺島成輝(履正社高)だ。寺島にオリックス、DeNA、ソフトバンク、日本ハムが競合した。

 中日は吉川尚輝(中京学院大)、西武は高橋昂也(花咲徳栄高)、阪神は佐々木千隼(桜美林大)、巨人は今井達也(作新学院高)を単独で指名。交渉権を獲得した。

ハズレ1位をまとめよう。

【4球団競合】寺島成輝(履正社高)
オリックス、DeNA、ソフトバンク、日本ハム

【交渉権獲得】
巨人:今井達也(作新学院高)
阪神:佐々木千隼(桜美林大)
西武:高橋昂也(花咲徳栄高)
中日:吉川尚輝(中京学院大)

 2度目の抽選で寺島成輝の交渉権はオリックスが獲得した。

 ハズレのハズレ1位は、各球団とも競合を避ける結果となった。ソフトバンクが高良一輝(九州産業大)、日本ハムは古谷優人(江陵高)と地元出身の選手を狙う。そしてDeNAは堀瑞輝(広島新庄高)を指名した。


「極私的ドラフト会議」的12球団の1位指名選手


12球団の1位指名選手をあらためてまとめてみよう。

【1位指名選手】
日本ハム:古谷優人(江陵高)
ソフトバンク:高良一輝(九州産業大)
ロッテ:藤平尚真(横浜高)
西武:高橋昂也(花咲徳栄高)
楽天:柳裕也(明治大)
オリックス:寺島成輝(履正社高)
広島:田中正義(創価大)
読売:今井達也(作新学院高)
横浜:堀瑞輝(広島新庄高)
阪神:佐々木千隼(桜美林大)
ヤクルト:山岡泰輔(東京ガス)
中日:吉川尚輝(中京学院大)

 妥当なところに落ち着いたというのが筆者の印象だ。実際のドラフトも田中を外した後のハズレ1位で誰を指名するのかがポイントとなりそうだ。


◎指名漏れの選手たち

 その後も各球団5巡目まで指名を続け、約3時間で「野球太郎極私的プロ野球ドラフト会議2016」閉会となったが、筆者が気になった指名漏れの選手も紹介しよう。

【投手】
北出浩喜(パナソニック)
酒居知史(大阪ガス)
?地真澄(福大大濠高)

【野手】
森山恵佑(専修大)
石井一成(早稲田大)
田城飛翔(八戸学院光星高)

 「12球団×5位指名=60名」のなかで、上記の6選手が指名されなかったのが意外だった。

 野球太郎による「極私的ドラフト会議」と本家・ドラフト会議のは近い結果なのか、それともまったく違う展開なのか? 10月20日の17時から開催される本家・ドラフト会議を楽しみに待ちたい。

 野球好きにとってドラフトは一大イベント。筆者はしっかりとテレビの前で待機するつもりだ。


文=勝田 聡(かつた さとし)

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